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【エアライン】日本政府 国内航空業界に2兆5000億円支援検討【ANAは1兆3000億円資金調達へ JALは3000億円】

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政府は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で80%~90%便を運休している国内航空業界に対して総額2兆5000億円の支援を検討している。

一部の情報は2020年5月現在のものです

引用・参照

2兆5000億円支援パッケージ

政府は新型コロナウイルス感染症拡大により航空会社の減収が1年以上長期化することを想定して総額2兆5000億円の支援を検討している。

  • 政府系金融機関による融資や政府保証など2兆円
  • 公租公課の支払い猶予、減免など5,000億円

(政府系金融機関とはDBJ日本政策投資銀行と思われ、融資期間15年~20年の超長期ローンで無担保となる予定)

 

ANA 1兆3000億円資金調達へ
項目 金額
現預金 2,386億円(2020年3月末)
新規融資 500億円(新規調達分)
既存融資枠 1,500億円
新規融資枠4/28 3,500億円(新規調達)
新規融資5/28 3,500億円(新規調達)DBJ日本政策投資銀行
合計 11,386億円(新規調達7,500億円)

ANAは、2020年第2四半期で月間500~600億円の資金が流出しており、1兆3000億円の巨額資金調達へ動いている。

  • 2020年4月には民間金融機関から新規融資1,000億円を受けたと報道されているが、そのうち500億円は2020年6月期限の融資分の借り換えなので実質的には500億円となる。
  • 2020年4月28日に新規で融資枠3,500億円の設定を受けたと報道されている。
  • 2020年5月28日にDBJ日本政策投資銀行から新規で3,500億円の融資を受けたと報道されている
  • 2020年10月27日、3メガバンクから劣後ローン4,000億円を調達すると発表

 

融資枠とは「コミットメントライン」とも言い、銀行が定めた期間と限度額の範囲内なら無審査で何度でも資金の借入・返済ができる融資形態で、銀行は枠を設定するだけで「コミットメントフィー」という手数料を得ることができる。

2020年10月現在、ANAは新規融資500億円、新規融資枠設定3,500億円、DBJ日本政策投資銀行融資3,500億円、劣後ローン4,000億円(3メガ)の合計1兆1,500億円を資金調達したと見られる。

現預金や既存融資枠と合計すると2020年3月末基準で手元資金は15,386億円となる。もし、年間5,000億円の資金流出が続いたしても2023年3月までは耐えられると思われる。

 

JALも3,000億円融資要請

2020年4月25日の報道によると、JALも三菱UFJ銀行などに総額3,000億円の融資を要請した。この3,000億円には融資枠設定も含まれる。

JALの現預金は約3,000億円以上で新規融資枠と合計すると6,000億円になる。JAL売上はANAの約70%なので月間の資金流出もANAよりも少ない600億円と見られる。

当ブログの試算ではJALの資金繰りは今後10ヵ月後の2021年2月までは問題ないと思われる。

 

スカイマーク

2020年3月末時点、スカイマークの現預金は120億円、融資枠は300億円、月間の固定費は70億円なので資金繰りは4ヵ月以上問題ない。

 

ANAとJALの有利子負債
項目 ANA(全日空) JAL(日本航空)
売上高(2020年3月) 1兆9742億円 1兆4112億円
有利子負債(2020年3月) 8,263億円 1,884億円

JALは2020年1月に経営破綻し、100%減資、5,215億円の債権放棄、3,500億円の公的資金注入(企業再生支援機構が出資)、企業再生支援機構のDIPファイナンス800億円、日本政策投資銀行のDIPファイナンス2,800億円を受け再生した。

その結果、2020年3月現在で有利子負債はJAL1,884億円、ANA8,263億円とJALの方が財務内容に余裕がある。

DIPファイナンスとは、民事再生法の申し立てをした企業に対する「つなぎ融資」のことだが、日本では倒産後の企業が借入をすることは原則禁止されているので「融資」ではなく「共益債権」と位置付けられる。

ちなみにJALが2012年9月に再上場した時の初値は3,810円、企業再生支援機構は保有する全株式を売却し6,632億円を得た。

 

コメント

2020年3月現在、ANAの有利子負債は8,263億円、JALは1,884億円と財務内容はANAの方が悪い。

しかし、ANAは自力ですでに劣後ローン4,000億円、銀行融資、銀行融資枠により1兆円以上を調達しているとみられ、2023年3月までの資金繰りに不安はない。

JALについても、今後2023年~2024年頃までの資金繰りに問題はないと思われる。

もし、新型コロナウイルス感染の影響が2024年以降も長引く場合、ANAとJALの上に「持ち株会社」を設立し、ANAとJALを国際線、国内線、国内離島路線などに分社化した上で統合や売却を進める可能性もあるが、今のところその可能性は低い。

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