ピー・アンド・ジー(P&G)は大阪に日本本社があったが、1993年神戸六甲アイランドに移転、さらに2016年に神戸三宮の三宮ビル北館(13階建ての5F~12F)に移転した。
グループ会社(2021年1月現在)
- P&Gジャパン合同会社
- P&Gプレステージ合同会社(旧 マックスファクター)
- ピー・アンド・ジー株式会社
- P&Gイノベーション合同会社
移転候補地は大阪梅田と神戸三宮だったが、最終的に神戸三宮に決定した。
神戸市、兵庫県の億単位の補助金、優遇策(最長5年間 2021年5月まで)を提示して誘致した可能性がある。
多くの自治体では市外から新規で市内への企業誘致のために、補助金を交付することはよくある。
しかし、P&Gの誘致は神戸市内から神戸市内への移転であり、本来、神戸市の条例でも補助金の対象ではなかった。
そこで、神戸市は条例を改正し、神戸市内から神戸市内への企業移転にも億単位の家賃補助ができりょうにP&Gが神戸市外に流出することを避けたようだ。
(P&Gの)今回の移転は、企業誘致を促す神戸市の賃料補助制度(最長5年)の対象になる。
引用 神戸新聞
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201607/0009331970.shtml
- 所在地 神戸市中央区小野柄通7丁目1-18
- 敷地面積 1880.35㎡
- 建築面積 1303.05㎡
- 延床面積 18676.12㎡
- 構造 鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造・一部鉄骨鉄筋コンクリート造(免震構造)
- 階数 地上13階・地下2階・塔屋1階
- 設計施工 竹中工務店
- 竣工 2015年11月
- アクセス JR「三ノ宮駅」など鉄道各社「三宮駅」と地下街経由で直結
都市再生高度業務地区
出典 神戸市
神戸市は三宮に企業誘致するため、三宮駅周辺を「都市再生高度業務地区」(上図)とし、条件を満たす企業に対して億単位(最大)の補助金を出している。
- 神戸三宮駅周辺の新築ビル(建替も含む)に入居するオフィス・店舗が対象
- 法人事業税の4分の1(上限なし)を5年間軽減
- 賃料の4分の1(上限年間9,000万円)を5年間補助
- 100億円まで年率1%で15年貸付
最初に適用されるのがP&G(ピー・アンド・ジー)で、賃料だけで最大4億5000万円の税金が投入される。
さらに、兵庫県も2013年に産業集積条例を改正し、三宮駅周辺68haを税制優遇措置の対象エリアに指定した。
P&G(ピー・アンド・ジー)もこの税制優遇措置の対象となると思われる。
実際の賃料補助はいくらか?
P&G(ピー・アンド・ジー)が入居する「三宮ビル北館」の基準階のオフィス面積は約300坪、P&Gは5F~12Fの8フロアで、合計2,400坪となる。
三宮駅周辺の平均賃料は1万2000円/坪なので、P&Gの推定賃料は月額2,880万円、年間3億4560万円と予想される。
神戸市の賃料補助は賃料の4分の1(上限年間9,000万円)なので、P&Gが受け取る補助金は毎年推定8,640万円、5年間で4億3200万円と思われる。
神戸は補助金で企業も客船も誘致
神戸は企業にも客船にも不人気だ。そのため神戸は税金投入して企業や客船を誘致している。
根本的な神戸の不人気の原因を改善することなく、なんでも税金投入して、企業や客船を誘致して、表面上、神戸は人気であるかのように繕っているにすぎない。
今後、神戸市財政が悪化し、税金投入できないようになれば、神戸の衰退は一気に進む可能性がある。
神戸は億単位の補助金を出さないと企業が来てくれないくらいの不人気都市なのだ。
最近、三宮駅周辺に新築ビルが多い理由?
ここにきて、三宮駅周辺で10階程度の小規模ビルや小規模ホテルの建設が多くなってきた。
これらの小規模ビルも賃料の補助を受けているのかもしれない。
例えば、事業主がビルを建設して、そのまま、ビジネスホテルチェーンなどに一棟貸しすると神戸市から賃料補助金を受け取れる可能性がある。