村田製作所は、開発中の全固体電池が複数社の産業機械に採用されたと明らかにした。
村田製作所の全固体電池の容量は数十ミリアンペア時で、他社の全固体電池より100倍の高容量となる。(現在のリチウムイオン電池との比較では2倍~3倍と言われる)
2021年内に村田製作所「野洲事業所」(滋賀県野洲市)で月産10万個の量産を開始する。
大きさは1cm角以下と小型で補聴器やロボット向けなどの位置制御機器や、工場などで環境データを収集するIOT機器などにも採用される予定。
全固体電池
全固体電池とは、電池の電解液を固体電解質に変更したもので、現在主流の「リチウムイオン電池」の2倍~3倍のエネルギー密度を持つとされる。
また、全固体電池は安定性が高く、発火の危険性が少なく、リチウムイオン電池よりも長寿命とされる。
リチウムイオン電池のような電解液を注入する工程が不要で、2030年頃には全固体電池の製造コストは3分の1になると予想されている。
今後、電気自動車用の大容量全固体電池が商品化されると、電気自動車の走行距離が現在の2倍~3倍となる。
現在の電気自動の走行距離は標準型で200kmだが、全固体電池ならば400km~600kmとなる。また、強化型の走行距離400kmが800km~1,200kmとなる。
価格的にも現在のリチウムイオン電池と同等まで下がると予想されている。
さらに、世界初のリチウムイオン電池搭載潜水艦「おうりゅう(そうりゅう型11番艦)」や「たいげい型」に全固体電池が搭載されると、連続潜航距離が2倍~3倍となる。
当ブログの推定では、全固体電池搭載潜水艦は最高速度20ノット(時速約37km)で3,000kmを連続潜航でき、その距離限定ではあるが原子力潜水艦にかなり近い性能となる。
2022年3月には、日本の海上自衛隊は通常型潜水艦22隻体制となるが、その後2030年代以降に全固体電池搭載潜水艦に置き換わると「原子力潜水艦22隻」に匹敵する強大な防衛力を手に入れることになる。
ちなみに、日本の潜水艦は神戸の三菱重工業神戸造船所と川崎重工業神戸工場の2工場だけで製造されている。
村田製作所野洲事業所(新生産棟)概要
所在地 | 滋賀県野洲市大篠原2288 |
建築面積 | 4,289㎡ |
延床面積 | 23,052㎡ |
投資額 | 140億円(建物のみ) |
着工 | 2019年7月 |
竣工 | 2021年2月9日 |
アクセス | JR「篠原駅」から3km(車5分) |
グーグルストリートビューで見る限り、公道から工場にすぐアクセスできるように見える。
地図