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ロート製薬が「ボラギノール」を手掛ける天藤製薬を買収した目的

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ロート製薬は、痔(じ)の治療薬「ボラギノール」を手掛ける天藤製薬(大阪府豊中市)を買収すると2021年6月8日に発表した。

2021年8月末に天藤製薬(大阪府豊中市)の創業家などが保有する株式(67%)を取得する。買収金額は90億円程度と報道されている。

 

ロート製薬の買収後の展開

まず、日本の人口は現在1億2600万人だが、今後減少すると予想されている。したがって、国内市場だけでは、売上の増加は見込めない。

しかし、医療品分野の海外輸出は、相手国での医療品販売の承認が必要で、海外の治験など数十億円の費用がかかることがある。

したがって、小規模な医薬品メーカーでは海外進出もできず、国内市場も縮小する一方なので、企業経営が難しい時代になってきている。

「ボラギノール」を手掛ける天藤製薬も海外では台湾での販売しかしていない。今後、ロート製薬が買収することで、中国やベトナムでの販売も予想される。

コメント

「ボラギノール」という薬の商品名は知っていたが、天藤製薬という会社名もこの会社が大阪の会社だということも知らなかった。

やはり、大阪は薬品メーカーが多いと改めて感じた。
今回の買収で注目すべき点は、人口が減少する日本ではなく、人口40億人のアジア市場の開拓のための買収だということだ。

国内マーケットだけを見ていれば、東京の方が市場規模が多い。しかし、日本の人口は1億2600万人で今後減少すると予想されている。

一方、アジアの人口は40億人で、中国は2030年頃に人口減少に転じると予想されているものの、インド、インドネシア、ベトナムなどは今後も人口は増加すると予想されている。

大阪の企業は、人口1,400万人の東京ではなく、人口40億人のアジア市場に進出した方が将来性があると思う。

2029年 関空-シンガポール 3時間半?

米航空機ベンチャー「ブーム・スーパーソニック(Boom Supersonic)」は、超音速機「オーバーチュア」を2029年にも就航する予定で、もし、実際に就航すると「関空-シンガポール」の飛行時間は現在の6時間~7時間から3時間半に短縮されると予想される。

超音速旅客機「コンコルド」は騒音問題から羽田空港へは就航しなかった。また、超大型旅客機エアバスA380も後方乱流が発生するため、飛行間隔を従来機よりも広くとる必要があり、混雑している羽田空港には昼間時間帯は就航できない。

成田空港も内陸空港であるため、超音速旅客機が就航しない可能性もある。

もしそうなって、関空に超音速旅客機が就航したならば、関西が圧倒的にアジア進出に有利になる可能性もある。

 

アジア諸国の人口
国名 人口 人口増加率
中国 13億4134 万人 0.5%
インド 12億2461 万人 1.4%
インドネシア 2億3987 万人 1.1%
パキスタン  1億7359 万人 1.8%
バングラデシュ  1億4869 万人 1.1%
日本  1億2654 万人 0.0%
フィリピン 1億812万人 1.7%
ベトナム 9,762万人 1.1%
タイ 6,641万人 0.4%
ロート製薬
  • 所在地  大阪市生野区巽西1-8-1
  • 創業   1899年
  • 設立   1949年
  • 売上高  1,883億円(連結2020年3月期)
  • 従業員      6,619名(連結2020年3月期)

 

天藤製薬
  • 所在地  大阪府豊中市新千里東町一丁目5番3号(千里朝日阪急ビル)
  • 創業   江戸時代後期
  • 設立   大正10年(昭和25年天藤製薬に改組)
  • 売上高  58億6000万円(2021年3月期)
  • 従業員      182名(2019年3月期)
  • 株主   ロート製薬(67% 2021年8月)/武田薬品(30%)
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