
2026年8月6日、南海電気鉄道は、なにわ筋線に乗り入れる次期空港特急の導入を決定したと発表しました。
現在運行している空港特急「ラピート」は、1994年9月4日の運行開始以来、大阪・難波と関西国際空港を結ぶ南海電鉄のシンボルとして親しまれてきました。2026年6月末までの累計利用者数は約7,600万人に達しています。
新型車両は、30年以上にわたりラピートが築き上げてきたブランド価値や精神を受け継ぎながら、なにわ筋線の開業を契機に、新時代のNANKAIグループを象徴するフラッグシップ車両として開発されます。
また、なにわ筋線には地下区間があるため、新型空港特急には、避難性や安全性を考慮して先頭車と最後尾車に貫通ドアが設置される可能性が高いと考えられます。
現行の「ラピート」は6両編成ですが、なにわ筋線に乗り入れる車両は6両・8両・9両編成となる予定です。JRの空港特急「はるか」が6両または9両編成で運行されていることを踏まえると、南海の新型空港特急も6両または9両編成が基本になる可能性が高いと予想されます。
JRの関空快速は現在8両編成で運行されているため、なにわ筋線開業後も同じ8両編成で運行される可能性が高いと予想されます。一方、南海電鉄の空港急行は、主に6両編成または8両編成で運行されていることから、なにわ筋線開業後も6両または8両編成が基本になると考えられます。
新型空港特急の最高速度は「なにわ筋線区間」で110km/hになると予想されます。ちなみに、現行のラピートの最高速度は南海本線で110km/h、空港線で120km/hです。
JR大阪駅(地下ホーム)~関西空港駅間の所要時間は、最短約40分になると予想されており、大阪都心と関西国際空港のアクセスは大きく向上するとみられます。便数は1時間あたり、南海2往復、JR2往復の合計4往復を予定しています。
参照 南海電鉄

空港特急「ラピート」(写真AC)
車両デザインのパートナーには、イタリアのデザイン会社「ピニンファリーナ」が選ばれました。
同社は1930年の創業以来、フェラーリやマセラティ、ロールス・ロイス、ホンダなど、世界的ブランドのデザインを数多く手掛けてきたことで知られています。
南海電鉄は、ラピートが培ってきた価値を未来へ継承し、新しい時代を象徴する車両を共に創り上げるパートナーとして、同社を選定しました。
また、ピニンファリーナが日本の鉄道車両のデザインを担当するのは今回が初めてとなります。完成した車両には、同社のエンブレムも掲出される予定です。
南海の新型空港特急が導入される最大の理由が、2031年春に開業予定のなにわ筋線です。
なにわ筋線は、JR難波駅付近から大阪駅(うめきたエリア)付近を結ぶ新しい鉄道路線で、JR西日本と南海電鉄が乗り入れる計画です。
これにより、現在は南海なんば駅発着となっている関西空港方面へのアクセスが大きく変わります。
南海の新型空港特急は、大阪駅(うめきた)方面から関西国際空港まで乗り換えなしでアクセスできるようになる見込みで、関西空港への利便性が大幅に向上します。
特に、新大阪駅から大阪駅(うめきた)を経由した空港アクセスが便利になることから、新幹線利用者や訪日外国人旅行者(インバウンド)の利用拡大も期待されています。
現在のラピートは、その独創的なデザインから「鉄人28号」や「宇宙船」のようだと話題になり、南海電鉄を代表する特急列車として国内外で親しまれてきました。
新型車両も、「空港アクセスを担う南海」のブランドイメージを受け継ぐフラッグシップとして位置付けられています。
南海電鉄とピニンファリーナは、それぞれが培ってきた歴史や理念、デザイン文化を融合し、新しい時代を象徴する空港特急の実現を目指します。
| 事業者 | 関西高速鉄道 |
| 西日本旅客鉄道 | |
| 南海電気鉄道 | |
| 整備区間 | JR大阪駅(地下ホーム)~JR難波・南海新今宮 |
| 建設キロ | 約7.2km |
| 整備駅 | 中之島駅(仮称)5層・ホームは地下4階と地下5階 |
| 西本町駅(仮称)3層・島式ホーム1面2線(ホームは地下3階) | |
| 新難波駅(仮称)6層・ホームは地下6階 | |
| 事業費 | 6,500億円(旧計画約3,300億円) |
| 整備手法 | 償還型上下分離方式 |
| 事業期間 | 2019年度~2031年度 |
| 開業時期 | 2031年春(予定) |
| 最高速度 | 110km/h |
| 運行本数 | 560本/日 |
| 編成車両数 | 6両、8両、9両 |
| 需要予測 | 約24万人/日 |
