2025年大阪・関西万博では、「空飛ぶクルマ」を運航する計画がある。
しかし、世界的にも「空飛ぶクルマ」の飛行例は少ないので、試験飛行期間1年は必要だと思う。
したがって、2025年大阪・関西万博の1年前である「2024年4月」から「空飛ぶクルマ」の試験飛行を開始すべきだと思う。
それができないなら、「空飛ぶクルマ」はデモ飛行にとどめるべきだと思う。
例えば、2024年3月16日(土)に北陸新幹線(金沢~敦賀間)が延伸開業するが、半年前の2023年9月から試験走行が始まっている。
新幹線という60年の歴史と技術もある交通機関ですら、半年の試験走行が必要なのだ。
「空飛ぶクルマ」は日本初の実用航路になるわけで、半年の試験飛行では短いと思う。
出典 大阪府
2024年にUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)と「万博会場(夢洲)」の約5kmを結ぶ計画もある。
出典 大阪府
関空~万博会場(30km)や神戸空港~万博会場(15km)の飛行計画もあるが、2025年の大阪・関西万博には間に合わない可能性もある。
夏の高温対策
大阪の夏の最高気温は、38度~39度になる。
飛行時間は3分(飛行距離3km・時速60キロで試算)と言えども、待機時間や安全性を考慮すると10分間は密閉した「空飛ぶクルマ」内で安全に過ごせる必要がある。
エアコンがないと乗客の安全性が問題になると思う。
そもそも、「空飛ぶクルマ」にエアコンが設置させるかどうかも公表されていない。
果たして、間に合うのか?
航空管制の問題
大阪市街地、大阪湾上を飛行するならば、航空機との関係から航空管制が必要になると思うが、それも発表されていない。
また、安全対策として、レーダーや空中衝突防止装置「TCAS」なども必要になるかもしれないが、それも発表されていない。
特に、レーダーを搭載すると大量の電力を消費するので、飛行時間が短くなる。
それすら発表されていない。
飛行距離3kmと言えども、雨天や霧ならば有視界飛行できない場合もある。
そもそも、計器飛行方式(IFR)なのか有視界飛行方式(VFR)なのかも発表されていない。
果たして、間に合うのか?
水中落下対策
現在、運航されている航空機も、水中に墜落した場合に備えて「救命胴衣」などの対策をしている。
当然「空飛ぶクルマ」も水中落下対策をすべきだと思う。
特に「空飛ぶクルマ」は大容量の電池を搭載しているので、感電対策も必要ではないか?
もし「空飛ぶクルマ」が水中に落下した場合、何分間で水没するのか?
その間に救助は間に合うのか?
海難救助隊も周辺待機しておくべきではないか?
また、緊急着陸のために海上にフロートをいくつか設置すべきではないか?
そうすると船舶の航行に支障がでるが、そういった調整はできているのか?
当ブログの結論
新しいことにチャレンジすることは必要だし、応援したい。
しかし、安全性を犠牲にしてはならない。
運航開始予定の1年半前の段階で安全対策が全く公表されていない以上、個人的な意見ですが、「空飛ぶクルマ」の海上を含む3kmという飛行距離を万博開催中に運航するのは困難だと思う。
特に、試験飛行に1年は必要だと思うので、2024年4月に試験飛行が開始できないならば、「空飛ぶクルマ」の運航計画を大幅に見直すべきだと思う。
2023年10月撮影
そもそも、2025年大阪・関西万博の会場となる夢洲すら、建設が進んでいない。
万博の開催すら危うい状態で、「空飛ぶクルマ」の運航のために、マンパワーを使う余裕すらないはずだ。
関係者は、早々に「空飛ぶクルマ」の運航は諦めて、「万博開催」に注力すべきだと思う。
実際、万博会場の夢洲でも「空飛ぶクルマ」の離発着基地の建設計画がある。
計画中止となれば、設計変更などで1週間~2週間も会場建設が遅れる可能性もある。
新しいことにチャレンジすれば100回のうち99回は失敗するとも言われるので、計画中止でも関係者に責任はない。
それよりも、できないと分かった時点で計画を中止しない方が問題がある。
繰り返しになるが、
2025年大阪・関西万博の1年前である「2024年4月」に「空飛ぶクルマ」の試験飛行ができないならば、計画を中止すべきだと思う。