北陸新幹線開業
2024年3月16日(土)、北陸新幹線「金沢駅ー敦賀駅間(約125km)」が開業した。
北陸新幹線は、東京駅ー新大阪駅間(約716km)を結ぶ整備新幹線(最高速度260km/h)で、2015年に東京駅ー金沢駅間まで開通してる。
JR西日本は金沢駅ー敦賀駅間の開業に合わせて「特別企画乗車券」を発売する。
- 大阪=金沢:9,410円 → 7,980円(開業前7,590円)
近畿圏~北陸エリア
チケットレス乗車で北陸新幹線と特急「サンダーバード」号を乗継
首都圏~北陸エリア
出典 JR西日本PDF
所要時間と新運賃
- 大阪からのサンダーバード(特急)は敦賀駅止まりとなり、8分で北陸新幹線に乗り換える
- 大阪=福井・金沢・富山間は700円~1620円の値上げになるが、「特別企画乗車券」が発売される。
区間 | 所要時間(短縮) | 新・指定席運賃(値上げ・値下げ) |
大阪=福井 | 1時間44分(3分短縮) | 7,290円(+1,150円) |
大阪=金沢 | 2時間9分 (22分短縮) | 9,410円(+1,620円) |
大阪=富山 | 2時間35分(29分短縮) | 10,290円(+700円) |
金沢=敦賀 | 46分(30分短縮) | 5,480円(+780円) |
東京=福井 | 2時間51分(36分短縮) | 15,810円(-530円)
東海道新幹線経由は15,130円 |
東京=敦賀 | 3時間8分 (50分短縮)
東海道新幹線利用2時間50分 |
16,360円(-1,190円)
東海道新幹線経由は14,140円 |
東京=金沢(参考) | 2時間25分(参考) | 14,380円(参考) |
- 特急運賃は最繁忙期+400円、繁忙期+200円、閑散期-200円。
敦賀=東京間の現在の所要期間は米原経由で東海道新幹線を利用すると約2時間50分で、北陸新幹線の所要期間は3時間8分と遅くなるが、米原と名古屋の2回の乗換えが不要となる。
運賃の認可の後、届出により以下の料金を設定
- 北陸新幹線の隣接駅間の自由席を利用する場合に適用となる特定特急料金
- グリーン料金、グランクラス料金
- 北陸新幹線(富山~敦賀間)と在来線特急列車(「サンダーバード」又は「しらさぎ」)を敦賀駅で乗り継いでご利用になる場合の特急料金
北陸新幹線 概要
北陸新幹線概要 | 上信越・北陸地方を経由して東京駅と新大阪駅を結ぶ整備新幹線 |
事業区間 | 東京駅-新大阪駅 |
総延長 | 約716km (東京駅-高崎駅間105kmは上越新幹線と共用) |
最高設計速度 | 260km/h(整備新幹線区間) |
編成 | 12両編成(E7系・W7系) |
高崎駅=長野駅間 | 117.4km(1997年10月1日開業) |
長野駅=金沢駅間 | 228.1km(2015年3月14日開業) |
金沢駅=敦賀駅間 | 125.1km(2024年3月16日開業予定) |
敦賀駅=新大阪駅間 |
|
北陸新幹線4タイプの列車・停車駅(東京~金沢)
運転本数・停車駅パターン
- 東京から敦賀へ直通する「かがやき」「はくたか」は計14往復
- (かがやき(東京~敦賀間直通列車) 9 往復)
- (はくたか(東京~敦賀間直通列車) 5 往復)
- 敦賀駅で、特急「サンダーバード」や「しらさぎ」と接続する「つるぎ」25往復
- (つるぎ (富山~敦賀間運転列車) 18 往復)
- (つるぎ(金沢~敦賀間運転列車) 7 往復)
金沢~敦賀間の駅名
出典 JR西日本
駅名 | 在来線接続 | 実キロ(金沢駅から) | 所要時間(開通後) | 所要時間(現行) |
(金沢駅) | 〇 | 0.0km | 0分 | 0分 |
小松駅 | 〇 | 27.1km | 17分 | |
加賀温泉駅 | 〇 | 41.6km | 25分 | |
芦原温泉駅 | 〇 | 57.9km | 36分 | |
福井駅 | 〇 | 75.9km | 21分 | 47分 |
越前たけふ駅
旧仮称「南越駅」 |
×(新幹線新幹線単独駅) | 94.9km | ||
敦賀駅 | 〇 | 125.1km | 46分 | 1時間16分 |
金沢ー敦賀
2024年3月16日に金沢ー敦賀間(約125km)が開通すると、金沢ー敦賀間の現行の所要時間1時間16分が46分(30分短縮)になる。
新大阪ー長野
新大阪ー長野間は、現在の東海道新幹線+中央線経由の3時間52分から北陸新幹線経由で3時間7分(45分短縮)となる。
在来線特急は敦賀止まり
2024年3月16日の北陸新幹線の敦賀延伸にともない、関西、中京から北陸へ向かう特急「サンダーバード」「しらさぎ」は敦賀駅止まりになる。
金沢駅(石川県)―敦賀駅(福井県)間は、JRから分離し、地元自治体が出資する第3セクターが運営する見通し。
2046年 新大阪延伸
2046年には敦賀駅ー新大阪駅(約140km・現在は133km)が開通する予定で、新大阪駅ー金沢駅の所要時間は1時間21分(2024年3月時点 大阪=金沢2時間9分/現在2時間31分)に短縮される見通し。
駅名 | 完成予想図 |
小松駅 | |
加賀温泉駅 | |
芦原温泉駅 | |
福井駅 | |
越前たけふ駅
旧仮称「南越駅」 |
|
敦賀駅 |
|
「敦賀~新大阪」は2046年開業予定
出典 小浜市
北陸新幹線の「新大阪~敦賀」区間は、2031年着工、2046年開業予定だが、前倒しの動きもある。
最も早期に開業する場合、環境アセスメント2年+建設工期10年となる。
この場合、2025年に環境アセスメントを開始すると、2027年に着工でき、2037年に開業できる可能性がある。
一部には2031年開業という情報もあるが、工期から考えてかなり難しい。
2023年春の着工断念
「京都府南丹市美山町」と「京都府右京区(京北地区)」の2か所の環境アセスメントが1年8か月遅れており、2023年春の着工は断念された。
出典 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、北陸新幹線(敦賀~新大阪間)の線路や駅を建設する可能性がある範囲を示す「事業実施想定区域」を公表した。
しかし、線路の建設予定地は、幅4km~11kmの帯で表示され、駅の位置も直径5km~12kmの円で表示されている。
- 駅は、「敦賀駅」から順番に、「小浜駅」「京都駅」「JR松井山手駅」付近に建設され「JR新大阪駅」に接続する。
- 京都駅周辺及び新大阪駅周辺は市街地のため大深度地下(地下40m以深)を利用すると見られる。
- 最小曲線半径4,000m、最急勾配15‰(パーミル 距離1,000mで高さ15m)
出典 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
2046年北陸新幹線「新大阪延伸」時の予想
開業区間
開業日 | 区間 | 距離 | 所要時間(開業後) | 所要時間(2023年現在) |
2024年3月16日 | 金沢駅~敦賀駅 | 125.1km | 46分 | 1時間16分 |
2046年 | 敦賀駅~新大阪駅 | 約140km | 35分 | 1時間17分 |
北陸新幹線の「金沢~敦賀」区間は、当初の2023年春開業から2024年3月16日に延期された。
その原因は、石川県境の加賀トンネル(延長5.5km)の工事の遅れ、上下乗り換えの敦賀駅など福井県内3カ所で工事の遅れとされる。
また、建設費は、当初1兆4000億円の見積もりだったが、さらに2,800億円の増額が必要との試算もある。
北陸新幹線開業の所要時間(時短効果)
区間 | 2023年現在 | 2024年3月敦賀開業時 | 2046年全線開業時 |
新大阪~富山 | 3時間4分 | 2時間21分 | 1時間39分 |
新大阪~金沢 | 2時間31分 | 2時間3分 | 1時間21分 |
新大阪~福井 | 1時間47分 | 1時間42分 | 1時間 |
新大阪~敦賀 | 1時間17分 | 1時間17分 | 35分 |
新大阪~長野 | 3時間52分(名古屋駅から中央線経由) | 3時間7分(北陸新幹線経由) | 2時間25分(北陸新幹線経由) |
新大阪~東京(北陸新幹線経由) | 約5時間 | 4時間27分 | 3時間45分 |
2024年3月16日敦賀開業時、新大阪~長野は、現在の3時間52分(名古屋駅から中央線経由)から3時間7分(北陸新幹線経由)に短縮される。
また、新大阪~東京(北陸新幹線経由)は4時間27分で、東海道新幹線の2時間30分より時間がかかるが、緊急時の迂回経路としては十分使えると思う。
東京発
区間 | 2023年現在 | 2024年3月敦賀開業時 | 2046年全線開業時 |
東京~金沢 | 2時間25分 | 2時間25分 | 2時間25分 |
東京~福井 | 3時間17分
(米原経由) |
2時間53分
(北陸新幹線) |
2時間53分
(北陸新幹線) |
東京~敦賀 | 2時間41分
(米原経由) |
3時間17分
(北陸新幹線) |
3時間17分
(北陸新幹線) |
東京~新大阪(北陸新幹線経由) | 約5時間 | 4時間27分 | 3時間45分 |