神戸阪急(神戸市三宮)
日本百貨店協会が発表した2020年1月の全国百貨店売上高は、全国合計で前年比-3.1%と4ヶ月連続の前年度割れとなった。2019年10月の消費税引き上げの影響が残っていると思われる。
特に神戸市は111億円(前年比-10.5%)と日本最悪の減少幅となっている。一方、広島市は108億円(前年比+4.4%)と全国で最も上昇幅が高かった。
この結果、神戸市と広島市の差は月間ベースで3億円となった。
2020年1月 月間百貨店売上高
地区 | 売上高(億円) | 前年比増減率(店舗数調整後) |
全国 | 4,703億円 | -3.1% |
東京 | 1,292億円 | -2.4% |
横浜 | 288億円 | -2.8% |
名古屋 | 310億円 | -2.6% |
大阪 | 681億円 | -2.2% |
京都 | 197億円 | -4.4% |
神戸 | 111億円 | -10.5% |
札幌 | 142億円 | +0.5% |
仙台 | 67億円 | -4.7% |
広島 | 108億円 | +4.4% |
福岡 | 176億円 | -3.9% |
そごう西神店閉店の影響
2020年8月に「そごう西神店」が閉店するので、2020年9月以降は月間ベースで広島が神戸を逆転すると思われる。
新型肺炎の影響
新型肺炎の影響で中国人観光客の訪日人数が減少しており、百貨店の免税品売上高も減少している。少なくとも2020年前半は苦戦が続くと思われる。
しかし、中国の富裕層のインバウンド需要は増加する可能性もある。そいうのは1991年の旧ソ連崩壊直後、ルーブルは暴落し、アメリカのタバコ(マールボロ)が通貨として使われたことがあるからだ。
中国経済の減速を予想して、中国の富裕層が日本の不動産や高額ブランド品を購入するということも考えられる。中国政府も日本への個人旅行は禁止していないので、新型肺炎が中国ほと流行していない日本を訪問する頻度が高くなる可能性もある。
「神戸阪急」建替え問題
これだけ神戸の百貨店売上が減少すると、事業費数百億円の神戸阪急の建替えに踏み切れない可能性がある。
もっともJR三宮駅ターミナルビルの建替えがはっきりしないと阪急も動けないと思われるが、百貨店という業務ではなく「リンクス梅田」のような業態に変換する可能性もあるのではないか?
神戸空港の経済効果は?
神戸空港の2019年の利用者数は過去最高の336万人を記録したが、神戸市のデパート売上は前年比-10.5%と全国最悪の減少幅となっている。
個人的な意見だが、大阪府民が運賃の安いスカイマークに乗るために神戸空港を利用することが多いと思う。そして、三宮を素通りして神戸空港に向かうので、神戸空港の経済効果は少ないと思う。
神戸空港を国際化しても、大阪府民が三宮を素通りするだけで神戸経済は低迷したままだろう。
そんな経済効果のない施策のために1,000億円以上の税金を投入したり、2025年までの時間を浪費すると神戸の再開発が遅れるだけだ。
神戸市は実際に経済効果のある三宮駅再開発を優先すべきではないか?