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神戸医療産業都市は成功と言えるのか?神戸医療産業都市への進出企業から考察ー2025年5月30日発表の事例

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2025年5月30日、神戸市によると、神戸医療産業都市において、「K社(北海道)」の進出が決定しました。

医療機器等に使用される精密金型、精密部品の製造を行う「K社」は、医療機器事業における製造、販売を行うため、新たにポートアイランドに拠点を設立しました。

 

ポートアイランドにおける事業概要

  • 医療機器コンポーネントの製造、医療機器・分析装置開発向け試作部品の製造・販売(ミクロンオーダー、難削材の加工対応)
  • 操業開始: 2025年5月

引用 神戸市

 

「K社」のHPには「神戸営業所」と掲載されています。

「K社」の神戸営業所の所在地は「兵庫県神戸市中央区港島南町1丁目6-5 国際医療開発センター(IMDA)5F 5-12号室 」と記載されています。

 

また、国際医療開発センターのHPによると「スモールオフィスも備えている。貸室は約20㎡~。」しかも、スモールオフィスは最大3年間の入居制限があると記載されています。

引用 国際医療開発センター

 

神戸市の公式ホームページには「操業開始:2025年5月」と記載されており、工場での生産が開始されるかのような印象を受けます。

一方で、K社の公式ホームページでは「神戸営業所」と表記されており、また「神戸営業所」の所在地から「スモールオフィス(20㎡~)」と推定されます。この点に違和感があります。

当ブログで調べた範囲の感想ですが、神戸市の公式ホームページに記載されている「医療機器コンポーネントの製造」は、実際に可能なのでしょうか。

 

 

神戸医療産業都市とは?

神戸医療産業都市は、1995年の阪神・淡路大震災からの経済復興を目的とするプロジェクトとして1998年に構想がスタートし、2000年に財団法人先端医療振興財団(現:神戸医療産業都市推進機構)と理化学研究所発生・再生科学総合研究センターが設立されました。

2025年12月末で341の研究機関、病院、企業、大学が集積し日本最大のバイオメディカルクラスターに成長しました。

進出企業数の推移

1998年:0社・団体
2001年:18社・団体
2007年:125社・団体
2021年:376社・団体
2024年:363社・団体
2025年:341社・団体

当ブログの調べた限りでは、2021年の376社から2025年は341社と35社も減少しています。

 

事業費は25年間で4,400億円

事業費は25年間で4,400億円(うち神戸市負担700億円)で、雇用者数は約12,700人(2024年3月末)となっている。

神戸医療産業都市の市内経済効果は、2020年には1,562億円となり、これに伴う2020年度の神戸市への税収効果は69億円に上りました。

 

3つのクラスターで構成される

医療機関 メディカルクラスター
研究所・開発施設 バイオクラスター
スーパーコンピューター シミュレーションクラスター

 

税収効果は69億円
税収効果とは?
  • 個人住民税
  • 法人事業税
  • 固定資産税

だと思う。

雇用者数は約12,700人(2023年3月末)となっている。

市民病院の医師や上場企業の研究職が多いと「仮定」し、年収1000万円として試算してみる。

個人住民税は10%だが、控除があるので、住民税は年間約65万円となる。

個人住民税の総額は12,700人×65万円=82億5500万円になる。

税収効果は69億円というが、当ブログの試算では個人住民税だけで82億円になるので、計算が合わない。

つまり、雇用者数約12,700人の大半が「市民病院の医師」や「上場企業の研究職」といった高度専門職に限られるわけではないと考えられます。一般的な事務職や清掃・クリーニングスタッフなども含めた雇用者数であると推定されます。

具体的には、神戸医療産業都市の雇用者数12,700人には、神戸市医療センター中央市民病院の職員2,027人も含まれると推定されます。

ここでも、神戸医療産業都市の雇用者数が、実態以上に大きく見えるよう算出されているのではないかという疑問が残ります。
というのは、もし、市民病院が移転前のポートライナーの2駅前の(みなとじま駅・旧市民病院前駅)なら神戸医療産業都市の雇用者数に含まれないと思うからです。
うがった見方をすると、神戸医療産業都市の雇用者数を増やすために、わざわざ市民病院を2駅遠くに移転したのではないか?
実際、旧市民病院の建物は「別の民間病院」となって診療を続けています。
また、神戸市の市民病院の職員の住民税を「神戸医療産業都市」の税収効果に含めるのはいかがなものか?
補助金、事業化支援、税制優遇
神戸医療産業都市への進出企業へは「神戸市(医療産業都市)関係」と「神戸医療産業都市推進機構関係」からの補助金、事業化支援、税制優遇が受けられるようだ。
  • レンタルオフィス・ラボ賃料補助制度:(3年)限度額200万円/年
  • 外国企業向け支援制度(神戸市):雇用者1名につき最大120万円(上限1億円)
  • 外国企業向け支援制度(兵庫県):限度額100万円/年・新規雇用者11名以上最大1000万円
  • シェアラボ:(2年)限度額100万円/年
  • スタートアップ向け補助制度:(3年)最大1300万円
  • 共同研究 :最大1000万円
  • 若手研究者:最大250万円
  • 臨床研究推進枠:最大500万円
  • ギャップファンド枠:最大500万円
総額はいくらなのだろうか?
神戸医療産業都市は開業以来約25年経過しても、市民の税金から多額の補助金を出して企業誘致しています。
神戸医療産業都市が「成功している」と言うのであれば、いつまでも公的補助金に依存するのではなく、補助金を段階的に廃止すべきではないでしょうか。
真に自立した産業都市であるなら、市場原理の中で持続可能な運営が可能なはずです。
また、「税収効果」という聞き慣れない用語を用いることで、あたかも多額の税収が見込めるかのような印象を与えています。しかし、当ブログの分析では、その内訳の大半は、市民病院の職員などが負担する個人住民税に過ぎないと考えられます。
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