2017年の神戸空港の利用者数は304万人で、2006年の神戸開港以来、過去最高となった。長年、当初目標を下回り低迷していた神戸空港だが、なぜ、利用者が増加したのか?
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神戸空港の利用者増加の原因はスカイマークの利用者が増加していることが原因と言われる。
神戸空港に就航している航空会社は「スカイマーク」と「ANAグループ」の2グルプープで、そのうち、スカイマークの利用者数は約70%のシェアを占める。
スカイマークは2015年の経営破綻後、2016年に民事再生手続きが終了したことから、経営が安定して、航空機を定時運行できるようになった。
また、スカイマークの座席はピーチアビエーションなどのLCC(格安航空会社)よりも広く、ANAやJALとほぼ同じでありながら、運賃は大手2社よりも安い。
2018年2月現在のスカイマーク運賃
区間 | 搭乗日 | 最安値運賃(片道) | 運賃種別 |
神戸~札幌 | 2018年4月19日 | 5,600円 | いま得 |
神戸~仙台 | 2018年4月19日 | 5,600円 | いま得 |
神戸~茨城 | 2018年4月19日 | 7,900円 | いま得 |
神戸~羽田 | 2018年4月19日 | 7,090円 | いま得 |
神戸~長崎 | 2018年4月19日 | 4,600円 | いま得 |
神戸~鹿児島 | 2018年4月19日 | 4,600円 | いま得 |
神戸~那覇 | 2018年4月19日 | 6,800円 | いま得 |
2ヵ月先の座席限定運賃とは言え、神戸~長崎4,600円、神戸~羽田7,090円、神戸~札幌5,600円、神戸~那覇6,800円とANAのほぼ半分以下の値段になっている。
2018年4月1日神戸空港民営化
2018年4月1日から神戸空港は「神戸市営」から民営化され「関西エアポート神戸株式会社」(本社 神戸市中央区空港1番)が運営することになる。
「関西エアポート神戸株式会社」は伊丹空港と関西空港を運営する「関西エアポート」の100%出資子会社となる。
「関西エアポート神戸株式会社」による神戸空港の運営期間は2018年4月1日から2060年3月31日まで(延長合意があれば2070年3月31日)。
コメント
神戸~長崎 4,600円という運賃は衝撃的に安い。神戸~仙台も5,600円だから、神戸空港の利用者が増加したのは安い航空運賃が理由と言える。
神戸空港発着の航空運賃は4,000円~5,000円なのに、神戸市は数百億円かけてポートラーナーを8両編成化しようとしている。
実は、神戸空港の収入である着陸料は、伊丹空港、関西空港よりも安く設定している。
- 神戸空港着陸料1トン当たり1,500円(ボーイング737-800)
- 国営空港着陸料1トン当たり2,400円
神戸空港規制緩和?
当ブログの試算では、ボーイング737-800の神戸空港の着陸料は約7万円、伊丹空港の着陸料は約15万円と思われる。
運営会社的には、神戸空港を1便増便して、伊丹空港が1便減便になれば、会社の売上が減少する。
したがって、神戸空港の規制緩和は、伊丹空港に影響しない形になる可能性がある。
例えば
- 伊丹空港が就航していない路線
- 神戸空港を24時間化し、伊丹空港が運用していない時間帯の増便
また、民営化しても神戸空港の安い着陸料は維持できるのか?などの課題がある。
関西エアポート神戸株式会社
「関西エアポート」は伊丹空港と関西空港の2空港を運営している。神戸空港の運営はなぜ別会社になるのか?
例えば、神戸市は三宮に本社移転した外資系企業に対して家賃補助をしている。