神戸空港
ダイヤモンドによると、スカイマークは2021年3月期決算で債務超過に陥る恐れがあり、100億円超の資本増強を検討している。
2020年3月末の純資産は216億円(現預金は126億円)だったが、2020年4月~9月の営業損益は170億円の赤字になった模様。
このままでは2021年3月末には債務超過に陥る懸念がある。
引用・参照 https://diamond.jp/articles/-/261328
スカイマークの株主構成
株主 | 出資比率 |
インテグラル | 50.1% |
ANAホールディングス | 16.5% |
日本政策投資銀行と三井住友銀行の共同出資ファンド | 33.4% |
- インテグラルは第三者割当増資に応じる方針
- ANAは第三者割当増資に応じない方針
- 日本政策投資銀行と三井住友銀行の対応は不透明
以下は個人ブロガーが公開されている情報から試算・予想したものです。
国内第3位の航空会社「スカイマーク」は、新型コロナウイルス感染拡大により搭乗率が大幅に低下している。
当ブログの試算では、スカイマークの月間固定費は平均70億円なので、飛行機が運航できなくても毎月70億円の資金が流出すると思われる。
年月 | 現預金残高 | 銀行融資枠 | 手元資金合計 | 月間資金流出額 |
2020年3月末 | 126億円 | 300億円 | 426億円 | |
2020年4月末 | 35億円 | 300億円 | 335億円 | -90億円 |
2020年5月末 | 300億円 | 280億円 | -55億円? | |
2020年7月末 | 500億円 | -40億円? | ||
2020年8月末 | 500億円 | 210億円 | -30億円? |
スカイマークは、2020年5月末時点で、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行から各100億円ずつ合計300億円の融資枠を確保していた。
2020年7月末にいったん全額返済し、新たに日本政策投資銀行を加えた4行から総額500億円の融資枠を設定した。
銀行融資(当ブログまとめ)
銀行名 | 融資枠合計 | 期限 |
日本政策投資銀行 | 500億円 | 2021年7月 |
三井住友銀行 | ||
みずほ銀行 | ||
りそな銀行 |
コメント
2021年1月の日本政府の非常事態宣言により、スカイマークの国内線は70%以上運休しており、毎月の固定費70億円の負担が重くなっている。
ダイヤモンド誌によれば「2020年4月~9月の営業損益は170億円の赤字になった」とされ、月間平均約28億円の営業赤字と言える。
仮に2020年9月~2021年1月の5ヶ月間に平均月額35億円の現金が流出したとすると合計175億円が流出したことになる。
2020年8月末で手元資金(現預金+融資枠)は210億円だったと思われるので、そこから175億円の現金が流出したとすると2021年1月末の手元資金(現預金+融資枠)は35億円程度と予想される。
また、当ブログの試算では直近は70%以上運休しているので月間資金流出額は50億円程度と思われる。
したがって、ダイヤモンド誌の「スカイマークは2021年3月期決算で債務超過に陥る恐れがあり」というのは十分説得力がある。
国土交通省は2010年に破綻したJALを救済したが、2015年に破綻したスカイマークは救済しなかった。2020年6月現在、政府・国土交通省がどう判断するかは全く分からない。
以前の記事で「アフターコロナは政府(官僚)支配が強くなる」と書いたが、航空会社を支援するかしないかも国土交通省の官僚次第ということになる。
JALの再生は民主党が関与し、ANAについては自民党との結びつきが強いと言われる。
やなり、ANA、国土交通省、自民党の思惑が重要になるかもしれない。