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大分県日出町にあるサンリオのテーマパーク「ハーモニーランド」が、大きな転換期を迎えようとしています。
サンリオエンターテイメントは、テーマパークを核とした「滞在型リゾート」への大規模な再構想を公表しました。
今回のキーワードは「天空」です。高低差のある地形を最大限に生かし、これまでにない新しいリゾート体験を提供する構想となっています。
ハーモニーランドの最大の特徴は、山の斜面に広がる立地にあります。
今回の再構想では、この地形的な魅力を前面に押し出し、“見上げるワクワク感”を軸にしたパークづくりを進めるとしています。
完成イメージでは、緑に包まれた敷地の中央にお城がそびえ立ち、高低差を生かした立体的なパーク構成が描かれています。
従来の平面的なテーマパークとは異なり、移動そのものが体験となる設計です。
サンリオエンターテイメントの小巻亜矢社長も「下から見上げた時のワクワク感こそ、この場所の最大の価値です」と語っており、ロケーション自体を主役に据える考えがうかがえます。
今回の再構想の中でも、特に注目されているのが、パーク内に巨大な屋根を設置する「大屋根構想」です。
この大屋根により、
- 雨天時でも快適に楽しめる
- 真夏の暑さ対策が可能
- イベントやパレードの安定開催
といった効果が期待されています。
近年は猛暑や豪雨など、気候条件がテーマパーク運営に与える影響が大きくなっています。
大屋根の設置は、ファミリー層や高齢者にも優しい全天候型パークへの進化を意味しています。
パークに隣接するエリアには、山や別府湾を一望できる大規模ホテルの建設も計画されています。
これまでのハーモニーランドは日帰り利用が中心でしたが、
- 宿泊
- 夜間の演出
- ナイトタイムエコノミー
を取り込むことで、「遊んで帰る場所」から「泊まって楽しむ場所」へと大きく性格が変わります。
別府温泉や由布院、大分市といった周辺観光地との周遊観光とも相性が良く、大分県全体の観光価値向上にもつながりそうです。
高低差のある地形を生かすため、園内には
- ロープウェイ
- 電動モビリティ
の導入も計画されています。
これにより、小さな子どもから高齢者、海外からの観光客まで、年齢や体力に左右されず園内を回遊できる環境が整えられます。
移動そのものがアトラクションになる点も、「天空のパーク」という世界観を強化する要素となっています。
今回の構想では、駐車場を活用したプロジェクションマッピング演出も盛り込まれています。
テーマは「大分の海」で、来場者が到着した瞬間から非日常を感じられる仕掛けです。
駐車場を単なる通過点ではなく、体験の入り口として位置付ける発想は、国内外の先進的なテーマパークにも通じる取り組みと言えます。
今回の再構想における初期投資額は約100億円規模とされています。
サンリオエンターテイメント単独ではなく、複数の企業と連携しながら進めていく方針です。
今後は、
- 約半年をかけて具体的な計画を策定
- その後、約10年かけて段階的に整備
という長期的なプロジェクトとなる見通しです
小巻亜矢社長が強調しているのが、「共創型リゾート」という考え方です。
県民やファン、企業などの意見を取り入れながら、施設やキャラクター、メニュー、演出を一緒に作り上げていく方針が示されています。
その取り組みの一環として、誰でも参加できるコミュニティ「ハーモニーランド未来共創室」が立ち上げられます。
完成したものを一方的に提供するのではなく、「一緒に作るワクワク感」を共有する姿勢は、サンリオらしい挑戦と言えるでしょう。
サンリオエンターテイメントはこれまでも、大分空港やハーモニーライナーの運行などを通じて観光誘致を進めてきました。
今回のリゾート化構想は、それらをさらに発展させるものとなります。
実現すれば、
- 大分空港利用者の増加
- インバウンド観光の拡大
- 日出町の知名度向上
など、大分県全体への経済効果は非常に大きいと考えられます。
ちなみに、大分空港は、2025年4月13日より「大分ハローキティ空港」という愛称を使用しています。
大阪は「西日本観光のハブ」となるのか
今回のハーモニーランドの「天空のリゾート化構想」は、大分県内だけで完結する話ではありません。
視野を広げると、関西圏、特に大阪との関係性が今後さらに重要になってくると考えられます。
現在、西日本観光の玄関口として圧倒的な存在感を持っているのが大阪です。
関西国際空港(KIX)と伊丹空港を抱え、
- インバウンドの一次集積地
- 国内外の交通結節点
として機能しています。
大阪はすでに「観光の集散地」
実際、多くの訪日外国人観光客は、
- 大阪に到着
- 数泊滞在
- 京都・奈良・神戸、あるいは地方へ周遊
という動線を取っています。
この流れの中で、大分はこれまで「距離がある」「アクセスが分かりにくい」
という点で不利でした。
しかし、サンリオエンターテイメントはすでに
- 大分空港とハーモニーランドを結ぶ施策
- 空港そのものを“目的地化”する演出
を行い、移動自体をコンテンツ化しています。
「大阪 → 大分」という新しい観光動線
ハーモニーランドが滞在型リゾートへ進化すれば、
大阪を起点とした次のような観光ルートが現実味を帯びてきます。
- 関空・伊丹 → 大阪観光
- 大阪 → 大分(空路)
- ハーモニーランド宿泊
- 別府・由布院観光
これは、
「大阪=ハブ」「地方=体験型デスティネーション」という役割分担が明確なモデルです。
USJや大阪市内観光だけでは日程が余る長期滞在型インバウンドにとって、大分は“次の一手”として非常に魅力的なエリアになります。
なぜ大阪が観光ハブになりやすいのか
大阪が観光ハブとして機能しやすい理由は明確です。
- 国際線・国内線の路線数が圧倒的
- 多言語対応・宿泊施設の充実
- 観光情報の発信力
- LCCを含む価格競争力
地方空港が単独で世界とつながるのは容易ではありません。
そのため、大阪という巨大な受け皿の存在が、地方観光の成否を左右します。
ハーモニーランドの再構想は、「大阪で集め、大分で深く体験してもらう」
という流れを前提にした戦略とも読み取れます。
大阪一極集中ではなく「ハブ化」が鍵
重要なのは、大阪がすべてを吸い上げる「一極集中」ではなく、ハブとして機能することです。
- 滞在は大阪
- 体験は地方
- 再び大阪へ戻る
この循環が生まれれば、
地方空港や地方リゾートは“選ばれる目的地”になります。
ハーモニーランドが
- 宿泊
- 夜の楽しみ
- 天候に左右されない快適性
を備えることで、「わざわざ行く理由」が明確になります
今回発表された「天空のリゾート」構想は、単なるテーマパークの拡張ではありません。
地形を生かした設計、全天候型の快適性、宿泊とナイトエコノミー、そして共創という考え方が融合した、地方発の次世代型リゾートモデルです。
約10年という長い時間をかけて進められるこの挑戦が、将来「ハーモニーランド=天空のリゾート」として定着するのか。その進化の過程から目が離せません。
