なにわ筋線、2031年春に開業予定——大阪〜関空アクセスがさらに便利に
現在、大阪駅(うめきた地下ホーム)とJR難波駅、南海電鉄の新今宮駅を結ぶ新しい鉄道路線「なにわ筋線」の建設が進められており、開業は2031年春を予定しています。全長は約7.2キロで、JR西日本と南海電鉄の列車が乗り入れる計画です。
この路線が完成すれば、JR大阪駅から関西国際空港までの所要時間は現在の約48分から、約40分(最速で38分の可能性も)へと短縮される見込みです。空港へのアクセスが改善され、ビジネスや観光の利便性が向上します。
沿線には、新たに3つの中間駅が設けられる予定です。
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(仮称)中之島駅:国際会議場や美術館が集まる中之島エリアに位置
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(仮称)西本町駅:大阪のビジネス街・本町に近接
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(仮称)新難波駅:JR難波・南海難波駅に接続する地下新駅
なにわ筋線は、大阪市内の南北移動をよりスムーズにし、関西空港とのダイレクトな接続を実現するだけでなく、大阪の都市機能や観光インフラを強化する重要なプロジェクトとして期待されています。
仮称「西本町駅」(2025年6月)南東方向に撮影
(仮称)西本町駅については、2024年2月に駅本体の工事が始まりました。この駅は、Osaka Metro中央線の本町駅と阿波座駅のほぼ中間に位置していますが、中央線の接続駅は設けられず、なにわ筋線の単独駅となる予定です。
駅の構造は、島式ホーム1面2線。将来的には、ビジネス街へのアクセス拠点として、多くの通勤客や観光客の利用が見込まれています。
出典 大阪市
仮称「西本町駅」(2025年6月)南方向に撮影
仮称「西本町駅」(2025年6月)北方向に撮影
なにわ筋線の開業は2031年春だが、西本町駅の工事は2028年3月15日までになっている
仮称「西本町駅」(2025年6月)南西方向に撮影
なにわ筋線「西本町駅」から、大阪メトロ(四つ橋線)本町駅の出入口までは約340m、大阪メトロ(中央線)阿波座駅の出入口までは約400mの距離がある。(筆者による試算)
(東方向を撮影)、歩道の幅員は目視で5m~7m
(東方向を撮影)、四つ橋線「本町駅」の出入口が見える
四つ橋線「本町駅」の出入口
上りエスカレーターが1基あるが、下りは階段しかない(10m先にエレベーターがある)
下りのエスカレーターがなく、かなり不便(10m先にエレベーターはある)
エレベーター(地下)
阿波座駅方向
大阪トヨペット本社前(歩道の幅員は目視で5m~7mとかなり広い)
大阪メトロ(中央線)阿波座駅の出入口

- 工事区間:約350m
- 掘削幅:20~30m
- 掘削深さ:25~30m
- 工期:2020年12月から2028年3月までの87か月
- 施工:株式会社 錢高組
事業者 | 関西高速鉄道 |
西日本旅客鉄道 | |
南海電気鉄道 | |
整備区間 | JR大阪駅(地下ホーム)~JR難波・南海新今宮 |
建設キロ | 約7.2km |
整備駅 | 中之島駅(仮称)5層・ホームは地下4階と地下5階 |
西本町駅(仮称)3層・島式ホーム1面2線(ホームは地下3階) | |
新難波駅(仮称)6層・ホームは地下6階 | |
事業費 | 約3,300億円 |
整備手法 | 償還型上下分離方式 |
事業期間 | 2019年度~2031年度 |
開業時期 | 2031年春(予定) |
最高速度 | 110km/h |
運行本数 | 560本/日 |
編成車両数 | 6両、8両、9両 |
需要予測 | 約24万人/日 |
路線図
出典 大阪市
鉄道会社 | 特急 | 快速(急行) |
JR | 特急3本(うち はるか2本)/ 時 | 関空快速4本 / 時 |
南海 | 特急ラピート2本 / 時 | 空港急行4本 / 時 |
合計 | 特急5本 / 時 | 快速(急行)8本 / 時 |
- JRの特急は1時間当たり3本となるが、うち2本は「関空特急はるか」で残り1本は「特急くろしお」と思われる。
- 関空行特急はJRと南海の合計で4本/時となり15分に1本が運行される。
- 快速(急行)は合計8本/時となり7.5分に1本運行される。
出典 国土交通省