2025年大阪・関西万博のインフラ整備計画、政府決定「夢洲への鉄道延伸」「関空国際線改修」「空飛ぶクルマ」

出典 日本国際博覧会協会

政府は2021年8月27日、2025年大阪・関西万博のインフラ整備計画(5つの柱)を決定した。大阪府・大阪市や地元経済界の要望に沿ったもので、会場となる人工島・ 夢洲 (大阪市此花区)への大阪メトロ中央線延伸や関西空港国際線ターミナルの機能強化、空飛ぶクルマの計画などを盛り込んだ。

インフラ整備計画の5つの柱内容
会場周辺のインフラ整備
  • 万博会場周辺において旅客輸送力の増強や交通円滑化等を図り、万博の円滑な開催を支えるため、港湾における道路、鉄道などの基盤整備、稼働中の夢洲コンテナターミナルなど物流機能の強化
会場へのアクセス向上
  • 会場へのアクセス向上のため、鉄道・道路・空路・海路の交通インフラを機能強化
  •  主要ルートとなる高速道路などに接続するアクセス道路や、隣接府県から大阪府域へのアクセス道路の機能強化
安全性の向上
  • アクセスルートの安全性の確保や施設の耐震化、災害時の活動拠点の整備などにより、安全・安心な
    大阪・関西万博の開催を確
にぎわい・魅力の向上
  • 都心部や来場者の宿泊が見込まれる地域で、来場者の交流拡大を図るためのにぎわいや魅力の向上等を推進
  •  夢洲を拠点として関西・西日本をつなぐ新たな水上・海上ネットワークを形成、都心部での水辺魅力を向上
  •  万博開催時には「淀川舟運」が復活し、大阪~淀川上流をつなぐ広域的な交通ネットワークを形成
  • コロナ禍で大きなダメージを受けたインバウンド回復にも寄与
広域的な交通インフラの整備
  • 大阪・関西の成長基盤となる広域的な交通インフラの強化に資する道路ネットワーク、鉄道・軌道の整備を推進
  •  環状高速道路ネットワークの形成により、大阪・関西地域の社会経済活動の活性化、大規模災害等に備えた強靭な 国土づくりにも寄与

引用 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo15_hh_000292.html

今回の「政府決定」の計画内容は、すでに事業化されていたり、事業化のめどが立っていたりするものが多いが、政府とし2025年大阪・関西万博を積極的に支援する方針を決定したことに意味がある。

例えば、不動産開発会社にとって「政府決定」があれば、大阪への民間投資について、社内的合意や投資家を説得しやすくなるという効果があると思う。

今回の計画決定は、2021年7月2日付の大阪・関西からの要望を受けて、政府がインフラ整備計画を策定した。内容的にもすでに計画、事業化されていたインフラばかりで新規事業はほとんどない。

新型コロナの影響でドバイ万博が1年延長され、2021年10月1日〜2022年3月31日に開催されることになった。

このため、各国は2025年大阪・関西万博への参加準備が遅延しており、外国からの参加国表明国は54か国・5国際機関に止まっている。これは、2005年の「愛知博」の参加国121か国、4国際機関の半分にも満たない。

さらに、日本企業も近鉄が大阪メトロ中央線の直通化の2025年開業を見送りを検討するなど、インフラ整備は順調とは言えない。

このような状況を打開するため、大阪府・市にとっては「今回の政府決定」を材料に、外国の参加を活発化させ、日本企業の投資を推進する意図があると思われる。

 

2025年大阪・関西万博 参加表明済の主要国(G20)
アメリカ、インド、インドネシア、英国、韓国、中国、ドイツ、ブラジル、フランス、メキシコ、ロシア、EU

 

大阪メトロ中央線延伸

大阪メトロ中央線を延伸し、夢洲に新駅を設置(事業費約540億円)

 

関西国際空港の機能強化(第1ターミナルリノベーション)

2025年大阪・関西万博の海外からのゲートウェイとなる関西空港の国際線処理能力を拡大する。

国際線エリアの強化内容
ビル内面積+25% (8.4万㎡→10.5万㎡)
スポット数+5スポット(34→39)
出発エリア面積+60 % (1万㎡→1.6万㎡)
国際線処理能力の向上第2ターミナルと合わせ、国際線で年間約4,000万人の処理能力(2018年度実績 年間約2,300万人)

阪神高速・淀川左岸線2期の前倒し

2026年度末に完成予定の阪神高速・淀川左岸線2期(事業費約2,000億円)の工事を前倒しし、大阪市中心部と会場を結ぶシャトルバスのルートとして暫定利用する。

 

モビリティ(空飛ぶクルマ)

空飛ぶクルマや自動走行ロボットなどを実際に動かし、世界に日本の技術力を示す。そのための規制緩和を推進する。

空飛ぶクルマの想定ルート直線距離
関空-夢洲(万博会場)27km
神戸空港-夢洲(万博会場)15km
JR大阪駅ー夢洲(万博会場)10km
  • 空港などの交通拠点のポートから万博会場への新たな移動を実現する。
  • 海上や河川等のルートを中心とした2~5人程度の少人数輸送により、快適・安全な空の移動体験を提供する。
  • 空飛ぶクルマを安全に飛行させるために、機体の位置情報をモニタリングするサービスや、安全に複数の機体を離着陸できる場所、機体の充電を行うための設備の提供も見込まれる。

 

水上交通ネットワークの整備(係留施設の整備)

関西国際空港や神戸空港をはじめとする他のエリアからの海上アクセスを確保

 

にぎわい・魅力の向上

JR大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期」、難波宮跡公園の整備

天保山クルーズ客船の機能強化

現状16万トン対応から22万トンのクルーズ船に対応する。

 

広域的な交通インフラの整備

市中心部と関空を結ぶ鉄道新線「なにわ筋線」(事業費約3,300億円)の整備も盛り込まれた。

 

会場整備

会場周辺では、コンテナターミナルを利用する車の往来などで渋滞が懸念されており、夢洲と隣接する 舞洲 とを結ぶ「夢舞大橋」を4車線から6車線に拡幅(事業費約2億円)する。

 

2025年大阪・関西万博 開催概要

テーマいのち輝く未来社会のデザイン
コンセプト未来社会の実験場
会期2025年4月13日(日)~2025年10月13日(月)/184日間
会場大阪市花区の人工島「夢洲」
会場面積155ha
アクセス大阪メトロ中央線(北港テクノポート線)延伸・新駅設置予定
経費1,850億円(会場建設)
800億円~830億円(運営費)
来場者数2,800万人
入場料(予想)4,800円(当日・大人)

 

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