新型コロナウイルス感染症により日本経済全体はマイナス成長となっている。しかし、テレワークなどのデジタル化、空気清浄機などのコロナ対策製品、巣ごもり需要を取り込んだ企業の業績は好調だ。
企業名 | 本社 | 業績 |
ソニー | 東京 | 純利益1兆円 |
トヨタ | 愛知 | 自動車生産台数世界1位 |
パナソニック | 大阪 | 業績上方修正 |
ワールド | 神戸 | 450店舗閉店、7ブランド廃止、希望退職募集 |
神戸経済衰退の原因
神戸港
そもそも、神戸が発展したのは1868年に江戸幕府が神戸港を開港したことに始まる。その後、明治政府も神戸港の発展を国策とした。
つまり、神戸の発展は神戸人が成し遂げたのではなく、江戸幕府や明治政府のおかげである。
高度経済成長
戦後の高度経済成長期、大阪経済圏が拡大しており大阪市内ではオフィスや住宅が不足していた。その結果、神戸にオフィスや住宅が建設されたに過ぎない。
近年の神戸の衰退
1990年代半ばから大阪経済は縮小に転じ、大阪市内・府内の工場が閉鎖されるようになった。その跡地にタワーマンションなどが建設され、大阪市の郊外から大阪市内に引っ越す人が増加した。
これにより、大阪経済圏の西の端にある神戸は衰退するようになった。
税金を投入して企業誘致した結果
久元神戸市長は「人口減少の中で、ほかの都市を出し抜くとか、奪い合いをする発想で都市経営はすべきでない」と言う。https://www.city.kobe.lg.jp/a57337/shise/shichoshitsu/teireikaiken/h31/310711.html
しかし、企業誘致については税金を投入、条例まで改正している。
https://kansai-sanpo.com/kobe-pg/
1990年代以降、神戸の都市開発は税金で「ハコモノ」ものを建設して失敗し、その穴埋めにまた税金を投入することが多くなっている。
例えば「JR新長田駅南地区」再開発事業では2,279億円の税金が投入されたが、商業床は空室だらけで、326億円の赤字となっている。
神戸空港の建設費は3,140億円とされるがこれは本体工事だけだ。ポートライナー延伸、神戸空港連絡橋(スカイブリッジ)の建設費は含まれていない。当ブログの試算では、周辺工事を含めれば7,000億円~8,000億円と思われる。
神戸空港の着料収入は6億円で「実態は14億円の赤字を、一般会計からの繰入金や県の補助金、新都市整備事業会計からの借入金など多額の財政支援でカバーしている。」
引用 兵庫県保険医協会 http://www.hhk.jp/hyogo-hokeni-shinbun/backnumber/2012/0315/070100.php
このように神戸市はハコモノを建設して実質赤字となっても税金を投入して、表面上、経営が順調なように見せているだけだ。
その結果、国民健康保険料など市民の負担が大きくなり、離接する明石市に人口が流出している。
クリエイティブラボ神戸
出典 神戸市
2020年10月、神戸医療産業都市の「クリエイティブラボ神戸」が開業した。
「6階建てで最大100社超が入居できる」「低価格の賃料が売り」
引用 日経新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64885970S0A011C2LKA000/
「ゲノム編集など生命科学分野の新興企業や大手メーカーなど8社・団体が入居する」
「賃料・利用料の半額を補助する」
引用 神戸新聞 https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/202010/0013766815.shtml
公開されている情報からまとめると、
- 最大100社超が入居できるが、開業時は8社・団体が入居する。
- 補助金を投入して建設し賃料は低価格となっているが、さらに別の補助金で賃料の半額を補助する。
https://kansai-sanpo.com/kobe-clik05/
神戸が発展したのは江戸幕府、明治政府、大阪経済のおかげであって、神戸人だけで神戸を発展させたのではない。
今の神戸の衰退は、大阪経済が縮小した結果であって、これが本来の神戸経済の実力なのだ。