神戸阪急(神戸市三宮)
日本百貨店協会が発表した2019年の全国百貨店売上高(年間)によると、全国で前年比-1.4%と低迷している。
関西地方では大阪市(8,486億円 +0.8%)、京都市(2,382億円 -1.6%)、神戸市(1,397億円 -3.4%)となった。
神戸市のライバルとされてきた横浜市は3,523億円、名古屋市は3,674億円、福岡市は2,101億円と神戸市を大きく上回っている。
また2020年8月末に「そごう西神店(年商約110億円)」が閉店するので、2021年の神戸市内の百貨店売上高は、1,397億円ー110億円=1,297億円まで減少すると予想される。
2019年12月の月間百貨店売上高は神戸市163億円前年比-10.2%と大幅減少となっている。
神戸市は三宮駅周辺の約23haでの住宅建設を禁止し、その周辺のJR新神戸駅からJR神戸駅までの292haの容積率を400%以下に制限し実質的にタワーマンションが建設できない条例を2019年7月に可決し2020年7月から施工される。
神戸市は「人口減少」「地域経済低迷」「三宮再開発の遅れ」などにより、百貨店も不調となっている。
神戸市のタワーマンション規制が百貨店売上高にどう影響するか注目したい。
2019年 年間百貨店売上高
地区 | 売上高(億円) | 前年比増減率(店舗数調整後) |
全国 | 57,547億円 | -1.4% |
東京 | 15,975億円 | -1.2% |
横浜 | 3,523億円 | -1.5% |
名古屋 | 3,674億円 | +0.1% |
大阪 | 8,486億円 | +0.8% |
京都 | 2,382億円 | -1.6% |
神戸 | 1,397億円 | -3.4% |
札幌 | 1,583億円 | -0.2% |
仙台 | 759億円 | -1.5% |
広島 | 1,200億円 | -1.4% |
福岡 | 2,101億円 | -1.0% |
出典 日本百貨店協会
コメント
阪急神戸線と神戸市営地下鉄西神・山手線を「三宮駅」で相互乗り入れする計画がある。
一般的には神戸市西部から大阪梅田に直通電車を運行することで電車利用者を増加させる目的と思われている。
しかし、当ブログでは、それは表面的な目的と思っている。
鉄道収入は全国的に減少しており阪急も鉄道収入よりも不動産収入を伸ばそうとしていると思う。
ではなぜ、阪急は神戸市地下鉄と相互乗り入れを計画しているのか?
それは現在の阪急「神戸三宮駅」を地下化することで跡地約5,000㎡に巨大な駅ビルを建設するためではないか?
神戸市が容積率を1,600%まで緩和すれば延床面積80,000㎡ 高さ150mの駅ビルも建設できる。
そこに神戸阪急百貨店を入居させれば、大丸神戸店にも十分対抗できる。
さらにJR神戸線も地下化すれば、JR三宮駅ターミナルビル跡地に延床面積100,000㎡ 高さ200mの駅ビルの建設も可能だ。
阪急神戸線の地下化費用1,000億円以上、JR神戸線の地下化費用も1,000億円以上かかる。しかし、駅ビルの固定資産税は安いが、商業ビルならば固定資産税は高く課税できる。
例えば、阪急とJRの2つの駅ビルの固定資産税を年間30億円とすると40年間で1,200億円が神戸市に入る。
さらに、勤務者の住民税、法人事業税なども神戸市に入ってくるので、神戸市としても十分メリットのある投資だ。
一方、神戸空港の拡張・国際化のためにポートライナーを8両化すると空港ターミナル拡張費用などを含め1,200億円かかる。しかし神戸市民以外の利用者も多く、神戸市を素通りするだけで神戸市内への経済効果は少ない。
実際、2019年は神戸空港の規制緩和をし年間利用者は336万人と過去最高を記録したが、神戸市の人口は減少、百貨店売上も減少と経済効果は見えない。
したがって、神戸市は神戸空港の拡張・国際化よりも、三宮駅周辺の再開発を優先すべきではないか?