出典 大阪市港区
2024年4月、大阪市港区は「築港・天保山エリア」のにぎわいづくりと経済の振興を推進し、大阪都市魅力創造戦略の重点エリアとしての戦略的な観光政策と連携した活気あふれるまちづくりを推進するため、港湾計画や都市計画、民間活力の活用など多角的な観点を踏まえ「築港・天保山まちづくり計画」を策定した。
出典 大阪市港区
築港・天保山エリアの課題
築港・天保山エリアは「海遊館」「天保山マーケットプレース」「赤レンガ倉庫」など大阪を代表する観光施設が集積している。
しかし、「築港・天保山エリア」全体をみると、町工場、倉庫、10階建程度の市営住宅、木造民家などが混在しており、エリアの統一感がなく、全体が賑わっているわけではない。
「築港・天保山エリア」は、大阪市内でも人口減少率が高い地区で、高齢化率も約30%と高い。
これらの課題解決のため、個別の観光施設の賑わいを「エリア全体」の活性化に結び付ける「築港・天保山まちづくり計画」をまとめたもの。
3つのエリア
築港・天保山エリアを3つのエリアに分けて「まちづくり」する方針。
エリア名 | 内容 |
---|---|
天保山エリア | 海遊館など大阪を代表する集客施設 |
赤レンガ倉庫周辺エリア | 赤レンガ倉庫や市民活動団体によるイベント等が行われる広場 |
築港エリア(中心部) | 居住、商業、業務機能など様々な都市機能 |
天保山エリア
- 客船ターミナルの整備や天保山公園の利活用を進め、クルーズ船での来航者や海遊館等の観光客がエリアに長く滞留してエリア内の消費活動につながることをめざす。
赤レンガ倉庫周辺エリア
- G-LION クラシックカーミュージアムや CASO との連携事業や、文化・アートを活かした地域イベント等を継続的に開催などによる赤レンガ倉庫横広場や人工地盤を活用していく。
- 定期マーケットの開催を通して魅力ある出店者を呼び寄せ、エリア周辺のにぎわいづくりを進める。
- 将来的には、現在、物流施設が立地している土地等の動向を踏まえ、必要に応じて土地利用の規制を見直し、住宅等の都市的な土地利用への転換を誘導するなどにより、築港・天保山エリアの文化を体感でき、海辺の空間を活かした魅力あるまちづくりをめざす。
築港エリア(中心部)
- みなとまちというエリアの個性や観光地としてのメリットを生かしながら、魅力ある店舗の集積、住宅などの整備が進み、新しい人がエリアに移り住み、これまで住んでいた人とともに、様々な活動が展開され、さらなる魅力の向上につながることをめざす。
3つのネットワーク
「築港・天保山」エリア内に3つのネットワークを整備する。
ネットワーク動線 | 内容 |
---|---|
シンボルロード(上図の赤) | エリアの中心をを南北に結ぶ |
海岸通り(上図の緑) | エリアの回遊性向上 |
水辺空間(上図の青) | 海辺にアクセス可能 |
シンボルロード
- 道路空間の活用や景観形成が進み、シンボルロードとしての魅力増進が周辺地域全体の賑わいにつながることをめざす。
- 港町らしい道路舗装や景観づくりを推進するとともに、道路占用特例許可等によるオープ
ンカフェの設置や空き店舗のリノベーションによるにぎわいを創出し、シンボルロードか
らの自然発生的なにじみ出しによる人の流れを作り出し、築港・天保山エリア全体ににぎわいと活気を与える大阪の顔としての海の玄関口にふさわしい界隈を形成していく。
海岸通り
- エリア内の各所を結ぶモビリティ及び歩行者の回遊動線として、エリア内回遊性向上のネットワーク機能を向上させることをめざす。
- 各施設をつなぐモビリティ及び歩行者の回遊動線として、エリア内回遊性向上のネットワ
ーク機能を向上させるとともに、パブリックアートやストリートファニチュア等の設置により港町らしい景観づくりを推進し、魅力ある空間形成を図っていく。
水辺空間
- 天保山ハーバービレッジから中央突堤にかけて水際沿いに歩行者動線が整備されている。一方、南岸エリアでは、赤レンガ倉庫周辺の人工地盤部分しか整備されておらず、水際空間に容易にアクセスできない。
- 水際にアクセスできるよう、長期的な視点で、将来的な堤防整備等にあわせて親水性の高い水辺空間を開放していく。