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大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画(10兆円)には、中四国の高速道路、中部縦貫道も含まれる

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政府の国際博覧会推進本部事務局によると、大阪・関西万博の「インフラ整備」に9兆7000億円、「空飛ぶクルマ」などの「アクションプラン」に2兆8000億円がかかるとされる。

これらに万博会場建設費2,350億円を合わせて13兆円と報道されている。

引用 国際博覧会推進本部事務局

 

インフラ整備9兆7000億円

大阪・関西万博の「インフラ整備」に9兆7000億円とされるが、中国四国地方や中部地方の中部縦貫自動車道の建設費用も含まれている。

中国四国地方

  • 鳥取豊岡宮津自動車道(山陰近畿自動車道)整備
    (京丹後大宮IC~大宮峰山IC(大宮峰山道路)、浜坂道路Ⅱ期、竹野道路、岩美道路
  • 中国横断自動車道(米子自動車道)整備
    (江府IC付近・溝口IC付近の付加車線整備、県境部・江府IC~溝口ICの4車線化)
  • 中国横断自動車道姫路鳥取線整備
    (播磨自動車道(播磨新宮IC~宍粟JCT)、鳥取自動車道(志戸坂峠))
  • 山陰自動車道整備(北条道路)
  • 四国縦貫自動車道の4車線化(土成IC~美馬IC)
  • 四国横断自動車道整備(徳島JCT~阿南IC)
  • 阿南安芸自動車道整備(阿南IC~小野IC、海部IC~野根IC)

 

中部地方

  • 中部縦貫自動車道整備 一般国道158号(大野油坂道路)

 

京都府北部

  • 北近畿豊岡自動車道整備 一般国道483号(豊岡道路、豊岡道路Ⅱ期)

 

万博と関連性の薄い、中国・四国・中部・京都府北部の道路整備費用も含まれている。

 

関西圏

関西圏でも万博開催とは無関係に整備がすすめられていたインフラ工事も含まれている

  • 新名神高速道路整備(八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・IC、大津JCT~城陽JCT・IC)
  • 淀川左岸線(2期)整備
  • 大阪湾岸道路西伸部整備(六甲アイランド北~駒栄)
  • 神戸西バイパス整備
  • 名神湾岸連絡線整備
  • 京奈和自動車道整備
  • 北大阪急行延伸
  • 大阪モノレール延伸
  • なにわ筋線整備

 

「アクションプラン」2兆8000億円
国際博覧会推進本部の「アクションプラン」から抜粋
アクションプランの中には、林野庁が木材使用を推進する「ウッド・チェンジ」事業も含まれる。恐らく木製の万博リングの関連と思われるが、東京オリンピックの競技場でも木材が使用されており、大阪万博の関連費用とするのはおかしい。
  • 水素発電技術の実証【経産】
  • アンモニア発電技術の実証【経産】
  • 合成燃料(e-fuel)の活用拡大【経産】
  • 再エネ水素を使ったメタネーション実証【環境】
  • 次世代船舶を活用した海上観光の実現【経産、国交】
  • 次世代型太陽電池の開発推進【経産】
  • CO2 の分離・回収技術の実証【経産】
  • CO2 排出削減・固定量最大化コンクリートの実証【経産】
  • 2030 年度までに前倒しでカーボンニュートラルの達成を目指す脱炭素先行地域の実現【環境】
  • 次世代グリーンデータセンター技術の発信【経産】
  • 資源循環に関する実証・展示【経産】
  • 循環に関する展示体験(日本館)【経産】
  • サーキュラーエコノミー及び大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現【環境】
  • 健全な水循環に向けた国内外への発信【内閣官房(水循環)】新規
  • 行動変容を促す資源循環のナッジ実証【経産】
  • 食品ロス削減に向けた啓発、食品リサイクルループの形成【農水】
  • 「ウッド・チェンジ」の発信【農水】
  • 万博を契機とした CLT 活用のさらなる推進【内閣官房、農水、国交、環境】
  • 核融合エネルギーに関する展示【文科】

 

コメント
万博関連費用13兆円(インフラ9.7兆円・アクションプラン2.8兆円・会場建設費0.2兆円)とされる。
しかし、内容を見ると、中四国の高速道路、中部縦貫道など大阪・関西万博と無関係なインフラ整備も含まれている。
関西圏のインフラ整備も「北大阪急行延伸」など万博と無関係に整備されてきた事業がほとんどだ。
「アクションプラン」をみれば、経産省管轄の事業が多い。
つまり、政府の国際博覧会推進本部事務局は経産省の管轄だと思う。
この万博とは無関係なインフラ整備9.7兆円、アクションプラン2.8兆円という内容をまとめたのは経産省だろう。
中央官僚が大阪万博の関連費用を課題に見積もって発表しているのは不可解だ。
通産省官僚・堺屋太一
1960年代の日米繊維交渉の時、通産省は「敵は米国にあらず大阪なり!」の紙を部屋に貼って、日米繊維交渉をする見返りに、大阪のあった繊維業界を東京に連れてくることが目標だったと当時通産省官僚だった堺屋太一が発言していた。
IR認定の不自然な遅れ
国による大阪IRの認定は2022年9月の予定だったが、約半年遅れの2023年4月に認定された。
国としては、首都圏にと関西圏の2か所にIRを認定する予定だったが、東京と横浜は住民の反対により頓挫し、大阪IRだけが認定された。
当初、国としては首都圏、関西圏、地方の合計3か所を認定する予定だった。
しかし、首都圏でIRが進まないため、スケジュールを遅らせ、さらに大阪+地方2か所になりそうだったため、IR設置基準を引き上げた。
これにより、IRを建設できるのは首都圏と関西圏に限られ、長崎IRは事実上頓挫した。
国策として首都圏だけを発展させようとしていると思う。
もしかすると、中央官僚は、大阪関西万博とその後の大阪IRについて消極的なのかもしれない。
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