吉村大阪府知事は、「JR桜島線の延伸を検討する。夢洲と舞洲・USJがつながる、大阪関西の鉄道にとって重要な路線になる」と発言した。
引用 テレビ大阪
現在、夢洲に向かう鉄道は延伸工事中の大阪メトロ中央線のみだが、大阪府と大阪市はJRの桜島駅から舞洲を経由し、夢洲へつなぐ新路線の整備を検討すると発表した。
また、京阪中之島駅と大阪メトロ九条駅を結ぶルートについても検討する。
大阪府・市は2024年11月、鉄道事業者や有識者らと共に事業費、収益性などを話し合い、2025年度前半に結果を取りまとめる。
大阪メトロ中央線の輸送力は、2025年大阪関西万博期間中に混雑率140%となり十分ではない。
2030年にIRが開業すると大阪メトロ中央線の輸送力だけでは不足する懸念がでてきたため、別ルートとしてJR桜島線の延伸を検討するものだと思う。
以前の構想では、延伸費用は1,700億円だった。
しかし、延伸距離は6kmで全部地下トンネルの場合1km当たり400億円~500億円かかるので2,400億円~3,000億円になると予想される。
新規鉄道路線建設の場合、40年間で黒字にならないと国の補助金はでない。
当ブログの試算では、1日当たりの利用者数は4万人だが、10万人~20万人くらいでないと40年間で黒字化はしないと思う。
採算性(当ブログ試算)
項目 | JR桜島線延伸 | なにわ筋線 |
路線長さ | 6km | 7.2km |
建設費 | 2,400億円~3,000億円 | 3,300億円 |
1日の利用者数 | 4万人 | 24万人 |
年間利用者数 | 1,440万人 | 8,760万人 |
運賃収入 | 300円 | 240円 |
年間運賃収入 | 43億円 | 210億円 |
40年間運賃収入合計 | 1,720億円 | 8,400億円 |
工期 | 9年~11年 | 7年 |
IRの年間来場者数1,500万人(延利用者数2,480万人)なので、往復で年間3,000万人となる。
このうち、4割がJRを利用すると1,200万人になる。
また、IR施設の雇用者は1.5万人なので往復で3万人、年間200日で600万人で4割がJRを利用すると240万人になる。(近畿圏全体では9.3万人雇用者増加)
1人当たり鉄道運賃300円として年間43億円で、40年間で1,720億円の収入になる。
建設費は以前の構想で1,700億円、当ブログ試算で2,400億円~3,000億円なので、40年間で黒字化は難しい。
また、国土交通大臣は公明党でIR審議も半年遅らすなど消極的なので、国の補助金がでない可能性がある。
JR西日本は夢洲に収益不動産を所有していないので、鉄道運賃収入しか期待できず、200億円~300億円程度しか負担できない。
したがって、大阪府・市が2,000億円以上負担しないと建設できないかもしれない。
個人的には実現可能性は低いと思う。
夢洲第2期・3期計画も考慮
区域 | 面積 |
IR(夢洲1期) | 49ha |
IR(拡張予定地) | 9ha |
夢洲2期 | 50ha |
夢洲3期 | 40ha |
夢洲物流ゾーン | 140ha
(夢洲コンテナターミナル65ha) |
グリーンテラス | 調査中 |
道路など | 調査中 |
夢洲全体 | 390ha |
USJ | 54ha |
海遊館 | 1.6ha
(天保山ハーバビレッジ全体5ha~10ha) |
当ブログの試算では、IRだけではJR桜島線の延伸は難しい。
したがって、夢洲2期・3期計画で、海遊館の移転、第二USJの開業が必須となる。
近鉄グループHDは、2015年に海遊館(年間220万人)の経営権を取得しており、天保山地区から夢洲へ移転することを検討している。
夢洲2期・3期合計で年間利用者1,500万人の施設ができると、往復で年間3,000万人でそのうち4割がJRを利用すると1,200万人となる。
夢洲第2期・3期計画を含め試算
項目 | JR桜島線延伸 | JR桜島線延伸(2期・3期) |
路線長さ | 6km | 6km |
建設費 | 2,400億円~3,000億円 | 2,400億円~3,000億円 |
1日の利用者数 | 4万人 | 7万人 |
年間利用者数 | 1,440万人 | 2,640万人 |
運賃収入 | 300円 | 300円 |
年間運賃収入 | 43億円 | 79億円 |
40年間運賃収入合計 | 1,720億円 | 3,168億円 |
工期 | 9年~11年 | 9年~11年 |
夢洲第2期・3期計画で年間来場者500万人の施設ができたとしても採算は厳しい。
当ブログの試算では、夢洲第2期・3期計画で年間来場者1,500万人くらいの施設が必要になると思う。
JR西日本は2018年4月27日に発表した「中期経営計画2022」で、JR桜島線を夢洲まで延伸(夢洲アクセス)の検討を盛り込んだ。
JR西日本は、半年間の2025年万博よりも、長期間需要が期待できる「統合型リゾート(IR)」の誘致に注目している。
したがって、「統合型リゾート(IR)」の大阪誘致が成功した後に、正式に発表されると思われる。
JR桜島線(現在)
JR桜島線は西九条-桜島駅間の4.1kmで、大阪環状線西九条駅から乗り入れ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を経て桜島駅まで運行している。
JR桜島線(延伸計画)
JRユニバーサルシティ駅の西から地下化し、舞洲を経由し、夢洲までへ約6kmを延伸する計画。
総工費は1,700億円・工期は9年~11年で、現在のJR桜島駅は地下駅になると予想される。
大阪駅から乗り換えなしで舞洲や夢洲まで行けることになる。
JR大阪駅~夢洲間の所要時間は約22分と予想される。
JR桜島線(延伸計画)まとめ
区間 | 距離 | 整備費用 | 建設期間 | 所要時間 |
JRユニバーサルシティ駅~夢洲駅 | 6km | 1,700億円 | 9年~11年 | 大阪駅=夢洲駅:22分 |
京阪中之島線延伸(二段階)計画概要
第一段階 :京阪中之島線「中之島駅」から大阪メトロ中央線「九条駅」まで延伸する。
第二段階 :その後、西九条駅「JR環状線・JRゆめ咲線(JR桜島線)・阪神なんば線」まで延伸する計画もある。
区間 | 距離 | 整備費用 | 建設期間 | 完成予定 |
中之島駅~九条駅 | 2km | 1,000億円 | 4年~5年 | (2030年以後?) |
九条駅~西九条駅 | 1.3km | (700億円?) | (4年~5年?) | (2035年以後?) |
合計 | 3.3km | (1,700億円?) | (8年~10年?) | (2035年以後?) |