大阪メトロは流通・不動産でももうける――。4月から民営化する大阪市営地下鉄の戦略です。https://t.co/s7j26qT6vj pic.twitter.com/ZBHPDIe7Ke
— 日経関西 (@nikkeikansai) 2018年3月28日
国土交通省は2017年12月18日、大阪市から地下鉄事業を新会社「大阪市高速電気軌道株式会社」へ譲渡することを認め、許可状を交付した。
これにより、2018年4月1日の大阪市営地下鉄は民営化され「大阪メトロ」となる。
民営化されることで、地下鉄駅前を中心に不動産事業に本格的に参入し、大阪の再開発が活性化する可能性がある。
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大阪市営地下鉄の概要
名称 | 大阪市営地下鉄 |
開業 | 1933年 |
運営者 | 大阪市交通局 |
総延長距離 | 129.9km(ニュートラム含め137.8km) |
路線数 | 8路線(ニュートラム含め9路線) |
駅数 | 約100駅 |
軌道幅 | 1,435mm |
最高速度 | 70km/hm |
1日平均輸送人員 | 291万人 |
大阪市営地下鉄は御堂筋線やニュートラムを含め9路線あり、総延長は約138kmで、1日平均298万人が利用する。
御堂筋線の年間黒字は362億円で日本一儲かっている地下鉄路線となっている。
大阪市営地下鉄路線別「1日平均輸送人員(2014年)」
(収支は2015年)
路線 | 1日輸送人員 | 収支 | 開業 | 路線距離 |
御堂筋線 | 114万人 | +362億円 | 1933年 | 24.5km |
谷町線 | 50万人 | +63億円 | 1967年 | 28.1km |
四つ橋線 | 25万人 | +1億円 | 1942年 | 11.4km |
中央線 | 30万人 | +51億円 | 1962年 | 17.9km |
千日前線 | 19万人 | △28億円 | 1969年 | 12.6km |
堺筋線 | 31万人 | +24億円 | 1969年 | 8.5km |
長堀鶴見緑地線 | 16万人 | △41億円 | 1990年 | 15.0km |
今里筋線 | 6万人 | △41億円 | 2006年 | 11.9km |
南港ポートタウン線(ニュートラム) | 7万人 | △6億円 | 1981年 | 7.9km |
合計 | 298万人 | +385億円 | 137.8km |
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なぜ民営化するのか?
大阪市営地下鉄は年間385億円の黒字経営で、経営が順調のように思える。なぜ民営化する必要があるのか?
赤字路線建設問題
御堂筋線は年間362億円の黒字路線だが、その黒字を使って、今里筋線のような赤字路線を建設する傾向にあった。
また、大阪市交通局は地下鉄とバスを運営しており、地下鉄の黒字でハス事業の赤字を補填するなど経営状態だった。
ホテル、レストラン事業への進出
大阪市営地下鉄は一部「駅ナカ」事業を行っているが、ホテルなどは経営していない。しかし、阪急、JR西日本、近鉄、南海、京阪など民間鉄道会社はターミナルにホテルなど運営している。
大阪市営地下鉄も民営化し駅前にホテルを運営できるようになると思われる。それにより鉄道の赤字路線の補填ができ、鉄道経営が安定する。
税収の増加
現在、大阪市営地下鉄は大阪市が保有するため固定資産税を納めていない。民営化することで不動産に対して固定資産税が課税され、大阪市の税収が増加する。
株式上場
新民間会社の株式は大阪市が100%保有する。将来的に株式を上場した場合、大阪市は上場利益を得ることができる。