2024年5月15日、阪急・阪神百貨店などを運営するエイチ・ツー・オーリテイリングは2024年3月期決算を発表した。
それによると、2024年3月期の年間売上高は6,574億円で前年比+4.7%だった。
阪急うめだ本店(阪急メンズ大阪を含む)の年間売上高は3,140億円で前年比+20.3%だった。
免税品売上高が638億円と前年比+278.3%の大幅な増加で、インバウンド効果が売上高に寄与したと言える。
また、神戸阪急も売上高404億円で前年比+21.7%と好調だった。
しかし、西宮阪急は売上高250億円で前年比+3.0%と増加率は都心店舗と比較して低かった。
宝塚阪急の売上高も69億円で前年比+1.4%と増加率が低い。
都心回帰とインバウンド効果により、都心店舗の業績は好調だが、郊外の百貨店店舗の売上が厳しくなっているように思える。
そのため、阪急は2023年10月に郊外店舗の「高槻阪急」を「高槻阪急スクエア」と屋号変更し、都心店舗とは異なる顧客層のニーズに合った店舗展開をしている。
今後、同じく郊外店舗の「川西阪急」も「川西阪急スクエア」に屋号変更する予定。
(売上高1,000億円の店舗と関西の主要店舗)
(個人ブログまとめ・100%の正確性はありません・四捨五入)
店舗 | 売上高(前年比) |
---|---|
(阪急うめだ本店+阪神梅田本店) | (3,801億円) |
伊勢丹新宿本店 | 3,759億円(+14.7%) |
阪急うめだ本店 | 3,140億円(+20.3%) |
JR名古屋高島屋 | 1,891億円(+14.0%)2023年12月期速報 |
西武池袋本店 | 1,768億円(2023年) |
髙島屋大阪店 | 1,592億円(+20.6%) |
三越日本橋本店 | 1,529億円(+10.4%) |
髙島屋日本橋店 | 1,493億円(+4.4%) |
髙島屋横浜店 | 1,346億円(+2.1%) |
松坂屋名古屋店 | 1,269億円(+7.7%) |
そごう横浜 | 1,063億円(2023年) |
三越銀座店 | 1,048億円(+35.6%) |
髙島屋京都店 | 972億円(+15.7%) |
大丸大阪心斎橋店 | 957億円(+35.2%) |
大丸神戸店 | 918億円(+9.4%) |
大丸京都店 | 705億円(+14.6%) |
ジェイアール京都伊勢丹 | 695億円(+11.7%) |
大丸大阪梅田店 | 550億円(+13.9%) |
あべのハルカス近鉄本店 | 517億円(+4.7%)2023年2月期は1,078億円 |
阪急うめだ本店(3,140億円)と阪神梅田本店(661億円)は同じエイチ・ツー・オーリテイリングの百貨店で隣接している。
2店舗の売上高を合計すると3,801億円で、伊勢丹新宿本店の3,759億円を抜き、事実上、売上高で日本最大の百貨店と言える。
項目 | 金額(前年比) |
---|---|
売上高 | 6,574億円(+4.7%) |
営業利益 | 2,619億円(+130.0%) |
経常利益 | 2,788億円(114.3%) |
当期純利益 | 2,191億円(+33.7%) |
店舗 | 売上高(前年比) |
---|---|
阪急うめだ本店 | 3,140億円(+20.3%) |
阪神梅田本店 | 661億円(+19.4%) |
博多阪急 | 623億円(+23.3%) |
神戸阪急 | 404億円(+21.7%) |
西宮阪急 | 250億円(+3.0%) |
高槻阪急スクエア | 238億円(+8.7%) |
千里阪急 | 142億円(+3.6%) |
阪急メンズ東京 | 136億円(+13.3%) |
川西阪急 | 128億円(+0.4%) |
宝塚阪急 | 69億円(+1.4%) |
大井食品館 | 45億円(+1.6%) |
阪神・にしのみや | 41億円(-0.7%) |
築地阪急 | 32億円(+0.1%) |
- 阪急本店リモデル等 103億円
- 阪神梅田本店 修正改装 22億円
- 川西阪急リモデル 8億円
阪神梅田本店 修正改装
集客力強化と事業構造を見直し、阪急本店と共存し大阪・梅田における収益を最大化
- 食祭テラスを軸に顧客支持が高い1Fフードワールドを磨き上げ、話題性・集客力アップ
- 集客力の高い大型専門店を導入し、収益力向上と店全体への買いまわり促進
- バックヤードを売場化し、顧客の関心が高い健康・美容サービス専門店の複数導入により収益力をアップ
- 自前売場の大幅圧縮、専門店導入により少人数運営モデルに転換、ブランド・カテゴリー横断接客サービスを拡充
- 2025年度 総投資25億
「川西阪急スクエア」にリモデル
30・40代ファミリー層を強化ターゲットに店舗再編し、安定的に利益を出し続ける事業構造への転換を図る
- 百貨店コンテンツと集客力のある専門店を融合、隣接する商業施設と連携して商圏内の競争力向上
- 自前売場の大幅縮小、催事の廃止などローコストオペレーションと優良専門店誘致により店舗運営モデルを見直し 「スクエア化」
- 行政との協業による駅前公園化で集いの場・賑わいを創出
- 2025年度 総投資12億円