スポンサーリンク

2022年10月21日、日銀の為替介入の規模は3兆円か?2023年3月まで毎月3兆円の為替介入か?

(当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。)

2022年10月21日深夜から22日早朝にかけ、政府・日銀はドル売り・円買いの為替介入を実施した。

これにより、ドル円相場は151円台後半から146円台に約5円以上、円高に振れた。

感覚的に言うと、取引量の多い日中の東京市場であれば、1兆円の為替介入でドル円相場は1円程度動くイメージがある。

しかし、金曜の深夜の取引量が少ない時間帯なので、1兆円の為替介入で2円程度動いたのかもしれない。したがって3兆円の為替介入でも5円動かすことは可能だったと思われる。

 

為替トレーダーのロスカット狙いか?

一般的に、投資銀行などの為替トレーダーは、月間の損失額の上限が決められている。その上限金額は各トレーダーによって違い、数千万円~数億円と推定される。

月間の損失額を超えると、その月は一切トレードできない規則になっている金融機関が多い。

そのため、為替トレーダーは、絶対にロスカット注文を出す必要があり、その時の為替相場から2円~3円離してロスカットを置くことが多い。

2022年9月、日銀が為替介入し、相場は約5円動いた。この結果、多くの為替トレーダーはその月のトレードができない状態になったと予想される。

日銀としても、米国金利が上昇する状態ではドル高を止められるとは思っていない。しかし、投機的なドル高については、阻止したいという目的があるのだと思う。

つまり、日銀としては相場を1日で5円動かすことで、為替トレーダーのロスカットをつけ、その月はトレードできない状態にすることが目的かもしれない。

 

今後の短期見通し

日銀の思惑通り、月間の損失額の上限を超えた為替トレーダーもいると思われるので、2022年10月末までは、155円以上のドル高にはなりにくいと思う。

しかし、2022年11月からは再び、ドル高が加速し、160円をうかがう展開になるのではないか?

そうなると、今年3度目の日銀の為替介入が実施される可能性があると思う。

 

為替介入は政府の益出しか?

為替介入(外国為替市場介入)の正式名称は「外国為替平衡操作」という。

正式なスキームは、財務省が日本銀行に対し為替介入実行の具体的指示を行い、日本銀行が介入を実施する。

「ドル売り・円買い」の為替介入を実施する場合は、外為特会(外国為替資金特別会計)の保有するドル資金を売却して、円を買い入れる。

この為替介入は1995年の79円台にもドル買い介入を実施しており、米国債(30年)で運用されていると予想される。その為替差益は30兆円以上とも言われる。

しかも、米国債の利払いで毎年数兆円の外貨が増加しており、為替介入を実施することで、20%~30%の為替差益が実際に発生していると予想される。

 

日本の外貨準備高

2022年9月末現在の外貨準備高は、約1兆2400億ドル(186兆円)で、うち9800億ドル(147兆円)は外国証券(主として米国債)、外貨預金は1400億ドル(21兆円)となっている。

米国債は簡単には売却できないので、為替介入の原資は外貨預金は1400億ドル(21兆円)と予想される。

しかし、政府の保有する外貨預金をすべて為替介入に使うことはできないので、為替介入としては12兆円程度と予想される。

毎月3兆円の為替介入と実施すると、9月~12月の4か月で12兆円となり、為替介入の原資をほぼ使うことになる。

 

岸田政権の支持率上げのため、為替介入継続か?

最近の消費者物価の上昇により岸田政権の支持率は27%と下落している。

2023年1月から始まる通常国会を乗り切るためにも急激なドル高を食い止める必要がある。

そのため、2023年1月~3月もドル高になれば毎月のように3兆円規模の為替介入を実施するのではないか?

2022年9月~2023年3月までの6か月間に毎月3兆円の為替介入を実施すると合計18兆円となり、政府の外貨預金1400億ドル(21兆円)がほぼなくなる。

したがって、日米通貨スワップを利用するのではないか?

 

日米通貨スワップ

日本はアメリカ合衆国と引出限度額が無制限、期限が無期限の通貨スワップ協定を締結しており、具体的にはニューヨーク連邦準備銀行が日本銀行に対してアメリカ合衆国ドルを提供する。

日本政府は、2022年4月現在で米国債を1兆2180億ドル(約183兆円)保有しており、世界一となっている。

したがって、ニューヨーク連邦準備銀行としても、日本政府が保有する米国債を実施的に担保として見なすことができ、年間10兆円~20兆円の通貨スワップ程度は容易に実施できると思われる。

 

今後の長期見通し

政府の外貨預金21兆円のうち、12兆円を使って2022年9月~12月まで毎月3兆円の為替介入を実施すると予想される。

2023年1月~3月は、政府の外貨預金と日米通貨スワップも利用して、引き続き毎月3兆円の為替介入を実施するのではないか?

2023年4月以降、米国金利の上昇が鈍化すると、ドル高が是正される可能性がある。

しかし、ドル金利上昇が継続するなら、ドル高が継続する可能性があるが、その場合でも2023年9月までと予想される。

したがって、2023年4月~2023年9月の6か月間、毎月3兆円の為替介入を実施する可能性があり、その合計額18兆円となる。

その場合も日米通貨スワップでドル資金を調達することは可能と思われる。

error: Content is protected !!