米利上げ継続
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は,2022年8月26日、米ワイオミング州ジャクソンホールで講演し「利上げを継続する」と発言した。
マーケットでは、2022年9月に0.5%の利上げを見込み、2023年には利下げの可能性もあると予想していた。
しかし、パウエル議長の「利上げ継続発言」を受け、2022年9月の利上げは0.75%と予想する向きが増加、2023年の利下げ観測も後退した。
この結果、NYダウは約1,000ドル下落した。
2023年の利下げ観測が後退したことで、NYダウの下落傾向は少なくとも半年以上は継続するとの見方も出てきており、アメリカ経済の減速が懸念される。
米国政策金利(Federal Funds Rate)の誘導目標
(当ブログでまとめたもので、100%の正確性はありません)
年月 | FF金利の誘導目標 | 利上げ幅 |
2022年1月 | 0.00%ー0.25% | |
2022年2月 | 0.00%ー0.25% | |
2022年3月17日 | 0.25%-0.50% | +0.25% |
2022年4月 | 0.25%-0.50% | |
2022年5月5日 | 0.75%ー1.00% | +0.50% |
2022年6月16日 | 1.50%-1.75% | +0.75% |
2022年7月28日 | 2.25%ー2.50% | +0.75% |
2022年8月 | 2.25%ー2.50% | |
2022年9月22日(予想) | 3.00%ー3.25%(予想) | +0.75%(予想) |
2022年10月(予想) | 3.00%ー3.25%(予想) | |
2022年11月3日(予想) | +0.25%~+0.50%(予想) | |
2022年12月15日(予想) | +0.25%~+0.50%(予想) |
イタリア債務危機
欧州連合(EU)域内で、ドイツ、フランスに次ぐ第3位の経済規模を持つイタリアは巨額の債務が懸念されており、イタリア国債の金利は上昇傾向にある。
2011年の欧州債務危機が再び起こるのではないかとの思惑から、ユーロ売りが加速、ユーロドル相場は「1.000」を割り込んでいる。つまり、1アメリカドルよりも1ユーロの価値が低くなっている。
中国不動産バブル崩壊
中国の大手不動産デベロッパーの資金繰りが悪化しており、中国の不動産バブルが崩壊する可能性がある。2022年秋に開催される第20回中国共産党大会までは表面化しないと思われるが、共産党大会以降に、本格的に不動産バブルが崩壊する可能性がある。
日本への影響
2022年9月以降、アメリカの景気減速、ヨーロッパの債務問題、中国の不動産バブル崩壊が表面化すると世界経済の景気も減速する可能性があり、日本の経済も悪影響を受ける可能性がある。
中国系不動産ファンドは日本国内の不動産を購入しており、中国本国の不動産価格が下落すると資金繰りのために、日本の不動産を売却する可能性もある。
積立NISA(少額投資非課税制度)を利用して米国のS&P連動インデックスファンドを購入している日本人も多く、金融資産の目減りにより、日本の不動産購入件数も減少する可能性もある。