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関空と神戸空港の「飛行経路の見直し」2025年3月30日から運用開始「関西3空港懇談会」承認 2025年神戸空港発着枠1日120回に拡大、2030年関空年間30万回

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神戸空港(筆者スマホ撮影)

2024年7月15日、関西3空港懇談会が大阪市内で開催された。

2025年大阪・関西万博を見据えて関西空港と神戸空港の発着枠を増やすための新たな飛行ルート案を承認した。

今後、国の承認を経て2025年3月30日から運用開始される予定。

関西国際空港については、1時間の発着枠45回を60回に拡大し、2030年代前半を目途に年間発着回数を現在の23万回から30万回とする。

神戸空港については、1日の発着枠80回を120回に拡大し、2025年春から国際チャーター便の就航を認める。さらに、2030年前後を目安に1日40回を増枠(合計1日160回)し、それを国際定期便の就航に利用する。

 

4層構造で運用

風向きなどの状況によっては、一番高い上空から

  • 伊丹空港の出発機
  • 関空の出発機
  • 関空の到着機
  • 神戸の離着陸機

と「4層構造」で運用される。

ただし、淡路島上空では、現在の飛行高度よりも900m低い高度1500mとなるため、運用時間を午前6時30分から午後11時までに制限することで合意した。

 

コメント

神戸空港の発着枠は、現在の約2.9万回から2030年頃5.8万回に倍増する。

関空の発着枠は、現在の23万回から2030年頃に30万回とする。

神戸空港は2.9万回増加、関空は7万回増加で、関空の増加数の方が多い。

思うに、関空の発着枠を年間30万回にするには、兵庫県淡路島上空の飛行経路を変更する必要があり、そのために兵庫県の同意が必要になった。

そこで、神戸空港の発着枠も同時に増加させることで兵庫県の同意をとりつけたのだと思う。

 

関西3空港の年間発着回数
(当ブログまとめ)
空港名 2024年 2025年 2030年
関西空港 230,000回 240,000回 300,000回(2030年代前半)
伊丹空港 135,000回 135,000回 135,000回
神戸空港 29,200万回 43,800回 58,400回
3空港合計 394,200回 418,800回 493,400回
羽田空港 49万回 49万回 49万回
成田空港 30万回 30万回 50万回(2029年3月)

関西空港

関西国際空港については、2030年代前半を目途に年間発着回数を現在の23万回から30万回とする。

また、2025年大阪・関西万博に向けた万全の体制の整備のため、1時間あたりの処理能力を現在の45回から60回に引き上る。

関空の滑走路の運用を変更

現在、関空では陸側のA滑走路(3,500m)を出発、海側のB滑走路(4,000m)を到着用に利用している。

2025年3月末以降は、陸側のA滑走路(3,500m)を到着、海側のB滑走路(4,000m)を出発用に変更する。

 

神戸空港

神戸空港については、2025年度に国内線の1日の最大発着回数を現在の80回から120回に拡大し国際チャーター便を就航させる。

当ブログの予想では、2025年度から就航する「国際チャーター便」は、1日の発着枠120回に計算されないと思われる。1日数便程度と予想される。

さらに、2030年頃に1日の最大発着回数40回を限度に国際線を就航させ、1日の最大発着回数を160回とする。

 

関西空港の処理能力の推移

(当ブログまとめで100%の正確性はありません。)

ターミナル 年間処理能力 年間処理能力(2026年)
第1ターミナル 2,500万人(開港時) 4,415万人
(国際線1,200万人) (国際線3,715万人)
(国内線1,300万人) (国内線700万人~最大1,300万人・共用を含む)
第2ターミナル 835万人(2012年開業・2017年増築後) 835万人
(国際線285万人) (国際線285万人)
(国内線550万人) (国内線550万人)
合計(T1+T2) 3,335万人 5,250万人
(国際線1,485万人) (国際線4,000万人)
(国内線1,850万人) (国内線1,250万人~最大1,850万人・共用を含む)

 

関西空港の利用者見通し
国際線(T1+T2) 国内線(T1+T2) 合計
2023年度実績 1,906万人 683万人 2,588万人
2025年度予測 3,031万人 702万人 3,733万人
2030年度予測 最大4,000万人

(T1:3,715万人)

(T2:285万人)

最大1,000万人 3,889万人~

4,966万人

関西空港では、2025年度の国際線利用者(3,031万人)と国内線(702万人)の合計で3,733万人を見込んでいる。

2030年度には、国際線利用者4,000万人(T1:3,715万人/T2:285万人)と国内線1,000万人の合計約5,000万人を目標としている。

 

2023年度(令和5年度) 日本国内空港利用者数ランキング(国内線・国際線合計)

東京航空局、大阪航空局発表の2023年4月~2024年3月空港利用者数速報を、当ブログでまとめたもので100%の正確性はありません。

日本の空港利用者数2023年度

順位 空港名 合計(万人) 国内線(万人) 国際線(万人)
1位 羽田空港 8,086万人 6,176万人 1,910万人
2位 成田空港 3,381万人 781万人 2,600万人
3位 関西空港 2,580万人 683万人 1,898万人
4位 福岡空港 2,494万人 1,787万人 707万人
5位 新千歳空港 2,293万人 2,003万人 290万人
6位 那覇空港 1,949万人 1,746万人 203万人
7位 大阪空港(伊丹) 1,479万人 1,479万人 0万人
8位 中部空港 917万人 596万人 321万人
9位 鹿児島空港 555万人 547万人 7万人
10位 神戸空港 344万人 344万人 0万人

 

基本的な方針

関空発着機は、騒音対策のため高度を上げるため大阪湾を大きく周回しているが、見直し案では周回半径を小さくし淡路島の上空を飛行する経路を増加させる。

神戸空港発着機は、明石海峡上空ルートしかないが、新に淡路島上空ルートを設定し、「対面通行」を解消する。

 

飛行経路の見直し効果

神戸空港の発着回数は飛行経路の見直しにより1日80回から、2025年には1日120回、2030年には1日160回に増加する。

年間では現状の29,200回から43,800回(2025年)、58,400回(2030年)へと最終的に約2.9万回の増加となる。

一方、関西空港の発着回数は飛行経路の見直しにより年間23万回から30万回に7万回増加する。

つまり、今回の飛行経路の見直しは、関空の方がメリットが大きい。

 

 

神戸空港の飛行経路(西風)

現在の飛行経路(西風)

↓↓

飛行経路の見直し案(西風)

 

関空の飛行経路(北風出発)

現在の飛行経路(北風出発)

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飛行経路の見直し案(北風出発)

 

資料(その他の飛行経路)

現在の飛行経路(東風)

↓↓

飛行経路の見直し案(東風)

 

現在の飛行経路(南風出発)

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飛行経路の見直し案(南風出発)

 

現在の飛行経路(北風到着)

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飛行経路の見直し案(北風到着)

 

現在の飛行経路(南風到着)

↓↓

 

飛行経路の見直し案(南風到着)

 

 

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