復元された「平城宮跡 朱雀門」(筆者撮影)
奈良県、奈良市、近鉄の3者は、世界遺産「平城京跡」を横切る「近鉄奈良線」を南に移設することで合意した。
近鉄奈良線「大和西大寺駅」から「近鉄奈良駅」までの4.4kmを高架化・地下化し、途中駅3駅を新設する。
出典 奈良県(当ブログで加工)
計画概要
- 平城京跡(奈良県)は710年に建設され、敷地面積は約130haだが、敷地内に近鉄奈良線が東西に横切っており、景観悪化と踏切8か所による交通渋滞の問題があった。
- そこで、近鉄奈良線「大和西大寺駅」~「近鉄奈良駅」間の4.4kmを高架化・地下化し、南側の「大宮通り」に移設する。
- 「大和西大寺駅」周辺では「高架」とし、大宮通りでは「地下化」する見通し。
途中駅新設
駅名 | 場所・内容 |
朱雀大路駅(仮称) | 平城京跡の朱雀門の南側 |
新大宮駅 | 現在の駅より南西に移転し、地下駅化? |
油阪駅(仮称) | JR奈良線と接続か? |
すでに2017年、奈良県、奈良市、近畿日本鉄道は対象区間の移設などを検討する「まちづくりに関する連携協定」を締結している。
都市部の地下鉄の建設費は1km当たり400億円と言われるので、本件の場合も1km当たり200億円以上はかかるのではないか?
したがって、移設対象線路長は4.4kmなので事業費は1,000億円以上は確実と思われる。個人的な予想では1,500億円~2,000億円になるのではないか?
ただ、近鉄「大和西大寺駅」付近の踏切が撤去されるので、国から建設費の半分くらいの補助金が出る可能性がある。残りを奈良県と奈良市が負担すると思われる。
近鉄からは「事業費の負担が生じないように」との要望が出された。
地図