神戸空港(筆者撮影)
神戸市は2024年2月14日、神戸市の人口が2063年に100万人を切るという推計を発表した。
神戸市の人口は2023年10月に150万人を割り込み、毎年1万人ぺースで減少している。
毎年1万人ペースで減少しても40年後の2063年には110万人となるが、神戸市の推計では神戸市の人口減少のペースが毎年1万人よりも多くなると見ているようだ。
神戸空港の国際化
神戸空港は2025年に国際チャーター便就航、2030年に国際定期便が就航する。
日本人の出国者数は2019年で約2,000万人、出国率は約16%。
神戸市の人口150万人とすると、出国者は24万人、国際線利用回数は往復で48万回となる。
もし、神戸市の人口が100万人になると、出国者は16万人、国際線利用回数は往復32万回となる。
関西3空港の2023年1月~12月の利用者数
空港 | 利用者数(2023年1月~12月) |
---|---|
3空港合計 | 4,153万人(国際線1,641万人・国内線2,512万人) |
関西空港 | 2,334万人(国際線1,641万人・国内線693万人) |
伊丹空港 | 1,475万人(国内線のみ) |
神戸空港 | 343万人(国内線のみ) |
2023年の実績で、関西空港の国際線利用者数は1,641万人だった。
これは神戸市の推定国際線需要48万人の34倍に相当する。
大阪観光局が2024年1月23日公表した2023年に大阪府を訪れたインバウンド(訪日外国人)客の消費総額は過去最高となる9,210億円だった。
これは関西空港の経済効果である。
神戸空港に国際線が就航しても、神戸市の需要は関西空港の実績の34分の1の48万人しかない。
したがって、神戸市以外の周辺地域から集客しなければならならない。
神戸空港はインバウンド客に人気がないため、韓国と台湾線しか就航の見込みが立っていない。
不人気な神戸空港に就航してもらうために、相手国に数億円の支援金支給も検討したくらいだ。
したがって、不人気な神戸空港に国際線客を誘致するために、税金を投入する懸念がある。
これでは、税金を投入して客単価の低い客を誘致し、神戸空港の利用者数を水増しするだけで、関西経済にとっては不健全な競争状態となる。
関西経済を発展させるためには、安易な税金投入ではなく、高級ホテルなど高単価のインバウンド客を誘致しなければならない。
例えば、神戸空港の駐車場は24時間無料という安値で徳島からも利用者を集客している。
交通量が増加するだけで、神戸市は素通りされて経済効果がない。
神戸市は、単に人数だけを増やすのではなく、実際に経済効果がある施策をしないと人口減少は食い止められない。