大阪日興ビル・梅田OSビルの一体建替計画
大阪日興ビル(左)・梅田OSビル(右)
阪急電鉄、阪神電気軌道、OSの3社は、大阪市梅田地区の「大阪日興ビル」と「梅田OSビル」の一体建替(合計敷地面積約2,200㎡)を検討している。
2022年11月(北西から撮影)
左のビルは「梅田セントラルビル」(地上9階・延床面積約9,600㎡・敷地面積約1,000㎡・1965年竣工)
南西から撮影
2022年11月(東から撮影)
梅田OSビル(2022年11月撮影)
すでに梅田OSホテル(阪急阪神第一ホテルグループ)は2021年12月30日の宿泊利用をもって営業を終了しており、2022年9月30日にはレストランなどのテナントを含め全館閉館した。
アクセスは、JR大阪駅から徒歩5分、大阪メトロ「東梅田駅」改札階から直結。
現地看板
現地看板(配置図を拡大)
2022年4月1日、阪急電鉄は、「オーエス」が保有していた大阪・梅田の事務所ビル「大阪日興ビル」の信託受益権の34%を取得したと報道された。
これにより「大阪日興ビル」の信託受益権の67%は阪急電鉄、33%は阪電気軌道が保有することになったと思われる。
引用・参照 建設ニュース https://www.constnews.com/?p=110242
大阪日興ビルの1F合成(2022年11月撮影)
地図
大阪日興ビル・梅田OSビル 物件概要
名称 | 大阪日興ビル | 梅田OSビル(梅田OSホテル) |
所在地 | 大阪市北区曾根崎2-11-8 | 大阪市北区曾根崎2-11-5 |
敷地面積 | 1,260㎡ | 934㎡ |
延床面積 | 13,100㎡ | 9,400㎡ |
階数 | 地上10階、地下3階 | 地上19階、地下2階 |
竣工 | 1972年9月 | 1974年10月 |
用途 | オフィスビル | ホテル(283室) |
大阪日興ビルの所有関係(2022年4月1日現在の推定)
会社 | 大阪日興ビルの信託受益権(持分比率) |
阪急電鉄 | 67% |
阪神電気軌道 | 33% |
合計 | 100% |
- 2022年4月1日に、OSは、信託受益権準共有持分34%を阪急電鉄に譲渡した。
梅田OSビルの権利関係
会社 | 梅田OSビルの権利関係 |
OS | 土地所有 |
阪急電鉄 | 建物所有 |
(阪急阪神ホテルズ) | (ホテル運営権) |
梅田OSビルの建物部分は阪急電鉄が所有しており、2016年2月より、阪急阪神ホテルズがホテルを運営している。
梅田OSビルの土地についてはOSが引き続き保有していると思われる。
以下は当ブログの予想
一体建替えの規模・時期は?
現地の2敷地の合計面積は2,194㎡、容積率は1,000%なので、延床面積21,940㎡の建物が建設できる。
近隣の「清和梅田ビル」(地上21階・高さ104m・延床面積約24,000㎡)とほぼ同じ規模になるのではないか?
具体的には、地上20階建~24階建、高さ100m~120m、延床面積約26,000㎡程度の規模になるのではないか?
大阪日興ビルの地下1階・地下2階の名店街が営業をしているので、今後1年~2年後に営業するとしても、そこから解体1年、新築2年かかるので2026年~2028年頃に建替えが完了するのかもしれない。
清和梅田ビル
近隣の「清和梅田ビル」は容積率1,227%まで緩和されているので、本件の容積率も1,200%まで緩和されると延床面積は約26,000㎡となる。
オフィス主体か?
御堂筋沿いはマンションを建設することはできず、また、ビジネスホテルの競争も激しいので、本物件はオフィス主体となるのではないか?
ビジネスホテルは入居しない?
現地周辺ではビジネスホテルが相次いで開業している。
- 「イビス大阪梅田(181室)」2018年10月開業
- 「ホテル ドンルクール大阪梅田(144室)」2019年12月開業
- ホテル「ヴィラフォンテーヌ グランド大阪梅田(202室)」2022年8月開業
- 「アパホテル&リゾート大阪梅田駅タワー(1,704室)」2023年2月開業予定
したがって、当ブログの予想では、一般的なビジネスホテルは入居しないと思われる。
また、梅田OSホテルの土地所有会社OSは、すでにホテル運営権を阪急阪神ホテルズに譲渡しており、ホテル経営にはこだわらないと思われる。
高級ホテルの可能性?
大阪市内では客室面積50㎡程度の高級ホテルが不足しているので、ビルの高層階に高級ホテル(客室数50室程度)が入居する可能性はあると思う。
例えば、三菱地所は、東京の青山ベルコモンズ跡地に複合ビル「the ARGYLE aoyama」を2020年7月に開業している。
the ARGYLE aoyama 概要
「the ARGYLE aoyama」出典 三菱地所
名称 | the ARGYLE aoyama |
所在地 | 東京都港区北青山二丁目 14 番 4 号 |
用途 | 事務所(5~15 階)、ホテル(3・4・16~20 階)、店舗(1・2 階)、駐車場(地下 1・2 階) |
敷地面積 | 2,264.27 ㎡ |
建築面積 | 1,261.25 ㎡ |
延床面積 | 23,122.57 ㎡ |
構造 | 鉄骨造、地下一部 鉄骨鉄筋コンクリート造 |
階数 | 地上20階、地下2階 |
建築主 | 第6メック都市開発特定目的会社(三菱地所の連結子会社、出資構成比 100%) |
設計 | 三菱地所設計 |
施工 | 錢高組 |
開業 | 2020年 |
アクセス | 東京メトロ銀座線「外苑前駅」徒歩3分 |
建物の規模は、地上20階・延床面積約23,000㎡。
- 1階・2階—「商業施設」
- 3階・4階・16階~20階—「ホテル」
- 5階~15階—「オフィス」
入居する高級ホテルは「THE AOYAMA GRAND HOTEL」で客室数は42室、客室面積32㎡~61㎡。
ホテル入居による容積率の緩和
大阪市では、対象地域に一定の水準以上の宿泊施設を建設する場合、容積率を最大+300%緩和している。
具体的にはシングルルーム15㎡以上、ツインルーム22㎡以上の宿泊施設が対象となる。
ただし、大阪市の制度では「指定容積率 600%以上のエリアで概ね5,000㎡以上の開発区域」が対象となるので、本物件が対象にならない可能性もある。
近隣の「清和梅田ビル」
名称 | 清和梅田ビル |
敷地面積 | 1,941㎡ |
建築面積 | 1,131㎡ |
延床面積 | 23,810㎡ |
容積率 | 1,000%→1,227% |
構造 | 地上:鉄骨造 地下:鉄骨鉄筋コンクリート |
高さ | 104m |
階数 | 地上21階、地下2階 |
竣工 | 2015年3月 |