【神戸空港国際化?】関西3空港懇談会 2018年12月24日開催で調整
2018/12/06
神戸空港
産経新聞によると、
関西国際、大阪(伊丹)、神戸の3空港の役割分担を地元自治体や関西財界で議論する「関西3空港懇談会」について、座長を務める関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は(12月 )4日、会合を今月24日に開く方向で調整していると明らかにした。
引用 https://www.sankei.com/west/news/181204/wst1812040032-n1.html
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関西3空港懇談会とは?
関西経済連合会の秋山会長の提唱により2003年に開催され、地元経済界及び自治体とで関西3空港の在り方について議論することを目的としたもの。
メンバーは、関経連会長、大阪府知事、大阪市長、兵庫県知事、神戸市長で、国土交通省(国土交通大臣または航空局長)も毎回出席する。
関西3空港の役割分担を変更するためには、「関西3空港懇談会」の意見一致が条件とされる。
「関西3空港懇談会」が最後に開催されたのは2010年だが、その後2016年4月に「関西エアポート」が関空の運営権を取得して運営を行っている。
「関西エアポート」は「関西3空港懇談会」のメンバーではない。
当ブログの分析
今回の関西3空港懇談会では「関西エアポートがプランを提出」し、各参加者が意見を述べる形になると予想される。
また、伊丹空港廃港など重要な変更は「関西エアポート」の意向に反して「関西3空港懇談会」が決定することはできないと思われる。
したがって、「関西エアポート」が提出するプランが極めて重要となる。
現在の関西3空港の役割分担
空港名 | 役割分担 |
関西国際空港 | 関西の基幹空港であり、国際線が就航するのは関空に限定する。 |
伊丹空港 | 国内線の基幹空港で、騒音対策のため、発着回数は1日370便、運用時間は7時から21時までの14時間とする。 |
神戸空港 | 150万都市神戸及びその周辺の国内航空需要に対応する地方空港で、運用時間は7時から22時までの15時間、1日の発着回数は60回が上限とする。 |
関西3空港懇談会メンバーの意向
(過去の発言から当ブログで予想)
メンバー | (神戸空港の国際化について)の立場 |
関経連会長 | △ 慎重 |
大阪府知事 | 〇 賛成 |
大阪市長 | 〇 賛成 |
兵庫県知事 | 〇 賛成 |
神戸市長 | 〇 賛成 |
国土交通省 | 〇 賛成 |
コメント
兵庫県、神戸市は、神戸空港に国際チャーター便を就航させ、その後、国際定期便就航につなげたい意向と思われる。
一方、関西エアポートは民間企業であり、採算性を重視し、「神戸空港への国際チャーター便就航」については、慎重姿勢と思われる。
「神戸空港への国際チャーター便就航」の可能性は、採算性次第というところかもしれない。
採算性
国際チャーター便(ボーイング737-800型機)を運航する場合、着陸料+乗客の出国料なので、1往復で約50万円の売上になると予想される。
週2往復(4便)だと年間約100往復(200便)で年間売上5,000万円になる。しかし、経費が3,000万円ならば、利益は2,000万円程度になる。
関西エアポートの年商は約2,064億円なので、2,000万円のために、わざわざ神戸空港国際チャーター便を就航されるメリットはない。
やぱり、1日20便~30便の国際線でないと空港運営会社としては利益が出しにくい。しかし、そのためには、国際線ターミナルを100億円で建設し、年間に維持費も10億円は必要になる。
関西エアポートとしては、現在、関空で利益がてているので、神戸空港国際線に100億円も投資するはずもない。
そうなると、兵庫県・神戸市が負担するしかない。
もし、そうなっても、神戸空港国際線が増加した分、関空国際線が減少したのでは、関西エアポート全体としてはメリットはない。
神戸空港に国際線を導入しても、関空の国際線が減少しないという確実な予測がない限り、関西エアポートとしては、神戸空港国際線に慎重にならざる負えない。
アクセス
三宮~関西空港のリムジンバスの所要時間は65分で、神戸空港に週2便~3便の国際チャーター便を就航させる意味はあまりない。
また、神戸空港~関西空港の高速船(神戸・関空ベイ・シャトル)の所要時間は約30分で、神戸空港の駐車場を何泊でも無料で駐車できる。
利用者にとっても、神戸空港国際チャーター便はあまりメリットを感じられない。
まとめ
空港職員にとっても、余計な仕事が増えるばかりで、意味がない。
実際、2018年9月、関空は台風被害を受けたため、伊丹空港、神戸空港に国際線就航を許可したが、実際に就航した国際線は1便もなかった。
エアラインにとっても便数の少ない「国際チャーター便」はメリットがない。
結局、経済が低迷する兵庫県、神戸市の「やってる」アピールに過ぎない。
神戸市は税金を投入して、客船を誘致して実績アピールしているが、客船の乗客の9割は大阪や京都に買い物・観光で行っていた。
神戸市はいつも表面上の数字のアピールばかりやって、神戸の実態経済を成長させることはやっていない。
だから、神戸の経済は衰退し、人口が減少するのだ。
最後に
2025年、大阪関西国際博覧会(大阪万博)の開催が決定したことで、兵庫県・神戸市の協力も必要になってくる。
したがって、関西3空港懇談会としては、神戸空港への国際チャーター便就航を認めるのではないか?
しかし、実際には、神戸空港の国際チャーター便は、年に数回程度かもしれない。
また、民間の旅行会社が参入しない可能性もあり、そうなると「ひょうごツーリズム協会」の主催して、関係者を中心とする「国際チャーター便」を就航させるかもしれない。
関空利用ツアーの2倍くらいの値段で、、、
結局、兵庫県、神戸市の「やってる」アピールのために、空港職員も加重労働になるし、1便2便飛ばしたところで、兵庫・神戸の経済が上向くはずもない。
もう一回言う、
こんなバカげたことをやっているから兵庫・神戸は衰退するのだ。