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神戸阪急 2023年10月11日全館リモデル完了、モンクレール、有隣堂(書籍・文具)が西日本初出店

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(2022年6月筆者撮影)

神戸阪急が2022年3月から80億円を投じて行ってきたリモデルが完了し、2023年10月11日に全館グランドオープンする。

神戸阪急のリモデルの対象フロアは、本館1階~9階および新館1階~8階で、全館営業面積の約90%という大規模な改装で、都市型百貨店としてファッションや美容系売場を強化する。

これらの大規模投資により、神戸阪急は2024年3月期の売上高440億円(前年332億円%)を目指す。

 

MONCLER(モンクレール)

「MONCLER(モンクレール)が新館1階に2023年10月9日オープンする。

 

「有隣堂」西日本初出店

関東を中心に書店・文房具を取り扱う「有隣堂」が本館8階に西日本初出店(2023年10月11日)する。

有隣堂は、youtubeの登録者数約25万人の「有隣堂しか知らない世界」というチャンネルを運営しており、多くのコアなファンに支持されている。

 

神戸阪急概要

名称 神戸阪急
所在地 神戸市中央区小野柄通8丁目1番8号
営業面積 43,660 ㎡
営業フロア・棟 本館(地階~9 階)・新館(地階~9 階)の2館
年間売上高 約332億円(2023年3月)
年間売上目標 440億円(2023年度)
年間入店客数 1,490万人(2023年3月)
開業 2019年10月5日

「そごう神戸店」から「神戸阪急」に屋号変更

アクセス JR 三ノ宮駅・阪急神戸三宮駅・阪神神戸三宮駅からすぐ

 

ストアコンセプト

神戸を愛し、神戸に愛される With KOBE 百貨店
「神戸阪急ではない。神戸の阪急になるのだ。」をスローガンに、地元神戸のお客様と素敵な神戸暮らしを共創していく百貨店を目指す。

 

リニューアル後のフロア構成

  • 「WOOLRICH(ウールリッチ)」       2023年9月27日オープン
  • 「ECOX(エコックス)」           2023年10月11日オープン
  • 「CULASU PLACE(クラスプレイス)」       2023年10月11日オープン
  • 「瀬戸内ライフゾーン」             2023年10月11日オープン
  • 「アウトドア&インテリアゾーン」          2024年春オープン予定
  • 「有隣堂」(書籍・文具・雑貨)       2023年10月11日オープン
  • 「ライフアシストサロン」          2023年10月11日オープン
  • 「メガネサロン」            2023年10月11日オープン
  • 「ヒューマンウーマン」         2023年9月16日オープン
  • 「アニエス b」             2023年9月20日オープン
  • 「REPLAY(リプレイ)」       2023年9月27日リニューアルオープン
  • 「999.9(フォーナインズ)」               2023年9月27日リニューアルオープン
  • 「MOLESKINE(モレスキン)」            2023年9月27日リニューアルオープン
  • 「giacca blu(ジャッカブルー)」         2023年9月27日リニューアルオープン
  • 「MONCLER(モンクレール)」            2023年10月9日オープン

 

 

 

以下は過去記事

 

阪急阪神百貨店舗別売上高(2023年3月期)

  • 阪急本店:2,611億円(前年比+30%)
  • 阪神梅田本店:553億円(前年比+95%)2022年4月に全面開業
  • 神戸阪急:332億円(前年比+16%)
  • 西宮阪急:242億円(前年比+10%)
  • 博多阪急:506億円(前年比+22%)
  • 阪急メンズ東京:120億円(前年比+24%)
  • 高槻阪急:219億円(前年比+18%)
  • 千里阪急:137億円(前年比+5%)
  • 川西阪急:127億円(前年比+4%)
  • 宝塚阪急:68億円(前年比-4%)

 

西宮阪急

西宮阪急(百貨店)の売上高は242億円(前年比+10%)で、神戸阪急の売上高332億円(前年比+16%)や阪急梅田の売上高2,611億円(前年比+30%)と比較すると、売上高の回復が鈍い。

これは、新型コロナの流行時は近場のデパートである「西宮阪急」を利用していたが、感染が終了しつつあり、遠くの阪急梅田や阪急神戸で買物をするようになったためと予想される。

 

大丸神戸店

2023年3月期の大丸神戸店の年間売上高は840億円(前年比+20%)で全国の大丸百貨店の中で売上高1位となっている。

  • 大丸心斎橋店:708億円
  • 大丸梅田店:483億円
  • 大丸東京店:642億円
  • 大丸京都店:615億円
  • 大丸神戸店:840億円
  • 大丸須磨店:63億円
  • 大丸芦屋店:42億円
  • 大丸札幌店:621億円
  • 大丸下関店:84億円

 

神戸マルイ

2023年3月期の神戸マルイの年間売上高は45億円(前年比+15%)となった。

ちなみに、なんばマルイの年間売上高は75億円(前年比+20%)だった。

 

コメント

今回のリモデルでは、新館のロフトのフロアを縮小、紀伊国屋書店が撤退し、新館の阪急百貨店の売場を拡大する。

これは、将来的な「本館の建替」を視野に入れたものではないか?

もし、本館を建替えるならば、建替え中の数年間は売場面積が大幅に縮小する。そのため、新館に阪急百貨店の売場を確保したかったのではないか?

 

本館の建替え時期はいつ?

神戸阪急のリモデル費用は80億円で、年間売上高332億円の約24%に相当する巨額なものだ。

まず、一般的にデパートの家賃(不動産費用)は売上高の5%~10%とされる。

したがって、今後、1年~2年で本館を建替えることはないと思う。

では、本館の建替え時期は具体的にいつなのか?

神戸阪急の土地建物のすべてが賃貸というわけではないが、売上高は332億円なので、年間家賃(不動産費用)16億円~33億円が相場だと思う。

税法上の償却期間という意味ではなく、単純に採算を考えると、3年(33億円×3年=99億円)~5年(16億円×5年=80億円)くらいは本館の建替えはないと思う。

個人的な予想では、2027年くらいにリモデルの採算が取れると思う。

 

2027年に外壁リニューアルか?

個人的な予想では、本格的な建替えは2030年代以降になると思う。

したがって、2029年のJR三ノ宮「新駅ビル」開業にそなえて、2027年頃から外壁のリニューアルを実施するのではないか?

 

2029年度JR三ノ宮「新駅ビル」完成

2029年度にJR三ノ宮「新駅ビル」が完成する予定なので、2029年度以降に本館の建替える可能性もあると思う。

もし建替するのであれば、早くて2029年解体着工・2031年~2032年新築着工・2034年~2035年完成というスケジュールになるのではないか?

しかし、個人的には2035年頃解体着工・2040年頃に建替完了と予想している。

 

百貨店のみか?超高層ビルか?

建替えの方法として、現在の「地上9階程度のまま建替える方法」と「超高層ビルに建替える方法」がある。

これは、神戸市が現在の容積率800%を緩和するかどうにかかっていると思う。

百貨店としては、1フロアの床面積を広くした方が販売上有利なので、容積率が800%のままならば現在の9階のままの建替えになると思われる。

もし、容積率が1,600%まで緩和されると低層階は「百貨店」、高層階は「オフイス・ホテル」となると思われる。

結局、神戸市が容積率の緩和を決定しないと、阪急阪神百貨店も動きようがないと思われる。

 

そごう神戸店(本館)の土地と建物の所有者

そごう神戸店(本館)の土地と建物は以下の3社が保有している。

建物位置 西棟 中央棟 東棟 合計
建物名称 三宮阪神ビル そごう神戸店の一部 さくら三宮ビル
所有会社 阪神電鉄グループ所有 「神高管理」(H2Oが会社ごと買収) 室町建物(株)
土地面積
延床面積
店舗面積 42,910 ㎡

 

周辺の商業施設まとめ

店舗 延床面積 店舗面積 年商
JR三ノ宮新駅ビル 100,000㎡ 19,600㎡ 2029年開業
神戸阪急(旧そごう神戸店) 42,910 ㎡ 332億円
ミント神戸 41,000㎡ 15,000㎡ 100億円
神戸三宮阪急ビル

(EKIZO 神戸三宮)

28,500㎡

(10,550㎡)

神戸マルイ 6,940㎡ 45億円
大丸神戸店 50,700㎡ 840億円
阪急西宮ガーデンズ 247,000㎡ 107,000㎡ 600億円
(西宮阪急百貨店) (25,099㎡) (242億円)

 

 

新館1階(路面店)新規開業店舗

新館(2022年6月撮影)

新館1F(2022年6月撮影)

店舗 場所 開業日
バレンシアガ 新館1F 2022年6月22日
ロエベ 新案1F 2022年6月22日
ボッテガ・ヴェネタ 新館1F 2022年7月7日
セリーヌ 新館1F 2022年7月9日

リモデルの方向性

神戸阪急については、四国や中国地方などの広域からも集客する方針。

今回対象となっていない地下食料品売場については2019年11月に改装が完了している。

 

神戸阪急(新館1階~3階)

新館1階の外観

神戸阪急の新館1階~3階には、モードの新しいメゾン「Hankyu Mode Kobe」(約2,500㎡)が2022年8月31日に誕生した。

新館1階デザイナーズⅠ(メンズ&レディース)

3ブランド出店

新館2階 デザイナーズⅡ(メンズ&レディース)

15ブランド出店

新館3階 クリエイターズ(メンズ&レディース)

15ブランド出店

 

神戸阪急(本館2階~4階)

本館 2 階 ラグジュアリービューティー

本館2階~4階には、神戸地区最大級「KOBE HANKYU BEAUTY WORLD」(1,700㎡)が2022年8月31日にオープンした。

本館3階 ライフスタイルビューティー

 

過去記事を一部リライト

「神戸阪急(デパート)」の建替について考察

出典 神戸市(左の建物が神戸阪急と思われる)

2021年10月、JR三ノ宮新駅ビルの構想「高さ160m・延床面積10万㎡・2029年度開業予定」と発表された。

そこで、改めて「神戸阪急(デパート)」の建替について考察してみます。

JR三ノ宮新駅ビル構想

JR三ノ宮新駅ビル構想

JR三ノ宮新駅ビルの延床面積は10万㎡と発表されたが、フルスペックのデパートは入居しないと予想される。

というのは、フルスペックのデパートの規模は延床面積10万㎡(店舗面積6万㎡)が一般的だが、JR三ノ宮新駅ビルは「商業施設」「オフィス」「ホテル」の合計の延床面積が10万㎡なので「フルスペックのデパート(延床面積10万㎡)」が入居するには規模が小さい。

神戸阪急(デパート)としては、JR三ノ宮新駅ビルが2029年度に完成した後もJR三ノ宮駅に隣接の唯一のデパートという立地に変化はなく、建替を急ぐ必要はない。

また、エイチ・ツー・オーリテイリング(大阪市)は2021年7月28日に中期経営計画(2021-2023年度)を発表し、神戸阪急(神戸市中央区)と高槻阪急(大阪府高槻市)のリモデルすることを明らかにした。

2022年5月に、神戸阪急だけで80億円、高槻阪急は23億円の投資と発表された。

リモデルは2023年秋に完成する予定なので、その後数年間は建替はしないと予想される。

店舗 内容
神戸阪急 都市型百貨店モデル+神戸らしさ
高槻阪急 新・郊外型百貨店モデル(百貨店+SCのベストミックス)
投資額 (神戸阪急80億円+高槻阪急23億円)2店合計103億円
期間 2022年度~2023年度

 

阪急線と神戸市営地下鉄相互乗り入れ

JR三ノ宮新駅ビルの完成が2029年度だが、工事期間中に阪急線神戸線と神戸市営地下鉄相互乗り入れの工事を同時並行して行うことは不可能と思われる。

したがって、もし相互乗り入れが実現するとしても、2030年着工・2040年完成と予想される。

神戸三宮阪急ビル(南面を撮影)

本来、ビルの南側に窓を設置することが多い。

しかし、神戸三宮阪急ビルの低層階~中層階(4階~15階)の南面には、窓が極端に少ない。

神戸三宮阪急ビルは南側に増築できるのではないか?

 

月刊神戸っ子(KOBECCO)2017年7月号には「三宮駅ビル建て替えプロジェクト始動! 目に見えてきた神戸の将来像」との記事が掲載されている。

神戸市長 久元 喜造 さん
阪急阪神ホールディングス株式会社 代表取締役社長 角 和夫 さん

「(角 和夫 さん)私の夢を言わせていただくと、阪急神戸線と地下鉄西神山手線が相互直通運転できればと。そうすると、神戸の中心で東西に場所を取っている神戸三宮駅が地下化され、貴重な空間が出現する」

引用 https://kobecco.hpg.co.jp/8018/

 

コメント

阪急阪神HD角社長の「阪急神戸線と地下鉄西神山手線が相互直通運転できれば(中略)、神戸の中心で東西に場所を取っている神戸三宮駅が地下化され、貴重な空間が出現する。」と言う発言は、神戸三宮阪急ビルの南側にある「神戸三宮駅」を撤去した跡地を再開発したいという趣旨と思われる。

実際「阪急梅田百貨店」や「阪神梅田百貨店」は1期工事で半分を建設し2期工事で全体を完成させている。したがって「神戸三宮阪急ビル」の南側増築もありえない話ではない。

しかし、阪急神戸線と神戸市営地下鉄の相互乗り入れは早くても2040年と予想されるので、それまで老朽化している「神戸阪急百貨店」の建替を待つわけにいかないと思う。

JR三ノ宮新駅ビルの完成が2029年度と発表されたことで「神戸阪急百貨店」は現在の所在地で建替する可能性が高くなったと思う。

「JR三ノ宮新駅ビル」にはフルスペックのデパートは入居しないと予想されるので、「神戸阪急百貨店」としては2029年まで、JR三ノ宮駅に隣接する唯一の大型商業施設(百貨店)として売上がある程度期待できるので、急いで建替える必要はない。

もし建替するのであれば、2029年度以降になると思われる。早くて2029年解体着工・2031年~2032年新築着工・2034年~2035年完成というスケジュールになるのではないか?

しかし、今から10年後に百貨店(デパート)という業態がそのままの形で存続できるかは、検討の余地があると思う。

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