コラム 小説 ニュース 話題 交通 神戸/兵庫

【2019年7月】阪急電車と神戸市営地下鉄の相互直通運転は「実現不可能」か?

2019/08/05

神戸市役所

久元神戸市長は2017年10月22日の神戸市長選挙の公約として「阪急と地下鉄の相互乗り入れ」に言及した。

その後、2017年度(2018年3月まで)にルートや事業費などを含む複数案をまとめる予定だったが、2018年12月の久元神戸市長の記者会見から、実現可能性はかなり低くなったと思われる。

 

久元神戸市長記者会見(2018年12月27日)

西神・山手線との相互直通運転については、(中略)事務的に検討を進めてきています。ただ、これは事業費が非常に多額に上るということで、また、技術的に非常に難しい問題なので、まだ実務的な検討にとどまっております。

果たしてこれができるのかできないかも含めて、まだ検討中というふうにご理解いただければと思います。

引用 神戸市http://www.city.kobe.lg.jp/information/mayor/teireikaiken/h30/301227.html

 

事業費の問題

相互直通運転には1,000億円の費用がかかると予想されており、実現の可能性はかなり低い。

しかし、久元神戸市長が、選挙公約で「相互直通運転を検討」すると言った時、すでに事業費1,000億円と分かっていたはずで、急に、多額の事業費を理由に実現できないとするのは不可解だ。

 

「相互直通運転」の接続ルート

神戸市と阪急電鉄は2014年度から実務者レベルの勉強会を実施し、約5つのルート案が検討されてきたが、大まかに言って3つのルートに集約できる。

接続駅 主なルート案
三宮駅接続 阪急神戸線の王子公園駅から阪急三宮駅間(約3.1km)を地下化し、三宮から神戸市営地下鉄山手線に乗り入れる(2014年に公表された案)
新神戸駅接続 阪急王子公園駅から新神戸で神戸市営地下鉄に乗り入れる
長田駅、板宿駅接続 長田駅、板宿駅で神戸市営地下鉄に乗り入れる

 

三宮駅接続案

阪急神戸線の王子公園駅から阪急三宮駅間(約3.1km)を地下化し、三宮から神戸市営地下鉄山手線に乗り入れる案で一番有力と考えられてきた。

しかし、阪急は10分間に特急1本と普通1本を運行しているので、新神戸行電車も10分に1本になる可能性がある。

現在、新神戸行地下鉄は6分に1本運行しており、これが10分に1本となると利用者にとって不便となる。

しかし、新神戸行を10分に2本運行すると、阪急の特急1本、普通1本の合計で10分間に4本を運行することになり、ダイヤ的に難しくなる。

したがって、阪急の普通電車は、JR三宮駅北側の地下にホームを新設して折り返し運転するしかない。

 

新神戸接続案

三宮で接続すると、新神戸駅行の本数が「6分に1本」から「10分に1本」と少なくなる可能性があり、それを解決するために「新神戸接続案」が考えられたと思われる。

しかし、新神戸駅通過後の北側のトンネルの中で分岐し、阪急王子公園駅に接続するのは難工事になる可能性もあり、実現は不可能と思われる。

また、現在の地下鉄新神戸駅を南に300m移動させて、JR新神戸駅より南で分岐することも考えられるが、地下鉄新神戸駅からJR新神戸駅までの距離が長くなるので、これも実現不可能と思われる。

 

長田駅、板宿駅接続案

長田駅(板宿駅)で接続する場合は、現行通り阪急の普通電車は新開地から折り返して運行できる。

その結果、地下鉄山手線は、「6分に1本の新神戸行電車」と「10分に1本の阪急接続特急」を運行すればいい。

列車の運行ダイヤ的には一番可能性が高い。

しかし、この案では、現在の「阪急神戸三宮駅」が残ることになり、跡地を再開発できない。したがって、阪急にとっては受け入れられない。

 

阪急の相互運転の目的

阪急電鉄は、不動産開発と鉄道運行を両輪として経営してきた。しかし、阪急が神戸市西神地区で大規模な不動産開発をしているという情報はない。

したがって、阪急にとって、地下鉄山手線と接続するのは、沿線の不動産開発が目的ではないと思われる。

また、神戸市西区は人口が減少しており、「相互直通運転」しても、鉄道利用者が劇的に増加するとは思えない。実際、三宮駅でJR線新快速に乗り換えた方が速い場合もある。

しかし、相互運転すれば、現在の神戸三宮駅のホームや線路が不要になり再開発ビルを建設できる。

つまり、阪急にとっての「相互運転」の目的は、三宮に大規模再開発ビルを建設することではないか?

そうなると、現在の神戸三宮駅を使用する「長田駅、板宿駅接続案」は飲めない案だ。

 

神戸市「北神急行」買収の影響

2019年3月、神戸市は、阪急電鉄から「北神急行」を198億円で買収すると発表した。神戸市と阪急電車の関係が深まり、神戸地下鉄と阪急神戸線の相互運転が前進するとの見方もある。

しかし、逆に、相互運転の可能性は低くなったと思われる。

それは、神戸市の予算を198億円使うことになり、「相互運転」の事業費を神戸市が負担できなくなる可能性があるからだ。

 

建設費負担割合(予想)

過去の実例から建設費の負担割合を当ブログで予想してみた。

250億円
神戸市 250億円
兵庫県 250億円
阪急電鉄 125億円
神戸市営地下鉄 125億円
合計 1,000億円

神戸市は自治体でもあり、神戸市営地下鉄という鉄道事業者でもあるので、合計375億円を負担すると予想される。

北神急行で198億円の予算を使った上で、さらに375億円の費用を負担するのはかなり困難だとなる可能性がある。

 

神戸阪急再開発ビル(予想)

阪急三宮駅は、3線+島式2ホームあり、幅は目視で20m、また10両編成対応なのでホーム長は200mある。

したがって、駅跡地の再開発面積は20m × 200m=4,000平米となる。

現在建設中の「神戸阪急ビル東館」の敷地も合わせると5,000平米くらいになって、容積率2,000%まで緩和されれば、延床面積100,000平米という巨大ビルが建設されていたかもしれない。

関連コンテンツ



-コラム 小説, ニュース 話題, 交通, 神戸/兵庫

error: Content is protected !!