ウォーターフロントの将来イメージ(2040年頃)
2025年4月22日、神戸市の久元喜造市長は、神戸市のウォーターフロントエリアの再開発(204年頃)に関するグランドデザインを発表した。
その中で、次世代路面電車「LRT」の導入を検討するとしている。
出典 神戸市
次世代型路面電車(LRT)
三宮からウォーターフロントを通り、ハーバーランド周辺までを走る次世代型路面電車(LRT)の導入も検討する。

名称 | 次世代型路面電車(LRT) |
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区間 | 三宮=ウォーターフロント=ハーバーランド |
路線 | 約4km(当ブログ予想) |
建設費 | 280億円(当ブログ予想) |
年間運賃収入 | 15億円(当ブログ予想) |
年間利用者数 | 600万人(当ブログ予想) |
1日の利用者数 | 1万6000人(当ブログ予想) |
開業 | 2040年以降(当ブログ予想) |
出典 神戸市
ルート
次世代型路面電車(LRT)は、現在運行している連節バス「ポートループ」とほぼ同じと予想され、路線長は約4km。
建設費
次世代型路面電車(LRT)の建設費は従来1km当たり50億円とされてきたが、建設費の高騰により1km当たり70億円で試算。4km×70億円=280億円。
収益目標
一般的に40年で黒字化を目標をするので、年間600万人×運賃250円=15億円と予想。
年間利用者
次世代型路面電車(LRT)を40年で黒字化するためには年間600万人の利用者が必要となる。
現時点で、メリケンパーク100万人、ジーライオンアリーナ神戸100万人の合計200万人の観光客が見込まれる。
そのうち50%(100万人)が次世代型路面電車(LRT)を利用すると往復で年間200万人の利用にとどまる。
次世代型路面電車(LRT)を建設するには、ルート周辺に住宅・ホテル・商業施設など1,000億円以上投資する必要があると思う。
まとめ
当ブログの分析では、現状で次世代型路面電車(LRT)を建設しても利用者が年間200万人にとどまり、毎年10億円程度の赤字になると予想される。
常識的に考えて、次世代型路面電車(LRT)の建設は不可能。
また、周辺に住宅・ホテル・商業施設など1,000億円以上投資することも現実的ではない。
したがって、現在のポートループ(連節バス)を増便したり、停留所を屋根付きにするなど使い勝手をよくして、年間利用者数600万人が見込めるように改善するしかないと思う。
3つのエリアに分けて開発する
神戸ポートターミナルからハーバーランドまでの東西約1・6キロの範囲を、中突堤周辺、京橋、新港突堤西の三つにわけて整備する。
- 中突堤周辺:メリケンパークとハーバーランドを結ぶ約200メートルの海上デッキを整備
- 京橋:現在の船溜まりを埋め立てて賑わい施設を誘致、「神戸海軍操練所」の遺構を活用した施設を設置
- 新港突堤西:ジーライオンアリーナ2025年4月開業・次期再開発(宿泊・商業施設の誘致)

- 開放的でウォーカブルな空間整備
- 中突堤中央ビル再整備
- かもめりあ周辺再整備

- 船溜まり(約3ha)の埋⽴
- 賑わい施設の誘致、緑地整備
- 旧居留地との連携・回遊性向上

- マリーナ誘致・周辺整備
- 次期再開発(宿泊・商業施設の誘致)
- 海のエントランス機能の強化
出典 神戸市
出典 神戸市
2022年1月12日付の産経新聞によると
「若い世代の流出が続き、関西の中で埋没もささやかれる神戸」(中略)「次世代型路面電車LRT導入案もある。まだ構想にもなっていない段階だが、三宮~ウオーターフロント~JR神戸駅と結ぶ路線を敷設する可能性について、専門家や有識者らが定期的に座談会形式で検討している。」
引用 産経新聞 https://www.sankei.com/article/20220112-RVOFEYGJYROTDAMJLNTXRVPYDE/
次世代路面電車「ライトライン」出典 宇都宮市
LRT(次世代型路面電車システム:Light Rail Transit)は、低床式車両(LRV)やバリアフリー化された電停を採用し、高齢者やベビーカー・車いすの方、荷物が多い方でもスムーズに乗降できるなどのメリットがある。2023年春に栃木県宇都宮市にLRTが開業する予定。
- 路線名称「芳賀・宇都宮LRT」
- 車両愛称「ライトライン」
- 路線長 14.6km
- 整備費 684億円(1km当たり約47億円)
- 最急曲線半径 25m
- 駅数 19駅(平均駅間距離約800m)
- 開業予定 2023年春
神戸市は2021年12月7日「LRTが走る未来のKOBEを考える座談会(第二回目)」を開催した。
https://www.city.kobe.lg.jp/a69268/lrt_zadankai.html
出典 神戸市
神戸市の資料を読むと、神戸市が2021年4月に運行開始した「大型連節バス(ポートループ)」の路線に次世代路面電車LRTを導入しようとしているのではないか?
そもそも、三宮~ウオーターフロント間のアクセスの利便性だけを考えれば、1台1億円の大型連節バス(ポートループ)ではなく、既存の「神戸市営バス(定員約50人)で多頻度運行した方がコストも安いし利便性も高い。
敢えて、大型連節バス(ポートループ)を導入したのは、次世代路面電車LRT導入のために「実証実験」の意味合いもあったのではないか?
2023年春に栃木県宇都宮市に開業する「芳賀・宇都宮LRT」の建設費は1km当たり約50億円かかる。
三宮~ウオーターフロント間はルートにもよるが約4kmと予想されるので建設費は200億円程度かもしれない。
神戸市営地下鉄「海岸線」とルートが重複する面もあるが、地下鉄「海岸線」は長田の利便性向上が目的で、神戸市が導入を検討してる「LRT]はウオーターフロントのアクセス改善が目的だと思う。
2021年3月撮影(新港町)
ポートループ概要
- 運行開始 2021年4月1日
- 連節バス:全長18m 定員112名
- 価格1車両1億円
- 料金は210円/1回(1日乗車券500円)
- 三宮駅前からハーバーランドの所要時間は11分
- ハーバーランドから三宮駅前の所要時間は29分
- 50分/周
- ハイブリッド・低床バス・フリーWi-Fi
- 神姫バスが運行を担当する
出典 神戸市
出典 神戸市(デザインは以前のもの)
2021年3月撮影(新港町)