
旧村上ファンド系が近鉄グループや京阪ホールディングスの株式を取得したことで、「今後どのような展開を狙っているのか」に注目が集まっている。
一般的には、不動産の売却や資本効率の改善を求めるアクティビストとして知られているが、近鉄や京阪のケースでは少し事情が異なる。
2026年3月末時点の旧村上ファンドの取得比率(2026年7月の株価)
- 近鉄株:2.7%(時価総額6,955億円:188億円)
- 京阪株:1.2%(時価総額3,668億円:44億円)
ちなみに、旧村上ファンド(エフィッシモ / レノ / シティインデックスイレブンス)などの関連ファンドの総運用資金は1兆円ともいわれる。
近鉄や京阪は、鉄道事業だけでなく、不動産事業が収益の柱となっている。
駅前の商業施設やホテル、オフィス、住宅などは安定した利益を生み出しており、こうした優良資産を単純に売却することは会社にとって大きなマイナスとなる。
そのため、「不動産を売れ」という要求よりも、低収益資産の整理や再開発の加速、資本効率の改善などを求める可能性が高い。
旧村上ファンド系は過去にも、経営陣との対話を通じて企業価値を高め、その過程でTOB(公開買付け)やホワイトナイトの登場によって保有株をプレミアム価格で売却した事例がある。
そのため、近鉄や京阪でも、
- 他社によるTOB
- 友好的なホワイトナイトの登場
- 自己株TOB
などが実現すれば、大きな利益を得られる可能性がある。
一方で、阪急阪神ホールディングスは梅田地区で芝田1丁目再開発という超大型プロジェクトを進めている。
市場では総事業費が数千億円規模になるとの見方もあり、今後も巨額の投資資金が必要になる可能性がある。
そのため、仮に近鉄や京阪で経営権を巡る動きがあったとしても、阪急阪神が巨額の資金を投じてホワイトナイトとして名乗りを上げるハードルは低くないだろう。
旧村上ファンド系の最終的な狙いは、不動産を単純に売却させることではなく、企業価値を高めた上で株価を上昇させることにあると考えられる。
その出口としては、資本効率改善による株価上昇に加え、TOBやホワイトナイトによるプレミアム付き買収も有力なシナリオの一つだ。
ただし、阪急阪神のように自社で巨額の再開発投資を抱える企業は、大型買収に動きにくい可能性があり、今後どの企業が再編の主役となるのかが注目される。
