大阪府出身の建築家の安藤忠雄氏が設計した児童向け図書館 「こども本の森 中之島」(大阪市北区中之島公園)は、2020年7月5日(日)13:30に開館した。
- 入館料は無料だが、当面はオンラインでの事前予約が必要となる。
- 建物の規模は、地上3階建・延床面積800㎡、施工は竹中工務店が担当し、指定管理者は「TRC&長谷工 meet BACH」。
- また、京大iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏が名誉館長に就任した。
- 建設地は大阪市の市有地で、安藤忠雄建築研究所が建設費を負担し、民間からの寄附金(6億4000万円)で運営(年間5,000万円)される。
- 場所は大阪市北区の中之島公園内で、京阪中之島線「なにわ橋駅」に隣接する。また、大阪メトロ御堂筋線「淀屋橋駅」からも徒歩5分~8分。
当初は、2020年3月1日(日曜日)に開館するはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されていた。
2020年6月撮影
出典 大阪市
- 入館には、オンライン予約が必要。
- 公式HP https://kodomohonnomori.osaka/
- 1日当たり4回の入替え制で、1回の定員は75名で、制限時間は90分
- 当面の間、土日祝は中学生以下のお子様連れの方のみ受け付ける(平日は大人だけの予約も可能)
予約受付開始日 | 入館日 |
2020年10月15日受付開始 | 2020年11月1日~2020年11月14日 |
北側を撮影
こども本の森 中之島 利用案内
名称 | こども本の森 中之島 |
所在地 | 大阪市北区中之島1丁目1-28 |
開館日 | 2020年7月5日(日曜日) |
開館時間 | 午前9時30分から午後5時まで |
休館日 | 月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日は休館) |
利用対象者 | 乳幼児から中学生までを主な対象者とする |
入場料 | 基本的にはどなたでも無料で利用できる |
アクセス |
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駐車場・駐輪場・ロッカー |
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地図
安藤忠雄氏は「子どもたちが、絵本や児童書などに触れることで、判断力、表現力、感性、創造力を育んでもらいたい。また子供たちが大人になったとき、大阪に故郷を感じる場所を作りたい。」と言う。
2020年6月撮影
個人的な解釈だが、この階段は機能的な意味はないと思う。アイポイントを上げるために階段を設置することもあるが、この階段は子供たちが座って本を読むために安藤氏が考えた「仕掛け」だと思う。階段上の白い物体は、安藤忠雄氏による「青春」をモチーフにした「青いりんご」のオブジェで、今はまだ、白い布のようなもので包まれている。
2020年6月撮影
建物のファサードは、曲線となっている。安藤忠雄氏が設計した「司馬遼太郎記念館」にも同様の曲線部分がある。テラスも設置される。右の「こども本の森」の塔は「森のシンボルとなる大木」をイメージしたのかもしれない。また塔の内部は壁に映像を映し出すことができる。
2020年6月撮影
左側には「大阪市中央公会堂」、右側には安藤忠雄氏が設計した京阪中之島線「なにわ橋駅」がある。図書館前の道路(中之島公会堂~堺筋間200m)は2020年2月15日から終日車両通行禁止・歩道化されている。
2020年6月北側を撮影
2020年1月(北側を撮影)
北側の壁面には石を採用しているようだ。
2020年1月撮影
2020年1月撮影
21世紀はスマホ時代ではあるが、本を読むことで、スマホでは得られない何かを感じられるのではないか?子供時代に「安藤建築」に接することで、何かを感じとれるのではないか?規模は小さいが安藤忠雄氏の初期の代表作「住吉の長屋」に匹敵するくらい安藤建築らしいと思う。
「こども本の森 中之島」(児童向け図書館)物件概要
名称 | こども本の森 中之島 |
所在地 | 大阪市北区中之島1丁目(中之島公園内) |
延床面積 | 約800㎡ |
階数 | 3階建 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
着工予定 | 2018年秋頃 |
開館予定 | 2020年7月5日(当初予定2020年3月1日) |
- 安藤忠雄建築研究所が建設費を負担し2019年12月16日に建物を大阪市に寄贈した。
- 民間からの寄付(約6億4000万円)により図書館が運営(年間5,000万円)される。
- 蔵書は1万8000冊で、うち1万冊が寄贈された。
- 入館料は無料。
- 本の貸出はしないが、中之島公園に本を持ち出して、芝生の上で自由に読書できる。(ひとりにつき1冊まで・一部貸出不可の本もある・17時までに返却)
- 壁面はガラスを使い、川が見えるように設計。
- 図書館内部は大きな吹き抜けがあり、それを囲むように壁面に本棚を設置している。
安藤忠雄氏設計「絵本美術館」
安藤忠雄氏は、福島県いわき市の私立幼稚園の「いわき絵本美術館 まどのそとのそのまたむこう」を設計している。
国立国会図書館国際子ども図書館
安藤忠雄氏は、国立国会図書館国際子ども図書館の「レンガ棟のルニューアル」と「アーチ棟」の建設にもかかわっている。
- レンガ棟(地上3階、地下1階 延床面積6,671㎡)
- アーチ棟(地上3階、地下2階 延床面積6,090㎡)
- 東京都台東区上野公園12-49(東京国立博物館の西)
- JR上野駅から徒歩10分