出典 尼崎市
2022年11月1日、兵庫県の西宮市、尼崎市、阪急電鉄が新駅「仮・武庫川新駅」の設置に向けて合意書にサインし、阪急神戸線では85年ぶりの新駅の開業にむけて動き始めた。
場所は、阪急「西宮北口駅」と「武庫之荘駅」の間で、武庫川橋梁の上となる。
事業費の総額は60億円で、3分の1の約20億円を国の補助金、西宮市と尼崎市の2市合計約20億円、阪急電鉄も20億円を負担する見込み。
10年以内の開業を目指すとしている。
また「仮・武庫川新駅」に停車するのは「普通列車のみ」となる予定。
阪急・武庫川新駅(仮称)構想
名称 | 阪急・武庫川新駅(仮称) |
場所 | 阪急神戸線の西宮北口駅-武庫之荘駅の間の武庫川橋梁 |
駅間 | 西宮北口駅-武庫之荘駅の駅間3.3km |
新駅の位置 | 西宮北口駅から1.7km・武庫之荘駅から1.6km |
ホーム | 1面2線島式ホーム(当ブログ予想) |
開業 | 2030年以降(当ブログ予想) |
駅利用者数 | 26,000人/日 |
事業費 | 60億円(駅舎50億円+駐輪場5億円+周辺道路5億円) |
負担割合 | 西宮市と尼崎市の2市合計18.7億円
阪急18.7億円 国18.7億円 補助金(社会資本整備総合交付金)も活用 |
改札口 | 西宮市(西側)と尼崎市(東側)の2ヵ所 |
新駅を設置する阪急神戸線武庫川橋梁の上下線の間に幅約10m空間があるので、そこに島式ホームを設置するのではないか?
また、特急の通過待ちするための普通電車用の待避線を設置するスペースはないと思われるので、1面2線島式ホームになると思われる。
参照 神戸新聞 https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202109/0014649930.shtml
所要時間予想
区間 | 種別 | 所要時間 | 距離 | 運賃 |
武庫之荘=大阪梅田 | 普通列車 | 14分 | 12.3km | 230円 |
仮・武庫之川新駅=大阪梅田 | 普通列車(予想) | 16分(予想) | 13.9km | 230円~270円 |
西宮北口=大阪梅田 | 特急列車 | 12分 | 15.6km | 270円 |
西宮北口=大阪梅田 | 普通列車 | 18分 | 15.6km | 270円 |
当ブログの試算では「大阪梅田駅」=「仮・武庫川新駅」の距離は13.9kmで運賃は230円となる。
しかし、距離が0.1km長くなって14kmになると運賃は270円となる。
阪急電車の駅ホームの長さは一般的に200m(20m×10両対応)なので、ホームのどこから測るかによって0.1km程度は変化する。
駅の所在地を西宮市側にすると、大阪梅田駅からの距離は14km以上になって運賃は270円になる。
この場合、尼崎市側の住民にとっては武庫之荘駅の方が、大阪梅田駅までの運賃は230円と安く、所要時間も短いので、引き続き武庫之荘駅を利用する人が多いのではないか?
したがって、尼崎市側の経済効果を増加させるには、運賃230円の方がいいと思う。
阪急電鉄の立場からは、民間企業が20億円近い投資をする以上、利益を上げないと事業継続できないので、運賃は270円にしたいという意向があるかもしれない。
阪急旅客運賃(2019年10月)
区間距離 | 運賃(大人) |
1km~4km | 160円 |
5km~9km | 190円 |
10km~14km | 230円 |
15km~19km | 270円 |
20km~26km | 280円 |
27km~33km | 320円 |
34km~42km | 380円 |
43km~51km | 400円 |
52km~60km | 470円 |
61km~70km | 530円 |
71km~76km | 630円 |
今までの経緯
「武庫川新駅(仮称)」の構想は、1942年からあったが、尼崎市の財政難のため進まなかった。
2013年に尼崎市が兵庫県、西宮市、阪急電鉄の検討会に加わったが、引き続き尼崎市は慎重姿勢だった。
その後、2021年9月3日、兵庫県、西宮市、尼崎市、阪急電鉄の4者は、阪急神戸線の西宮北口駅-武庫之荘駅の間に「武庫川新駅(仮称)」を設置する検討に入ることでに合意した。
武庫川新駅(仮称)設置の経済効果
西宮市
- 人口915人増加
- 年間税収増加 2億円
尼崎市
- 人口871人増加
- 年間税収増加 1.2億円
また、阪急武庫之荘駅(尼崎市)では放置自転車が多いが、新駅設置により武庫之荘駅の放置自転車が減少すると予想されている。