中央公会堂(大阪・中之島)
民間シンクタンク「ブランド総合研究所」(東京)が2021年10月9日、2021年の都道府県別魅力度ランキングを発表した。
具体的には「以下の自治体について、どの程度魅力を感じますか?」という問いに対して
- 「とても魅力的」を100点
- 「やや魅力的」を50点
- 「どちらでもない」「あまり魅力を感じない」「全く魅力的でない」を0点
として、それらの回答を自治体ごとに集計(点数)として算出した。点数が大きいほど消費者はその地域を「魅力的」と感じる人が多いことになる。
引用 https://news.tiiki.jp/articles/4697
魅力度が高い都道府県(2021年)
「うめきた2期(JR大阪駅北側再開発)」(出典 UR都市機構)
順位 | 都道府県名 | 点数 |
1位 | 北海道 | 73.4 |
2位 | 京都府 | 56.4 |
3位 | 沖縄県 | 54.4 |
4位 | 東京都 | 47.5 |
5位 | 大阪府 | 42.0 |
6位 | 神奈川県 | 40.0 |
7位 | 福岡県 | 37.5 |
8位 | 長崎県 | 33.9 |
9位 | 奈良県 | 33.4 |
10位 | 長野県 | 32.5 |
10位 | 石川県 | 32.5 |
12位 | 千葉県 | 30.4 |
13位 | 兵庫県 | 30.0 |
北海道道は13年連続1位、京都府も13年連続2位、大阪府は前年の6位から5位に上昇した。
4位の東京都は47.5点、5位の大阪府は42.0点なので差は5.5点となっている。
「うめきた2期」が一部街びらきする2024年、大阪・関西万博が開催される2025年には、大阪府が東京都を抜く可能性もある。
大阪・関西万博(2025年)
大阪IR(2020年代後半開業予定)
魅力度とは「観光で行きたい」と言う意味か?
JR大阪駅前(2021年)
順位 | 都道府県名 | 特徴 |
1位 | 北海道 | 雄大な自然・ウインタースポーツ |
2位 | 京都府 | 古都の歴史的町並み・神社仏閣 |
3位 | 沖縄県 | 美しい海・冬でも温暖な気候 |
4位 | 東京都 | 都市観光 |
5位 | 大阪府 | 都市観光 |
1位~5位の都道府県は自然観光、歴史観光、都市観光とタイプは違うが、すべて交通アクセスがいいという共通点がある。
例えば「美しい海」があっても1週間に1便の航空便しかないなら「魅力的(行きたい)」とは思わない。
魅力度3位の沖縄は、羽田=那覇便が通常期でANA15往復、JAL15往復、スカイマーク6往復の1日36往復運航されている。
魅力度2位の京都は地下鉄が2路線しかないが、市バスが縦横無尽に運行しており1日700円(2021年10月から)で乗り放題となる。
東京都は地下鉄13路線、大阪府は地下鉄8路線で、都心部はほとんど駅から徒歩10分~15分で行ける。
団体旅行なら貸し切りバスで観光するので「公共交通機関」の必要性はそれほど高くなかった。
しかし、個人旅行が主流となっているので、個人が自由に移動できる「公共交通機関」の整備が重要になっている。
しかし、公共交通機関の整備には多額の費用がかかる。例えば那覇空港は2020年3月に第2滑走路の供用を開始したが総事業費は2,074億円だった。
結局、魅力度を高めるためには、数千億円の費用がかかる空港整備、1km当たり400億円かかる地下鉄整備など公共交通機関の整備が必要だと思う。
それが無理なら京都市のように毎年多額の赤字(2021年度56億円の赤字予想)を出しながら市バスを運行するしかない。但し、毎年50億円の赤字なら20年間で1000億円の赤字となるので、普通の都市ではできないと思う。
いくら魅力的な観光拠点を作っても空港もなく、新幹線もなく、高速道路もないなら1日100人くらいしか来ないと思う。
地下鉄の建設費は1km当たり400億円かかるので、市街地全域に地下鉄を建設できるのは、東京、大阪、名古屋、横浜、札幌、福岡くらいしかない。
福岡市は2015年に人口153万人で神戸市の人口を追い抜き、2021年10月現在162万人と6年間で9万人も人口が増加している。
この人口増加を背景に、福岡市は地下鉄七隈線の延伸事業を進めており、2022年度に開通する予定だ。交通機関の利便性が高まれば、さらにオフィスや商業施設が建設され人口が増加する。
都市観光については、人口増加 → 交通機関の整備 → 魅力度上昇ということだと思う。