名鉄「名古屋駅」2022年12月(筆者撮影)
名古屋鉄道、近鉄グループホールディングス・三井不動産・日本生命など4社は共同で、名鉄百貨店や近鉄パッセなど6棟のビル(敷地面積約2.8万㎡)を一体的に再開発し、地上33階・高さ175mの超高層ビル3棟(延床面積40万㎡)に建て替える。
2026年度に既存6棟のビルの解体に着手し、2027年度から再開発ビルの建設に着工し、2030年代半ばから開業し、最終的には2040年頃の完成を見込む。
また、現在、名古屋鉄道の本社(従業員270名)は名鉄百貨店と同じビルに入居しているが再開発を予定していることから2025年1月に近隣のオフィスビル「エニシオ名駅」に移転する。
出典 名古屋鉄道
名古屋鉄道の地下駅の拡張(2,000億円)と超高層ビル3棟(3,500億円)を合計した総工費は5500億円となる予定。
仮に容積率が1,400%まで緩和されると、延床面積は3棟合計で40万㎡となる。
名鉄「名古屋駅」の改修
名鉄「名古屋駅」は3つのホームで2本の線路を挟む「3面2線」と呼ばれる構造で、異なる行き先の列車がほぼ2分ごとに来る過密なダイヤになっている。
再開発では、「新駅」は2030年代半ばに開業し、上下それぞれ2線ずつ合計4線に増加する。
名古屋駅周辺の再開発、高さ180mの高層ビル3棟でホテル・商業施設・オフィスなど整備へ…名古屋鉄道の原案https://t.co/KM1raagbJg#経済
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) November 22, 2023
出典 名古屋鉄道
太閤通の北側の「名鉄百貨店と近鉄パッセ」と、太閤通の南側の「旧・名鉄レジャック」跡地に分けて再開発する。
太閤通の上空を空中回廊(ペデストリアンデッキ)で接続する。
「名鉄百貨店と近鉄パッセ」跡地は、低層階を共通化し「商業施設」とし、北棟の高層階は「ホテル」、中央棟の高層階は「オフィス」とする。
「旧・名鉄レジャック」跡地の南棟の低層階は「バスターミナル」、中層階は「オフィス」、高層階は「ホテル」とする。
イメージ(当ブログ作成)
位置 | 内容 |
---|---|
北棟 | ホテル(高層階)
商業施設(低層階) |
中央棟 | オフィス(高層階)
商業施設(低層階) |
太閤通 | 空中回廊(ペデストリアンデッキ) |
南棟 | 高級ホテル(高層階)
オフィス(中層階) バスターミナル(低層階) 「旧・名鉄レジャック」 |
当ブログ試算では、北棟と中央棟の南北幅は約260m、太閤通の幅員が30m、南棟の南北幅は約110mと思われる。合計すると南北400mとなる。
工期は3期に分けて開発して、最終的に2040年頃に再開発が完了する。当ブログの予想では「旧・名鉄レジャック」から着工すると思われる。
- 着工前:2026年度解体
- 1期:2027年度着工・2030年代前半に竣工
- 2期:2030年代前半着工
- 3期:2040年頃竣工
名古屋鉄道の決算(2024年3月期)
- 営業収益:6,011億円
- 営業利益:348億円
- 経常利益:375億円
近鉄HDの決算(2024年3月期)
- 営業収益:1兆6295億円
- 営業利益:874億円
- 経常利益:846億円
名古屋鉄道が負担する金額は、地下駅の改修に2,000億円、超高層ビルの開発に1,500億円~2,000億円の合計3,500億円~4,000億円になると予想される。
名鉄は、名古屋駅の再開発計画について「基本設計」に着手すると発表した。
再開発によって新たなランドマークを目指すとしている。
事業の方向性を示す2024年度以降のスケジュールは未定としながらも、「リニア開業にむけて駅前の周辺整備が進むので、進み具合にしっかり合わせていきたい」と説明した。
引用 メーテレ
2017年の計画
2017年段階では、名鉄は近鉄グループホールディングスなど合計4社で、名鉄百貨店や近鉄パッセなど6棟のビルを一体的に再開発し、地上30階建、高さ最大180m、南北400mの巨大ビルを2022年度に着工し、2027年度をめどに完成させる計画だった。
この再開発ビルには、ホテル、オフィス、商業施設が入居する予定だった。
しかし、その後、リニア中央新幹線の名古屋開業が2027年以降に遅れる見通しとなり、新型コロナの感染拡大を受け、計画を再検討し、2024年度をめどに事業の方向性を示すとしていた。
名鉄レジャック
2017年の計画を見ると、道路を挟んだ「名鉄レジャック」を含む計画になっている。
ちなみに、名鉄レジャックは2023年3月31日に閉館した。
道路幅員は推定30mで、そもそも、長さ400mの「壁ビル」の計画に無理があった。
容積率1,300%に緩和
名古屋市は、劇場や高級ホテルなどの誘致のため、名古屋駅の東側と栄で政令市として初めて容積率を1300パーセントにする方針を発表しました。
引用 東海テレビ
大阪IR(2030年開業)
大阪IR(統合型リゾート)が2030年に部分開業する予定で、近鉄は奈良線から乗り入れる方針。
技術的には、大阪IR(統合型リゾート)から近鉄名古屋駅まで直通列車を運行することは可能と思われる。
大阪IR(統合型リゾート)には世界から富裕層が訪問すると予想され、名古屋へも誘導するためには「名古屋のランドマーク的」な建物が必要になると思う。