
愛知県は、カジノを含む統合型リゾート(IR)の県内誘致に向けた調査を再開すると発表しました。
有力な候補地として挙がっているのは、中部国際空港(セントレア)島内にある「Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)」を含む約50ヘクタールです。
IRは、ホテルや国際会議場、商業施設、エンターテインメント施設などを一体的に整備する国際的な複合観光拠点です。その中核施設の一つとして、カジノも含まれます。政府は2018年にIR整備法を制定し、全国で最大3か所の整備を認めましたが、現時点で認定されているのは大阪・夢洲のみです。
こうした中、国は2027年5月6日から11月5日まで、自治体からの追加申請を再び受け付ける方針を示しています。これを受けて、愛知県もIR誘致の検討を本格的に再開した形です。
愛知県ではこれまで、2017年に中部空港が立地する常滑市の商工会議所がIR誘致を求める要望書を提出しました。その後、県も中部空港周辺での整備に向けた調査を進めていましたが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大を受けて検討を中断していました。
現在、愛知県は中部国際空港とその周辺地域を国際観光都市として発展させる構想を掲げており、IRはその中核プロジェクトとして位置付けられる可能性があります。
- 最大3か所:大阪夢洲計画を認定、残り2か所
- 自治体からの追加申請受付期間:2027年5月6日~11月5日
- ホテル客室数:2,500室
- 投資額:1兆5130億円
- 敷地面積:49ha
- 開業時期:2030年秋
候補地として挙がっているのは、中部国際空港(セントレア)島内にある「Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)」を含む約50ヘクタールです。しかし、航空法では滑走路中心から3km~4kmの範囲において、建物の高さは45mに制限されています。
仮に1階あたりの高さ(階高)を4mとすると、建設可能な建物は約11階程度にとどまります。一方、大阪IRは高さ126m・地上27階建てで計画されています。
愛知IRは高さ45mという制約があるため、建築デザインや施設の象徴性に大きな制限がかかり、世界の富裕層を呼び込むだけの魅力を備えるのは難しいと考えます。
さらに、IR実施法ではホテル客室数を2,500室以上とする条件があり、この規模の需要を支えられる市場は、日本では東京と大阪に限られると考えられます。
加えて、空港島という立地は航空機の騒音問題があり、屋外イベントの開催にも不向きであるため、集客面でも課題が残ります。
大阪IRの事業費は約1兆5,130億円とされており、この規模を踏まえると、愛知IRについても少なくとも1兆円程度の投資が必要になると推定されます。
これほど巨額の資金を負担できるIR事業者を、これから募集・選定し、2027年の申請期限に間に合わせるのは、現実的には極めて困難と考えられます。
