神戸が衰退した理由、なぜ神戸市の人口は減少するのか?【政令指定都市5位→7位に転落】

 

神戸市の衰退・人口減少が止まらない。

神戸市の人口は、2016年に福岡市に逆転され、2019年5月には152万人まで減少し、川崎市にも抜かれ、政令指定都市全国第5位から第7位に転落した。

さらに、2019年7月に総務省が発表した「住民基本台帳」に基づく人口動態調査では、「神戸市に住む日本人は前年比-6,235人減少」し、全国の市町村でワースト1の減少となった。

神戸市は1990年まで順調に成長していた。

特に1980年代は「株式会社神戸市」と言われるほど神戸市の都市開発は成功し、全国の自治体から見学者が多数来るほどだった。

しかし、その後、神戸市がなぜ人口減少・衰退するようになったのか?

 

神戸市が発展した理由

そもそも、1990年代まで神戸市が発展したのは、神戸市に開発力があったからではない。

1990年代までは、大阪経済圏が拡大しており大阪市内ではオフィスや住宅が不足していた。その結果、大阪市周辺都市(神戸市、滋賀県、兵庫県三田市など)にオフィスや住宅が建設されるようになった。

つまり、「神戸が発展したのは大阪経済圏が拡大した結果に過ぎなかった。

 

しかし、大阪経済圏は1990年代半ばから縮小に転じ、大阪市内・府内の工場が閉鎖されるようになった。その跡地にタワーマンションなどが建設され、大阪市の郊外から大阪市内に引っ越す人が増加した。

つまり、大阪経済圏が縮小した結果「オフィス・商業施設・住宅」が大阪市中心に集約されるようになったのだ。

これにより、大阪経済圏の西の端にある神戸は衰退するようになったと考えられる。

今後も、大阪市内は「うめきた2期(2024年まち開き)」「大阪万博(2025年)」など再開発が進むため、神戸市の衰退傾向は続くと予想される。

 

近未来的な「グランフロント大阪」(大阪市北区)

 

神戸人の大阪への対抗意識が強すぎる

事あるごとに神戸人は大阪人に反対し、関西経済インフラを大混乱に陥らせた。

例えば、空港問題では、神戸沖に新空港を建設することがほぼ決まっていた。しかし、神戸市が突然反対に転じ、関空が現在の位置に建設された。

その後、神戸市は神戸空港を市営で建設した。このため、関西では3空港が乱立し、共倒れ寸前まで追い込まれた。これは大阪経済圏にとって大きなマイナス要因となった。

皮肉なことに、そのダメージを最も受けたのが大阪経済圏の西の端にある神戸市だった。

 

神戸単独主義の失敗

神戸市は三宮駅周辺に神戸市営地下鉄、ホートライナーを接続させている。しかし、神戸市営地下鉄は阪急線と相互乗り入れをしていない。

阪急は神戸市営地下鉄と接続する計画を提案したが、神戸市が長年消極的だった。神戸市としては、神戸市営地下鉄と阪急を接続させれば、三宮駅が単なる通過駅になり、三宮駅周辺が衰退すると思ったのだろう。

そのため、神戸市営地下鉄と阪急線と接続させず、三宮駅で乗り換えしないといけないままになっている。しかし、このことが神戸市郊外の神戸市西区を不便なままに放置する結果となり、神戸市西区は人口は減り続けている。それが神戸市全体の衰退の原因になっている。

ポートライナーにしても、三宮駅でJR線との乗り換えは比較的便利だが、阪急線や阪神線への乗り換えは不便だ。このため、ポートアイランドは三宮駅まで10分という好立地ながら、大阪市内への直通鉄道がないため、あまり発展していない。

神戸空港も三宮駅からポートライナー(新交通)で最速18分と便利だが、神戸市の人口は150万人しかいない。

人口150万人都市の中心地「三宮駅」にいくら近くても、神戸空港の将来性はあまり期待できない。

実際、神戸空港の2019年の利用者数は336万人と過去最高を記録したが「伊丹空港(1,650万人)+関西空港(3,191万人)=4,841万人」と比較すると、やはり低迷していると言える。

神戸市の人口は150万人なので、その中心の三宮駅に鉄道など交通機関を集中させても経済効果は小さい。やはり、人口2,000万人の関西地方の中心地「大阪駅」へのアクセスがよくないと発展しないのではないか?

 

神戸の重工業の衰退

神戸市の西側には「川崎重工業神戸工場(4,400人 36ha)」と「三菱重工業神戸造船所(8,000人67ha」があり造船のみならず建機、鉄道、電機など関連工場も多かったが、現在は、海外へ工場移転し衰退している。

 

今だにバブル感覚の時代遅れ「神戸」

バブル時代は高級ブランドを並べればそれだけ売上が増加した。神戸は今も旧居留地に高級ブランドの路面店を誘致して集客しようとしている。

21世紀になってLCCが就航し航空運賃が安くなって海外の免税店で買い物する機会が増加した。また国内にもアウトレットモールが続々と建設されている。

実際、神戸周辺にも、「神戸三田プレミアムアウトレット」「三井アウトレットパークマリン神戸」などのアウトレットモールが建設され売上を伸ばしている。一方、神戸市内中心部は定価販売のブランド路面店ばかりで、いいのだろうか?

そこで、神戸市内のデパートと郊外のアウトレットモールの売上を比較してみる。

 

神戸の百貨店と郊外のアウトレットモール売上高
百貨店アウトレットモール
店舗名売上高店舗名売上高
大丸神戸店850億円神戸三田プレミアムアウトレット465億円
神戸阪急(旧そごう神戸店)467億円三井アウトレットパークマリン神戸195億円
合計1,317億円合計660億円

神戸市内の百貨店売上は減少傾向にあるが、神戸市の郊外のアウトレットモールの売上は好調だ。

これでは、神戸の旧居留地に高級ブランドやデパートをいくら整備しても、神戸市民は郊外のアウトレットモールやショッピングモールで買い物するので、経済効果がないように思える。

今は、高級ブランドを誘致すれば売上が増加するという時代ではない。そういう意味で神戸市の開発方針は時代遅れのように思える。

 

共働き世帯の増加

現在では、結婚後も夫婦共働きする世帯は約6割と言われる。神戸の郊外から大阪市内へ通勤する場合、通勤時間は1時間以上となる。

毎日往復2時間の通勤時間では共働きしにくい環境だ。そのため、交通の不便な神戸市郊外(西区・北区)の人口が減少している。逆に、電車1本で大阪駅まで行ける明石市の人口が増加している。

「神戸」ブランドと言うが、実際には「ふんわりしたイメージ」でしかない。現実には、多くの人が、大阪へのアクセス時間が短い明石市を選択している。

 

神戸衰退の現状

神戸経済圏は極めて小規模な都市圏で自立できない。神戸人は関西全体のことを考えず、自分達だけがよければいいという偏狭な地元愛が強すぎる。

それが、関西のインフラの発展を遅らせ、関西全体が衰退し、結果的に神戸市の衰退につながっている。

神戸が復活するには関西全体が発展しなければならない

神戸人の地元愛はいいが、大阪や京都に対して対抗意識が強すぎて、協力して関西全体を発展させようという視点がない。

このままでは神戸は衰退するしかない。

神戸市西区、北区は大阪から直通電車で行けないため、大阪市内への通勤に便利な北摂地域(大阪府北部)や西宮(兵庫県東部)の人口が増加している。

また、神戸市の中心市街地である「三宮」の再開発が遅れており、再開発の進んでいるJR大阪駅周辺の発展につながっている。

神戸人の偏狭な地元愛のおかげて、大阪は発展し、神戸は衰退するという皮肉な結果になっている。

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