箕面市(大阪府)「コンパクトシティー」構想
コンパクトシティ構想とは、2014年の「都市再生特措法改正」により制度化されたもので、都市機能を集約し、居住地域以外の開発を制限するにより高齢化社会に対応する街づくりをするもの。
正式には、「箕面市立地適正化計画」で、2016年2月15日に全国で初めて策定した。
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具体的にはどうなるのか?
具体的には駅前を「都市機能誘導区域」とし容積率を拡大して商業施設、医療福祉施設、公共施設などを集約する。
また「居住誘導区域」を制定し、その居住区域外の開発を抑える。これにより、無計画に住宅地が拡大して、交通の不便な住宅地が増加することを防止する。
居住誘導区域
居住誘導区域は、「北部居住誘導区域」と「南部居住誘導区域」の2つに分かれる。
- 北部居住誘導区域 箕面森町(しんまち)
- 南部居住誘導区域 阪急箕面駅周辺、彩都駅周辺、かやの地区(北大阪急行延伸地区)を含む
出典 箕面市
「居住誘導区域」外はどうなるのか?
現在、居住誘導区域外に住んでいる場合、将来もそのまま居住でき、移住の必要はない。
ただし、居住誘導区域外で「3戸以上」または「1,000平米以上の1~2戸」の住宅開発をする場合は届け出が必要になる。
ただし、箕面市は居住誘導区域内に「病院」「介護施設」「幼稚園」を集約する方針で、居住誘導区域外はそういったサービスが低下する可能性がある。
箕面滝道に接するエリア
阪急箕面駅から箕面大滝まで続く遊歩道「滝道」については、観光客を迎えるエントランスエリアとなっているので、
市街化区域内の滝道沿道のうち、滝道に敷地を接するエリアについては、居住誘導区域に含まないこととします。
出典 https://www.city.minoh.lg.jp/machi/toshikeikaku/documents/20160128richi004.pdf
箕面市の現状と課題
箕面市は大阪の郊外に位置し、古くから住宅地として有名だ。しかし、駅前の再開発はあまり行われておらず、郊外のショッピングセンターの集客力の方が高くなっていた。
その結果、駅周辺の住宅地に居住する高齢者にとっては、駅前商店街の閉店などで駅前が逆に不便になってきている。
そこで、駅前を「都市機能誘導区域」として再開発して、古くからある住宅地をもう一度利便性の高い地域として再生する必要があった。
さらに、「居住誘導区域」を策定し、適度な人口密度を保ち利便性が低下しないことを目的としている。