2022年6月(筆者撮影)
神戸市は、三宮の神戸市役所2号館を「複合超高層ビル(延床面積55,000㎡)」と「連絡ロビー・エネルギー施設(延床面積5,000㎡)」の合計6万㎡の2棟のビルに2027年度以降に建替える。
2022年2月に入札を受付、2022年5月頃に民間事業者を決定する計画だったが、公募スケジュールは2か月延期された。
- 入札受付期限 2022年2月25日 ⇒ 2022年4月28日
- 落札者の決定 2022年5月頃 ⇒ 2022年7月頃
参照 神戸市 https://www.city.kobe.lg.jp/a55197/2goukan_jigyousya_koubo_schedule.html
「複合超高層ビル(延床面積55,000㎡)」には「神戸市新庁舎」と「にぎわい施設(当ブログでは高級ホテルと予想)」が入居する。
2022年6月(筆者撮影)
出典 神戸市
出典 神戸市
神戸市役所 新2号館 物件概要
2027年度以降オープン予定
名称 | 神戸市役所2号館建替 |
所在地 | 神戸市中央区加納町6 |
階数 | 30階~40階(当ブログ予想) |
高さ | 130m~155m(当ブログ予想) |
総延床面積 | 55,000㎡ |
ホテル棟(超高層) | 21,000㎡(集客施設) |
7,000㎡(商業施設) | |
行政・商業施設棟(低層) | 15,000㎡(市役所機能+市民利用空間) |
12,000㎡(駐車場・機械室等)2棟合計か? | |
(連絡ロビー・エネルギー施設) | (別途5,000㎡) |
民間事業者公募 | 2022年7月事業者決定 |
事業費 | 185億円(庁舎110億円+連絡ロビーエネルギー施設75億円) |
完成予定 | 2027年度以降 |
建替後の新2号館は、現在の神戸市役所1号館(30階建、高さ132m、延床面積約52,000㎡)と同規模の延床面積55,000㎡で、30階~40階の超高層ビルと予想される。
民間会社が建物を建設し、神戸市役所が「市役所部分」と「連絡ロビー・エネルギー施設」を合計185億円で買い取るスキームとなる予定。
出典 神戸市
超高層部分は神戸市が50年~70年の定期借地権を設定する可能性がある。
新市役所2号館の用途
棟 | 機能 | 延床面積 |
高層棟 | 集客・商業施設 | 55,000㎡ |
低層棟 | 庁舎機能・市民利用空間 | |
連絡ロビー・エネルギー施設棟 | 連絡ロビー・エネルギー施設(高さ50m) | 5,000㎡ |
高層棟と低層棟は一体開発し、連絡ロビー・エネルギー施設棟は連絡デッキで接続する
コメント
神戸市は、JR三ノ宮駅からウオーターフロントや旧居留地への回遊性を向上させるため「にぎわい・集客」施設つまり「高級ホテル」を入居させる。
神戸市役所の計画では、ホテル部分の延床面積は21,000㎡になっている。
外資系高級ホテル「コンラッド大阪」の客室面積は全室50㎡以上と広いため、客室数は164室と少なくなっている。
神戸市庁舎2号館の場合も、1泊5万円の高級ホテルであれば150室程度と予想される。
周辺のホテルの開業状況を考慮して予想
日本の場合、高級ホテルと言えどもウェディングや宴会需要も取り込む必要があるので、駅前立地が望ましい。
しかし、神戸市役所2号館は、JR三ノ宮駅から徒歩5分くらいかかる。
一方、神戸市が開発を主導している「神戸三宮ツインタワービル」はJR三ノ宮駅前に建設され、高級ホテル「EVOL HOTEL KOBE(エヴォルホテル コウベ 仮称)」が入居する。ホテルの客室数は60室~70室で、客室単価は3万円~20万円。
また、JR西日本もJR三ノ宮駅ビルを建替える予定で、宿泊特化型の「ヴィスキオ(250室)」が入居するとみられる。
やはり、三ノ宮駅周辺のホテルと競合するので、高級ホテルの規模は神戸市の計画よりも小規模になるのではないか?
また、神戸市役所1号館の高さは132mで、神戸市の景観規制から建設予定地の最高高さは155m程度と予想される。
高級ホテルであるならば、南側にある神戸市役所1号館の高さ132mよりも高いフロアに入居するのではないか?
具体的には、新2号館の高さ135m~155mの5フロア(階高4mで試算)に入居するのではないか?
ホテルフロアの基準延床面積を1,000㎡とすると、ホテル部分の総延床面積は約5,000㎡となり、平均客室面積を50㎡とすると、客室数は60室程度と予想される。
神戸市役所の計画ではホテル(にぎあい・集客機能)の延床面積は21,000㎡なので、残り16,000㎡は客室面積30㎡程度の別ブランドホテルが入居することも考えられる。
800席の音楽専用ホールの計画は中止
- 当初計画していた「音楽専用ホール(800席)」は中止となり、神戸三宮ツインタワー2期ビルの中ホール(700席)を音楽用に使用できるよう変更し集約する。
- フラワーロード~ウォーターフロントの賑わいを創出するため市庁舎内に音楽ホール(800席)を計画したが、東遊園地の「こども本の森 神戸」や新港突堤の「多目的アリーナ」の建設が決定したことから、音楽専用ホールの計画を中止したとされる。
2020年10月(筆者撮影)
神戸市役所2号館は1957年竣工で、8階建ビルだったが、1995年の阪神・淡路大震災で6階部分が倒壊したため、6階以上を撤去し、5階建て(延床面積15,000㎡)となっていた。