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大阪府の訪日外国人客数「2024年1,400万人見通し」インバウンド消費額は2024年1兆6000億円、2025年は2兆円が目標

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大阪観光局は2024年5月31日、2024年に大阪を訪れる外国人観光客数を1,400万人と予測、1,231万人だったコロナ前の2019年を上回り過去最多となる見通しを発表した。

大阪観光局溝畑宏理事長は、大阪府内のインバウンド消費の目標は2024年で1兆6000億円、「大阪・関西万博のある2025年には(消費額を)2兆円にもっていこうと」発言した。

引用 MBS

年間1兆6000億円ということは、1日当たり約44億円、1ヶ月で1,333億円になる。

ちなみに、大丸神戸店の年間売上は918億円(2024年2月期)で、神戸阪急の年間売上404億円(2024年3月)なので合計すると1,322億円になる。

つまり、大阪府内の1ヶ月のインバウンド消費は、神戸市内の2つのデパートの合計年間売上高よりも多い。

 

2024年1月~4月の実績

大阪観光局によると2024年1〜4月に来阪した外国人客は455万9000人(推計値)で、2019年の同期間に比べて18%上回った。国・地域別にみると、韓国や台湾、香港のほか欧米各国などが2019年の水準を上回っている。

引用 日経新聞

2024年1月~4月の月間平均外国人客数は114万人なので、年換算1,368万人となるが、夏休みなど観光シーズンの上振れを考慮すると、年間1,400万人は達成可能と思われる。

1人当たりのインバウンド消費額は1兆6000億円/1,400万人=11.4万円なので、やや低いと思う。

ちなみに、2023年に大阪府を訪日した外国人客数は980万人、1人あたりの消費額は9万4000円、インバウンド消費額は大阪府だけで9,210億円だった。

ドル円相場は1ドル=110円から155円と約40%ドル高・円安になっている。

具体的には、1000ドルあれば、日本で11万円の買物ができたが、今は15.5万円も買物ができる。

外国人観光客から見れば日本円で4割値上げしても、以前と同じ値段となる。

したがって、外国人向けの商品・サービスは値段を4割上げて高級なものにする方が、外国人も喜ぶし、日本人もハッピーだと思う。

 

来阪外国人観光客の推移
インバウンド客数(大阪) インバウンド消費額
2030年 2,000人(目標) 3兆円(目標)
2025年 1,600万人(予想) 2兆円(目標)
2024年 1,400万人(予想) 1兆6000億円(目標)
2023年 980万人 9,210億円
2022年 150万人 1,909億円
2021年 9万人 115億円
2020年 159万人 2,024億円
2019年 1,231万人 1兆5,665億円
2018年 1,142 万人 1兆2,356億円
2017年 1,110万人 1兆1,852億円
2016年 940万人 8,633億円
2015年 716万人 5,784 億円
2014年 376万人 2,661億円

2024年はのインバウンド消費額の目標は1兆6000億円で、2019年のインバウンド消費額の1兆5,665億円をほぼ回復すると見られる。

 

課題

大阪・京都・奈良・兵庫との連携

大阪は高級ホテルの数が20軒程度で少なく、外国人富裕層の取り込みが十分ではない。

富裕層は大阪・京都・奈良の高級ホテルを宿泊することが多く、兵庫県も含めた広域での連携が必要だと思う。

中には大阪のホテルに荷物を置いたまま、京都や奈良に1泊~2泊する富裕層もいる。

高級ホテルではバトラーが「パッキングサービス」を実施しているホテルもあると思うがまだまだ一般的ではない。

系列の違う高級ホテル間での連携を促進するような施作が必要だとと思う。

 

大阪観光局と奈良県との包括連携協定締結

2024年5月14日、大阪観光局と奈良県は、広域観光ルートにおける密接な連携により、訪日外国人観光客をはじめとする交流人口の拡大を推進し、もって地域の成長・発展を図ることを目的に、連携協定を締結いた。

大阪観光局PDF

 

関空から大阪市内のホテルへの荷物宅配サービス

関空で当日14時までに受付すれば、当日19時までに大阪市内のホテルで受け取れるサービス(配送料金1個につき¥2,500)が始まっている。

京都・奈良・神戸などの広域化できるのではないか?

 

自転車問題

御堂筋線の歩道が拡張されたり、「なんば広場」がオープンしたりして、歩行者空間が広がったが、自転車のマナーが悪く、落ち着いて買い物できる環境ではないときもある。

自転車のマナーをなんとかしないと、2030年に3,000万人という目標は達成できないかもしれない。

 

地下鉄駅エスカレーターがない問題

大阪市内は地下鉄が8路線ある。地下鉄で市内とほとんど移動できるのは日本では東京と大阪しかない。

しかし、大阪の地下鉄の駅のエスカレーターは少ないと思う。

例えば、大阪城の最寄り駅「谷町四丁目駅」も大阪城方向の出口にはエスカレーターが設置されていない。

 

コメント

大阪のインバウンド客は順調に増加しているので、奇をてらったことをする必要はない。

観光客の小さい不便・不満を着実に解決することが必要だと思う。

 

外国人は大阪のどこに行く?
順位 観光地 所在地・エリア
1位 道頓堀(心斎橋なんば)  大阪市中央区
2位 大阪城  大阪市
3位 USJ  大阪市
4位 梅田スカイビル  大阪市
5位 観覧車(HEP FIVE / 天保山)  大阪市
6位 通天閣  大阪市
7位 海遊館  大阪市
8位 四天王寺  大阪市
9位 天王寺動物園  大阪市
10位 グランフロント大阪  大阪市北区
11位 大阪くらしの今昔館  大阪市(天六)
12位 あべのハルカス  大阪市
13位 遊覧船(八軒浜、大川)  大阪市
14位 住吉大社  大阪市
15位 エキスポシティ  吹田市
16位 箕面の滝  箕面市
17位 泉佐野・犬鳴山温泉  泉佐野市
18位 百舌鳥・古市古墳群  堺市

1位から10位まで、大阪の人気観光地がランクインしている。

11位の「大阪くらしの今昔館」は天六にあり大阪の歴史を体感できる施設で、地下鉄谷町線・堺筋線・阪急電鉄「天神橋筋六丁目駅」と直結して、交通アクセスがいい。

ただ、「箕面の滝」は16位に入っているが、それよりも都心に近い「服部緑地公園」はランク外となっている。

大阪には外国人に知られていない観光資源がまだまだあるが、整備もアピールもされていない。

どこに宿泊するか?

訪日外国人の大阪府内での平均宿泊日数は3.6日で、日本全体では7.1日となっている。

つまり、7泊の日本旅行のうち、大阪府内に3泊~4泊していることになる。

訪日外国人の65%がホテル・旅館・コンドミアムに宿泊しており、19%は民泊を利用している。

 

経済効果

訪日外国人(大阪)1,100万人×3.6日=3,960万人となり、年間延3,960万人の外国人が大阪府内に宿泊していることになる。

これは、1日当たり10万8500人で、訪日外国人も含めると大阪府の人口は約11万人増加したと言える。

大阪府の人口は2010年⇒2015年で約2万6000人減少したが、インバウンドがそれを補っているとも言える。

 

SNSで情報収集

ガイドブックを見て観光するのは古い。現在の外国人観光客はSNSで情報を得ることが多い。

したがって、インバウンド観光客の利便性のために、無料WI-FIを整備しないといけない。

「OSAKA FREE Wi-Fi」は、現在4,000ヵ所で利用できる。

 

コメント

インバウンド観光客は、夜に街歩きする傾向がある。京都の寺院は午後4時に閉門し、店舗も早く閉店する。

したがって、外国人観光客は大阪に宿泊し、電車などで日帰りで京都に行くことが多い。

今後は、数百億円もかけて、新に観光施設を作るのではなく、今ある観光施設をブラッシュアップすべきだ。

例えば、最寄り駅から地下道で直接アクセスできるようにするなど、まだまだ、改善余地はある。

また、天王寺動物園は9位にランクインしているが、その隣の「大阪市立美術館」はランク外となっているなど、もう一歩、観光客を呼び込む工夫がされていない施設もある。

百舌鳥・古市古墳群は18位となっているが、周辺整備は遅れており観光客を「がっかり」させる可能性がある。

大阪へのインバウンド観光客1,100万人と浮かれている場合ではなく、早急に改善すべきことも多い。

インバウンド効果として、近年、大阪はホテルや商業施設が建設されており、西日本から20代~30代女性の転入が増加している。

つまり、観光資源を整備することにより、国内の観光客や移住者も増加するという効果がある。

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