
英国の調査機関Economist Intelligence Unit(EIU)が発表した「Global Liveability Index 2026(世界で最も住みやすい都市ランキング2026)」で、大阪が世界7位、東京が10位にランクインしました。
世界173都市を対象に、治安や医療、教育、インフラ、文化・環境などの項目を総合的に評価したもので、日本の2都市がトップ10入りを果たしたことは、日本の都市の生活環境の高さを改めて示す結果となりました。
1位には、デンマークの首都コペンハーゲンが2年連続で選ばれました。
大阪は2025年版に続いて2026年版でも世界7位を維持し、アジア最高位をキープしました。
一方、東京は2025年版の14位から順位を4つ上げ、10位にランクインしています。
このランキングは、安定性(治安)、医療、教育、インフラ、文化・環境の5つの分野を総合的に評価し、世界173都市を順位付けしたものです。今回の結果は、日本の都市が安全性や公共サービス、交通インフラなどの面で世界トップクラスの評価を受けていることを示しています。
| 順位 | 都市 | 国/地域 |
|---|---|---|
| 1位 | コペンハーゲン | デンマーク |
| 2位 | ウィーン | オーストリア |
| 3位 | メルボルン | オーストラリア |
| 4位 | シドニー | オーストラリア |
| 5位 | チューリヒ | スイス |
| 6位 | ジュネーブ | スイス |
| 7位 | 大阪 | 日本 |
| 8位 | アデレード | オーストラリア |
| 9位 | バンクーバー | カナダ |
| 10位 | 東京 | 日本 |
(評価対象:173都市・100点満点)
| 順位 | 都市 | 国 | 総合評価 | 安定性 | 医療 | 文化・環境 | 教育 | インフラ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | コペンハーゲン | デンマーク | 98 | 100 | 96 | 95 | 100 | 100 |
| 2 | ウィーン | オーストリア | 97 | 95 | 100 | 94 | 100 | 100 |
| 3 | メルボルン | オーストラリア | 97 | 95 | 100 | 96 | 100 | 96 |
| 4 | シドニー | オーストラリア | 97 | 95 | 100 | 94 | 100 | 96 |
| 5 | チューリッヒ | スイス | 96 | 95 | 100 | 94 | 100 | 96 |
| 6 | ジュネーブ | スイス | 96 | 95 | 100 | 92 | 100 | 96 |
| 7 | 大阪 | 日本 | 96 | 100 | 100 | 87 | 100 | 96 |
| 8 | アデレード | オーストラリア | 96 | 95 | 100 | 91 | 100 | 96 |
| 9 | バンクーバー | カナダ | 96 | 95 | 96 | 97 | 100 | 93 |
| 10 | 東京 | 日本 | 96 | 100 | 100 | 89 | 100 | 93 |
出典: EIU(Economist Intelligence Unit)「Global Liveability Index 2026」

5つの評価要素
「世界の住みやすい都市ランキング」は、世界の173都市を以下の5つの要素で評価したもの。
| 要素 | 配分 (%) | 説明 |
|---|---|---|
| 安定性・治安(Stability) | 25% | 犯罪発生率や軍事紛争の恐れなど |
| 保健医療(Healthcare) | 20% | 医療の質やアクセスの良さ |
| 文化・環境(Culture and environment) | 25% | 文化的な魅力や自然環境の整備 |
| 教育(Education) | 10% | 教育機関の質や教育の充実度 |
| インフラ(Infrastructure) | 20% | 交通の利便性や都市の設備整備 |
大阪は総合スコア96点で世界7位となりました。
特に、
- 安定性:100点
- 医療:100点
- 教育:100点
と3項目で満点を獲得しました。
一方、「文化・環境」は87点と上位都市の中ではやや低く(東京は89点)、世界トップクラスの都市と比べると、文化施設や娯楽、自然環境などに改善の余地があることが分かります。
それでも、公共交通機関を含むインフラは96点と非常に高く、世界有数の住みやすい都市として評価されています。
文化とは、大阪城をはじめとする歴史的建造物や文化財の保存・修復に加え、美術館や博物館、劇場などの文化施設の充実、さらには国際映画祭やアートフェスティバルなどの文化イベントの開催状況を評価する項目であると考えられます。
一方、環境とは、公園や緑地の整備、良好な都市景観の維持、CO₂排出量の削減に向けた取り組み、電動バスや地下鉄をはじめとする環境負荷の少ない公共交通機関の充実など、持続可能で快適な都市づくりに関する取り組みを評価する項目であると考えられます。
東京も総合96点で世界10位にランクインしました。
大阪と同様に、
- 安定性:100点
- 医療:100点
- 教育:100点
を獲得しています。
文化・環境は89点と大阪を上回りましたが、インフラは93点となり、大阪よりやや低い評価でした。
日本の都市が高評価を受ける最大の理由は、安全性と生活インフラの充実です。
鉄道や地下鉄など公共交通機関の正確さ、世界トップレベルの医療体制、高い教育水準に加え、犯罪発生率の低さなどが総合評価を押し上げています。
特に大阪は、大阪・関西万博や再開発が進むうめきた2期(グラングリーン大阪)、2031年開業予定のなにわ筋線、2030年秋開業予定の**大阪IR(統合型リゾート)**など、大規模プロジェクトが相次いでいます。
今後は都市機能や国際競争力がさらに向上する可能性があり、世界から人材や企業を引き付ける都市として期待されています。
一方で課題も
大阪・東京ともに「文化・環境」の評価は欧州やオーストラリアの都市より低くなっています。
都市公園や緑地の充実、文化・芸術施設へのアクセス、環境政策などは、今後さらに改善が期待される分野です。
人口減少社会においては、「働きやすさ」だけでなく、「暮らしやすさ」や「魅力ある都市空間」をどのように整備していくかが重要になりそうです。
まとめ
EIUの「世界で最も住みやすい都市ランキング2026」では、大阪が世界7位、東京が10位となり、日本の都市の高い生活水準が国際的にも評価されました。
特に治安、医療、教育の3分野で満点を獲得したことは、日本の都市の大きな強みと言えるでしょう。
大阪では今後も再開発や交通インフラ整備が続き、国際都市としてさらなる発展が期待されます。住みやすさと都市の魅力を両立できれば、世界ランキングでさらなる上位進出も十分に可能ではないでしょうか。

グラングリーン大阪
大阪は2026年版でも世界7位となり、2年連続でアジア最高位を維持しました。しかし、今後も都市開発や文化・環境施策が進めば、さらに順位を上げる可能性があります。
その象徴となるのが、JR大阪駅北側で進む「グラングリーン大阪」です。2024年9月に先行まちびらきを迎え、2027年度には全体が完成する予定です。約4.5haの都市公園を中心に、オフィスや商業施設、住宅、ホテルが一体となった世界水準の都市空間が誕生します。
また、2025年4月にはヒルトンの最上級ラグジュアリーホテルブランド「ウォルドーフ・アストリア大阪」が開業しました。世界の富裕層を受け入れる宿泊施設が充実することで、大阪の国際的なブランド力はさらに高まることが期待されます。
交通インフラも大きく進化しています。2023年3月にはJR大阪駅の地下ホームが開業し、関西空港への直通特急「はるか」が発着するようになりました。さらに2031年には「なにわ筋線」が開業し、JR大阪駅から関西空港まで最速38分で結ばれる予定です。空港アクセスの大幅な向上は、海外からの観光客やビジネス客にとって大きな魅力となるでしょう。
さらに、2029年には米ブーム・テクノロジーが開発する超音速旅客機「オーバーチュア(Overture)」の商用運航開始が予定されています。日本ではJALがブーム社に出資しており、将来的に関西国際空港へ就航する可能性もあります。実現すれば、現在約6~7時間かかる関西空港~シンガポール間は約3時間半に短縮される可能性があり、アジア主要都市との時間的距離は大きく縮まります。
このような交通革命が実現すれば、世界の富裕層やビジネスパーソンが大阪を訪れやすくなります。5つ星ホテルに滞在し、JR大阪駅周辺の百貨店や心斎橋のブランドショップで買い物を楽しみ、大阪を拠点に京都や奈良、神戸など関西各地を周遊する旅行スタイルが一般的になるかもしれません。
加えて、大阪・関西万博のレガシーや2030年開業予定の大阪・関西IR(統合型リゾート)によって、国際会議やエンターテインメント機能も大幅に強化されます。文化イベントの充実や都市ブランドの向上、環境に配慮したまちづくりが進めば、「文化・環境」分野の評価もさらに高まる可能性があります。
世界トップ10入りは決してゴールではありません。大阪は現在も大規模再開発が続いており、交通インフラ、都市景観、文化、観光のすべてが進化しています。これらの取り組みが着実に実を結べば、大阪が世界5位以内、さらには世界トップを争う「住みやすい都市」として評価される日も決して夢ではないでしょう。
| 順位 | 都市 | 国/地域 |
|---|---|---|
| 1位 | コペンハーゲン | デンマーク |
| 2位 | ウィーン | オーストリア |
| 2位 | チューリヒ | スイス |
| 4位 | メルボルン | オーストラリア |
| 5位 | ジュネーブ | スイス |
| 6位 | シドニー | オーストラリア |
| 7位 | 大阪 | 日本 |
| 7位 | オークランド | ニュージーランド |
| 9位 | アデレード | オーストラリア |
| 10位 | バンクーバー | カナダ |
| 11位 | ルクセンブルク | ルクセンブルク |
| 12位 | トロント | カナダ |
| 13位 | ヘルシンキ | フィンランド |
| 14位 | 東京 | 日本 |
| 15位 | パース | オーストラリア |
| 16位 | ブリスベン | オーストラリア |
| 17位 | フランクフルト | ドイツ |
| 18位 | カルガリー | カナダ |
| 19位 | アムステルダム | オランダ |
| 20位 | ウェリントン | ニュージーランド |
| 順位 | 都市(国名)前年順位 |
|---|---|
| 1位 | ウィーン(オーストリア)1位 |
| 2位 | コペンハーゲン(デンマーク)2位 |
| 3位 | チューリッヒ(スイス)6位 |
| 4位 | メルボルン(オーストラリア)4位 |
| 5位 | カルガリー(カナダ)7位 |
| 5位 | ジュネーブ(スイス)7位 |
| 7位 | バンクーバー(カナダ)5位 |
| 7位 | シドニー(オーストラリア)4位 |
| 9位 | 大阪(日本)10位 |
| 9位 | オークランド(ニュージーランド)10位 |
| 23位 | ホノルル(米国) |
| 29位 | アトランタ(米国) |
| 58位 | ロサンゼルス(米国) |
| 70位 | ニューヨーク(米国) |
CNN日本語 https://www.cnn.co.jp/travel/35220720.html
出典 英エコノミスト誌「エノコミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」
The Global Liveability Index 2024
https://www.eiu.com/n/campaigns/global-liveability-index-2024/
| 順位 | 都市(国名) |
|---|---|
| 1位 | ウィーン(オーストリア) |
| 2位 | コペンハーゲン(デンマーク) |
| 3位 | メルボルン(オーストラリア) |
| 4位 | シドニー(オーストラリア) |
| 5位 | バンクーバー(カナダ) |
| 6位 | チューリッヒ(スイス) |
| 7位 | ジュネーブ(スイス) |
| 7位 | カルガリー(カナダ) |
| 9位 | トロント(カナダ) |
| 10位 | 大阪(日本) |
| 10位 | オークランド(ニュージーランド) |
| 15位 | 東京(日本) |
| 順位 | 都市名 | 総合 | 治安 | 医療 | 教育 | 文化と環境 | インフラ |
| 1位 | ウィーン(オーストリア) | 99.1 | |||||
| 2位 | コペンハーゲン(デンマーク) | 98.0 | |||||
| 3位 | チューリッヒ(スイス) | 96.3 | |||||
| 4位 | カルガリー(カナダ) | 96.3 | |||||
| 5位 | バンクーバー(カナダ) | 96.1 | |||||
| 6位 | ジュネーブ(スイス) | 95.9 | |||||
| 7位 | フランクフルト(ドイツ) | 95.7 | |||||
| 8位 | トロント(カナダ) | 95.4 | |||||
| 9位 | アムステルダム(オランダ) | 95.3 | |||||
| 10位 | 大阪(日本) | 95.1 | 100 | 100 | 100 | 83.1 | |
| 10位 | メルボルン(オーストラリア) | 95.1 |
大阪は、治安、医療体制、教育で100ポイントを獲得したが、「文化と環境」は83.1ポイントでトップ10では最も低い結果となった。
新型コロナの感染予防のため、日本ではマスク着用が事実上続いており、このことが「文化と環境」のポイントが低い原因かもしれない。
