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近鉄グループホールディングス(GHD)1300億円超で「大阪上本町駅と周辺を再開発」2028年度に概要とりまとめ、2030年以降着工へ(近鉄百貨店上本町店編)

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2025年8月(筆者撮影)

近鉄グループホールディングス(GHD)は、近鉄「大阪上本町駅」、シェラトン都ホテル大阪、近鉄百貨店上本町店などが集積する「大阪上本町駅と周辺」の一体再開発に乗り出すと、2019年に発表しました。

しかし、その後に起きた新型コロナウイルス禍の影響で、計画は進展しないままになっていました。

ところが、2025年8月25日付の報道によると、近鉄グループホールディングス(GHD)は大阪・上本町駅と周辺エリアを2030年以降に一体的に再開発する方針とのことです。

まずは「近鉄百貨店上本町店」の建て替えを行い、その後「シェラトン都ホテル大阪」の刷新も検討する予定で、総投資額は1,300億円を超える規模になる見込みです。これは「あべのハルカス(高さ300m・延床面積約22万㎡)」を上回る事業費となります。

参照 日経新聞

 

2028年度末までに概要をまとめる

現経営計画期間中の2028年度末までに、まちづくりを含めた再開発計画の概要をまとめる。

シェラトン都ホテル大阪は「よりハイグレードなホテルへ建て替える」ほか、多様なイベントも開催できる商業施設やオフィス、住居などが入居する複合的な開発を想定している。

参照 産経新聞

投資規模の内訳(予想)

  • 近鉄百貨店上本町店建て替え    :約500億円(10万㎡予想)
  • シェラトン都ホテル大阪刷新           :約400億円(8万㎡予想)
  • 駅周辺インフラ整備・都市空間再構築:約400億円

3事業で総額1,300億円なので予想よりも少ない感じです。具体的には、近鉄百貨店上本町店建て替え事業は高さ200mを予想していましたが、高さ150m程度になりそうです。

上本町駅周辺は、かつて大阪の中心的な商業エリアとして栄えましたが、近年は梅田やなんばなどの大型開発に比べて活力がやや低下していました。今回の再開発は、百貨店やホテルだけでなく駅周辺の都市空間全体を見直す大規模プロジェクトであり、周辺エリアの再活性化や、観光・ビジネス需要の拡大につながる可能性があります。

また、再開発によって新しい商業施設や宿泊施設が整備されることで、地元住民や観光客にとっても利便性が向上することが期待されます。特に上本町駅は近鉄奈良線や大阪メトロ谷町線が交差する交通の要所であるため、駅周辺の魅力向上は大阪全体の都市戦略にも影響を与えると考えられます。

※なお、本記事には当ブログ独自の予想も含まれています。

 

近鉄百貨店上本町店の建替え計画概要
現在の様子(当ブログ作成イラスト)
施設名 近鉄百貨店上本町店(近鉄上本町駅)
所在地 大阪市天王寺区上本町6-1-55
階数 地上12階建
売場面積 34,000㎡
売上高 240億円
アクセス 近鉄上本町駅直結

「大阪上本町駅とその周辺の一体再開発」は、対象エリアがとても広く、複数の建物や施設が含まれます。そこで今回は、その中でも最初に再開発が進むと見られる「近鉄百貨店上本町店」に焦点をあてて考察していきます。

近鉄百貨店上本町店は地元客が中心で、売上高は約240億円の中型店です。あべのハルカス近鉄本店が訪日客を多く集め、年間売上高が1,000億円を超える大型店であるのに対し業績が順調とは言えません。

また、近鉄百貨店上本町店は、開業80周年の2016年以降も継続的に改装を行ってきましたが、老朽化が進んでいます。

近鉄百貨店は、2025~2028年度の中期経営計画にて中期ビジョンとして「新たな価値創造事業会社=百“価”店 へと生まれ変わる」ことを掲げており、「地域店の進化」を重点施策としております。

地域密着型店舗の「地域共創型タウンセンター」へ転換を図るため、2023年から大規模リニューアルを実施しています。近接する高級住宅街の住民に好まれる店舗を集めると同時に、ローコスト化を推進し、収益力を高める方針です。

当ブログの見立てでは、「近鉄百貨店上本町店」は、上本町周辺に住む高所得者層が日常的に利用できるよう、高級感のあるショップや上質な店舗を中心に再編されるのではないかと考えています。

 

当ブログの予想(A案)

非公式(当ブログ作成の再開発ビルのイメージ図)

近鉄グループが正式に発表した内容を基本に予想しました。

  • 第一段階:百貨店の建替え
    → 単独で500億円規模と推定。延床10万㎡、高さ150m前後と予想される
  • 第二段階:シェラトン都ホテル大阪の建替え
    → かなり大規模(ホテル主体+商業・MICE機能も考えられる)
  • 第三段階:周辺エリアの一体開発→ 駅直結の利便性を活かし、オフィス・住宅・商業を組み合わせる可能性

投資規模の内訳(予想)

近鉄百貨店上本町店建て替え    :約500億円(10万㎡予想)
シェラトン都ホテル大阪刷新           :約400億円(8万㎡予想)
駅周辺インフラ整備・都市空間再構築:約400億円

上本町再開発の3事業全体の事業費は1,300億円を超える見込みです。そのうち「近鉄百貨店上本町店」の建て替え費用は、およそ500億円程度になると考えられます。

建設費500億円という規模から逆算すると、延床面積は約10万㎡、建物の高さは150m前後になると推測されます。

内訳としては、低層階に約5万㎡の商業施設(うち店舗面積は3万㎡)と予想されます。一方で、高層階の延床面積も約5万㎡ありますが、隣接するシェラトン都ホテル大阪が建て替えられる計画のため、新たに高級ホテルが入居する可能性は低いでしょう。

残るオフィス部分については、延床5万㎡もの需要が本当にあるのかは不透明です。そのため、現在の近鉄本社ビルを移転し、新ビルに本社機能を入れる可能性も考えられます。

また、シェラトン都ホテル大阪の建替えには工期が約5年かかると予想されます。その間、ホテルが営業できなくなるため、百貨店建て替えとホテル建替えをどのように進めるかが難しい課題となります。

 

当ブログの予想(B案)

投資規模の内訳(予想)

近鉄百貨店上本町店建て替え    :約300億円(6万㎡予想)
シェラトン都ホテル大阪刷新           :約600億円(12万㎡予想)
駅周辺インフラ整備・都市空間再構築:約400億円

上本町ではオフィス需要が少ないと見られるため、近鉄百貨店上本町店を商業施設主体で建て替える案も考えられます。

  • 商業施設:約5万㎡(うち店舗面積3万㎡)
  • オフィス:約1万㎡
  • という構成で、高さはおよそ100m程度になると予想されます。

その場合、再開発の中心はシェラトン都ホテル大阪の建替えとなり、こちらは高さ150mを超える大規模ビルになる可能性があります。さらに高層階については、定期借地権付きの高級分譲マンションとして販売されると予想されます。

 

当ブログの予想(C案)C案

投資規模の内訳(予想)

近鉄百貨店上本町店建て替え    :約1000億円(20万㎡予想)
シェラトン都ホテル大阪刷新           :約100億円(2万㎡予想)
駅周辺インフラ整備・都市空間再構築:約400億円

この場所には大阪空港による高さ制限があり、海抜280mまでとなっています。上本町の地盤は海抜約20mなので、実際に建てられるビルの高さは最大で260m程度となります。

この想定に基づき、高さ260mの超高層ビルを建設する案が考えられます。さらに、現在のシェラトン都ホテル大阪は、建て替え後の近鉄百貨店上本町店の新ビルに移転する計画になる可能性もあります。

41階~52階 定期借地権高級マンション 250戸(4万㎡:総額500億円で分譲)
31階~40階 高級ホテル 400室(4万㎡)
21階~30階 ビジネスホテル 800室(4万㎡)
13階~20階 オフィスフロア 3万㎡(近鉄本社入居か?)
地下2階~12階 高級ショッピングセンター 5万㎡(店舗面積3万㎡)

この案では、シェラトン都ホテル大阪の跡地には、商業施設や駐車場を中心とした延床面積約2万㎡規模の建物が建て替えられると考えられます。

一方で、阪急の梅田再開発では、航空法の高さ制限によりおよそ180m程度までしか建てられません。これに対して近鉄が存在感を示すためには、高さ260mのビルを上本町に建設する方が効果的だと思われます。

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