神戸空港2030年国際定期便就航、参入する航空会社(エアライン)はあるのか?

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2023年4月(筆者撮影)

神戸空港は2025年に国際チャーター便が就航、2030年に国際定期便が就航する予定だが、神戸空港国際線に参入する航空会社(エアライン)はあるのか?

 

神戸の国際線需要は少ない

2018年の実績で、日本人1億2700万人のうち出国者数は1895万人で出国率は約15%になっている。

神戸市民150万人の出国率を仮に20%とすると、神戸市民の航空需要は年間30万人で、飛行機の利用回数としては往復で60万人となる。

神戸の国際線利用者60万人は、成田空港国際線3,200万人、関空国際線2,200万人、羽田空港国際線1,700万人と比較すると圧倒的に少ない。

結局、神戸空港国際線は、神戸市民の利用だけでは路線を維持できず、大阪府民が利用しないと成り立たない。

 

 

2023年4月(筆者撮影)

2019年(平成31年/令和元年)年度空港利用者数ランキング

2019年4月~2020年3月(平成31/令和元年年度)出典 国土交通省

順位空港名合計(人)国内線(人)国際線(人)
1位羽田空港79,287,41162,463,93916,823,472
2位成田空港39,608,0757,460,91432,147,161
3位関西空港28,666,7806,705,35821,961,422
4位福岡空港23,035,44517,566,4705,468,975
5位新千歳空港22,816,03819,507,7383,308,300
6位那覇空港20,607,92317,464,5703,143,353
7位大阪空港(伊丹)15,764,66115,764,6610
8位中部空港12,589,6566,401,9566,187,700
9位鹿児島空港5,771,3465,444,174327,172
10位仙台空港3,718,1113,338,933379,178
11位神戸空港3,292,2983,292,2980
12位熊本空港3,276,3813,162,141114,240
13位宮崎空港3,236,4503,164,65471,796
14位長崎空港3,159,0363,092,06766,969
15位広島空港2,989,1322,693,770295,362
16位松山空港2,987,1142,905,48681,628
17位石垣空港2,572,1212,477,67894,443
18位高松空港2,020,2841,731,675288,609
19位大分空港1,834,7421,784,25650,486
20位小松空港1,793,3211,584,746208,575

第9位の鹿児島空港のある鹿児島県の人口は155万人で、神戸市の150万人と近い。

しかし、鹿児島空港の国際線利用者数は約33万人でしかない。

一方、成田空港国際線は3,200万人、関空国際線は2,200万人、羽田空港国際線は1,700万人だった。

エアライン的には、国際線実績2,200万人の関空と、神戸市民だけの国際線需要予測60万人の神戸空港のどちらに就航したいと思うだろうか?

そもそも、神戸市の人口は150万人しかいないため、神戸市民だけでは国際空港を維持することはできない。

そこで神戸市民以外も取り込んでやっと神戸空港国際線の需要予測190万人となる。

したがって、神戸市民以外も神戸空港国際線を利用しないと神戸空港国際線は成り立たない。

 

空港利用者数予測

神戸市の試算では2030年の空港全体の利用者数は700万人で、国内線は510万人、国際線は190万人となっている。

国内線と国際線別利用者予測
国内線510万人
国際線190万人(東アジア路線150万人・東南アジア路線40万人)
合計国際線700万人

 

神戸空港国際化のスケジュール(当ブログまとめ)

日時就航先発着回数(1日)利用者数(年間)
2022年国内線のみ国内線80回(40往復)国内線329万人(2019年)
2025年国内線

国際チャーター便

国内線120回(60往復)国内線500万人(予想)
2030年国内線

国際線定期便

国内線120回(60往復)国内線510万人(予想)
国際線40回(20往復)国際線190万人(予想)
合計160回(80往復)合計700万人(予想)

 

関空=インチョン(韓国)の現状運賃

  • ピーチの関空=インチョン便(約850km)の運賃は片道8,000円(往復16,000円)になっている。
  • スカイマークの羽田=札幌(約820km)の運賃は1ヶ月先の予約で片道20,000円(往復40,000円)になっている。

 

エアライン区間距離片道運賃往復運賃
ピーチ関空=インチョン便約850km8,000円16,000円
スカイマーク羽田=札幌約820km20,000円40,000円
スカイマーク関空=インチョン便(予想)約850km15,000円(予想)30,000円(予想)

 

スカイマークは上場しているので、株主に対する責任が大きく、国内線よりも利益の少ない国際線に参入することは容易ではないと思う。

しかも、スカイマークは海外に拠点がないため、新規に海外拠点を設置する必要がある。

例えば、現地で30人を採用するとして、人件費3億円、空港のカウンターや事務所の賃貸料などを含めると年間5億円の費用がかかると予想される。

国内線だと片道2万円の運賃収入が見込めるが、国際線だと競争が激しく運賃は1.5万円くらいになると予想される。

しかも、現地の拠点費用が年間5億円かかるとなると、株主の立場から「国際線参入反対」する人もいるだろう。

 

神戸空港国際線(往復3万円)と関空国際線(往復16,000円)のどちらが需要が多いかは明らかだ。

 

コメント

神戸空港国際線は関空国際線と同等の運賃でないと、成り立たないと思う。

したがって、神戸空港国際線に就航するのは、ピーチアビエーションしかないと思う。

そもそも、サブターミナルを90億円かけて建設するのだから、就航して1年~2年で撤退するエアラインばかりでは空港運営ができない。

したがって、神戸空港サブターミナルは長期ターミナル全体の一括契約(10年~20年)になると思う。

こういう契約ができるのも、ピーチアビエーションだけだと思う。

出典 神戸市

「神戸空港サブターミナル(仮称)」は、2025年3月に完成し、国際チャーター便と国内線が就航する。

その後、2030年に国際定期便が就航する予定。

出典 神戸市

建物は2階建だが、旅客機能(出発・到着ロビー、保安検査場、CIQエリア、商業施設、サービス・案内)は1階に集約し、2階は展望デッキのみとなる。

 

神戸空港サブターミナル

    • 延床面積:約14,600㎡
    • 建築面積:約12,900㎡
    • 階数  :地上2階建
    • 構造  :鉄骨造
    • 代表    :竹中工務店
    • 構成員   :湊建設工業、TC神鋼不動産建設、梓設計
    • 工期  :2025年3月31日まで

 

コンセプト

出典 神戸市

「海に浮かび、森を感じる」をコンセプトに、エントランスの軒天井、ロビー空間の天井、展望デッキなどに地域木材を活用する。

天井高さは約6mで開放感があり、建物屋外(東側)のランドスケープ(緑地)とロビーが一体化することで、緑・自然を感じられる空間となる。

 

ハイアットリージェンシー那覇沖縄「the lounge」高さ6.5mの天井

出典 神戸市

出典 神戸市

搭乗橋(ボーディングブリッジ)も設置せず、いわゆる「沖止め」でサブターミナル(図の左端)から飛行機へ「バス移動」となる。

 

出典 神戸市(変更前)

ポートライナー「神戸空港駅」から「サブターミナル」まではバス移動(約400m)となる。

 

神戸空港サブターミナルの施設整備概要

(一部は以前の計画の数字のまま)

名称神戸空港サブターミナル
所在地神戸市中央区神戸空港1
延床面積約14,600㎡

  • ロビー(約4,000㎡)
  • 国内線エリア(約2,500㎡)
  • 国際線エリア(約3,000㎡)
  • CIQ等(約7,500㎡)

( )の数字は以前のもの

建築面積約12,900㎡
階数2階建
事業費81億8000万円(税別)
搭乗ゲート数国内線4ゲート以上

国際線2ゲート以上

搭乗方法バスハンドリング(ボーディングブリッジなし)
設計・施工
  • 代表 :竹中工務店
  • 構成員:湊建設工業、TC神鋼不動産建設、梓設計
着工2023年度
供用開始2025年3月31日
アクセスポートライナー神戸空港駅から無料巡回バス

市街地からサブターミナルへリムジンバスや路線バスの運行を検討

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