新型コロナウイルス感染症のイギリス型変異株「N501Y」の感染力は従来株の1.6倍と言われてる。
しかし、2021年4月の大阪での感染者数の増加を見ると、感覚的には感染力1.6倍よりも大きいと感じた。
変異株の感染力が1.6倍というのは、同じ量のウイルスの感染力を従来株と比較したものだと思う。
例えば、変異株ウイルス1万個と従来株ウイルス1万個の感染力の比較した場合、変異株は従来株よりも1.6倍の感染力があるということだと思う。
しかし、現実には変異株に感染した人は、従来株の感染者よりも3倍のウイルスを吐き出すので、本当の感染力は1.6倍×3倍=4.8倍になるのではないか?
単純に感染者が口から円錐状にウイルスを吐き出すと仮定する。
- 1mの距離で半径0.5mの円形に広がるとすると円の面積は0.785㎡となる
- 2mの距離なら半径1mの円形に広がることになり円の面積は3.14㎡となる
- 距離が2倍になると面積は4倍になり、単位面積当たりのウイルス量は4分の1になる
- 変異型の感染力が4.8倍なら、従来の2倍の距離4mをとっても感染力は従来株の1.2倍に増加する
したがって、日本のソーシャルディスタンスは2mだが、変異型の感染を抑制するにはソーシャルディスタンスを少なくとも2倍の4mにする必要があるのではないか?
現実には現在でも1mくらいに接近していることもあるので、変異型対策としては現在の2倍の2m~4mの距離をとる必要があると思う。
しかし、2mの距離で両者がマスクをしていても感染の危険性があるということは、通常の社会生活では感染を防止できない。
例えば、多くのオフィスでの対面の距離は2m程度なので、社員全員がマスクをしていても会社内で感染の可能性がある。
また、電車の全幅は2.8mくらいだが、座席に対面で座る場合の距離は2m程度なので、電車に乗る場合マスクだけでは感染を防げない。
結局のところ、変異型の感染を抑制するには、ワクチンの接種率をイギリスやアメリカのように40%まで引き上げる必要があると思う。
EUは、2021年1月末から4月末までに日本向けワクチン5,230万回分の輸出許可を出している。
一方、河野太郎行政改革担当相(ワクチン担当相)は、日本に届いているファイザー製ワクチンは約2800万回分だと説明した。
首相官邸HPによると、2021年4月28日現在、ワクチンの接種回数は医療従事者約335万回、高齢者約14万回の合計約349万回となっている。
つまり、日本国内に少なくとも2,451万回分のファイザー製ワクチンが未使用のまま倉庫で眠っていることになる。
大阪府の人口は880万人なので人口の4割に1回接種するなら352万回で足りる。日本国内の在庫2,451万回分のうち約350万回分を大阪府内で使用することについては、異論はないはずだ。
2021年4月23日現在、大阪府では医療従事者約17万回、高齢者2460回の合計約17万回しか接種していない。
2021年4月28日の全国の1日の接種回数は約24万回なので、大阪府内の接種回数は1日2万回程度と推定される。
政府は2021年5月24日から大阪でも1日1万回の大規模接種会場を設置する予定だが、それでも大阪府内で1日5万回程度の接種回数にととどまるのではないか?
したがって、350万回を接種するには70日間必要であり、大阪で変異型がピークアウトするのは2021年6月末~2021年7月ではないか?
今後、1か月~2か月間、毎日、大阪府内では20人~30人の死者が続くことになるかもしれない。
政府はワクチン接種のために医療従事者500人~1000人を大阪に派遣して、1日10万回の接種をすべきではないか?
新型コロナ治療のための派遣なら人材が集まらないかもしれないが、ワクチン接種に業務を限定するなら500人~1000人は比較的派遣しやすいのではないか?
政府は自治体に丸投げして、責任感が感じられないが、これは国家的災害なのだから、菅首相が先頭に立って陣頭指揮すべき案件だ。
- フランス・イタリア 1.0m
- ドイツ 1.5m
- アメリカ 1.8m
- 日本・スペイン・韓国 2.0m
- 飲食店の座席間隔1m以上
- 換気設備(1人当たり毎時30㎥)以上
- パーティションなど
しかし、山梨県の人口は80万人で、直近1週間(2021年4月23日~29日)の感染者数は79人で1人平均約11人となっている。
大阪府の人口は880万人なので、大阪府なら120人に相当する。
これは大阪府の緊急事態宣言が解除された2021年2月28日の感染者数54人の2倍の感染者数で、大阪府の2021年3月12日の感染者数111人とほぼ同じだ。
山梨県でも感染者数は増加しており、今の山梨モデルを続けると1か月後にはかなりの感染者数となるのではないか?
結局、変異型の感染力は強く、山梨モデルのような従来型の感染予防対策では全く役に立たないと考えられる。
屋外でマスクを着用しても感染してるのに、山梨モデルでは屋内で座席間隔1mなので感染は防げないと思う。
政府が今やることは、変異株に対して効果が確認されていない「山梨モデル」を全国に普及させるのではなく、イギリスやアメリカで変異株にも効果が確認されているワクチンの接種率を40%まで早期に引き上げることだ。
効果が未確認の「山梨モデル」を普及させるなんて、自治体に余計な負担になるばかりで百害あって一利なし。
日本国内に現在ある2,451万回分のファイザー製ワクチンを早期に接種すればいいだけだが、なんで接種できないのか?
結局、なんからの理由で、厚生労働省は日本国内にファイザー製ワクチン2,451万回分を未使用のまま保管しているだけで、自治体に配っていない。
そのため、山梨モデルを全国に普及させて「やってますアピール」しているだけではないか?