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台湾(大学進学率80%)に見る、大阪復活のヒント― TSMCに学ぶ「量より質」の大学戦略 ―

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台湾の大学進学率は約80%、「高学歴社会の成功例」と言えるでしょう。

その実態をよく見ると、日本や大阪の都市政策にとって重要な示唆が隠れています。

単なる「進学率の高さ」ではなく、どの分野に人材と資金を集中しているのかが決定的に重要なのです。

 

台湾の成功の本質は「理系偏重」
TSMC の存在が象徴的ですが、台湾は明確に理工系重視の国家戦略を取っています。
  • 半導体
  • 電子工学
  • IT・AI分野

これらに国家レベルで人材と資金を集中させています。

結果として、

  • 高付加価値産業が成長
  • 輸出競争力の強化
  • 高賃金雇用の創出

という好循環が生まれました。

 

日本は「文系偏重」という構造問題

一方、日本はどうでしょうか。

日本の大学は、国際的に見ても文系比率が高いとされています。

ここで重要なのはコスト構造です。

  • 理系:設備・研究費が高い
  • 文系:比較的低コスト

つまり、

「同じ予算なら、文系の方が多くの学生を受け入れられる」

というインセンティブが働きます。

 

台湾と日本の教育比較
項目 台湾 日本
人口 2,360万人 1億2,500万人
大学数 約160校

  • 国立(48校)
  • 私立(104校)
  • その他
約800校

  • 国立(86校)
  • 公立(101校)
  • 私立(620校)
大学生数 140万人 290万人
大学進学率 80%(普通科高校からの大学進学率は95%) 74%(短大・専門学校を含む)
52%(4年制大学)
大学院進学率 17% 11%

台湾は日本と比較して理系学生の比率が高く、その結果として大学院進学率も高い傾向にあると考えられます。

日本の旧帝大の理系では大学院進学率が70〜80%に達するとされますが、台湾の有力大学においても同程度の水準(70〜80%)にあると言われています。

こうした背景のもと、台湾では高度な理系人材が継続的に育成されており、その多くがTSMCを中心とする半導体産業へ集中的に就職しています。

一方、日本では理系人材が自動車、インフラ、電機など多様な産業に分散する構造となっています。このため、半導体分野に限定して比較すると、台湾の方が人材の集積という点で優位性を持っていると考えられます。

 

都道府県別の大学(4年制)進学率
令和元年度学校基本統計(速報値)より一部の県を抜粋
都道府県 大学(4年制)進学率
東京 73%
京都 67%
山梨 61%
奈良 59%
大阪 57%
兵庫 56%
中略
北海道 46%
岩手 38%
秋田 39%
山口 38%
福岡 49%
宮崎 39%
鹿児島 39%
沖縄 50%
全国平均 52%

日本の大学進学率には、地域によって大きな格差が存在しています。

東京都の大学進学率(4年制)は73%に達している一方、東北や九州の一部地域では38%前後にとどまっており、地域間でほぼ2倍の格差が生じています。

 

「大学と大学生の数だけを増やす仕組み」が歪みを生む

この構造は、結果として以下を生みやすくなります。

  • 文系学部中心の大学増設
  • 定員確保優先の経営
  • 実学・産業との乖離

さらに踏み込めば、

  • 文部科学省
  • 地方自治体
  • 学校法人

の利害関係により、

大学=雇用の受け皿(いわゆる天下り構造)

という側面も否定できません。

結果として、

「数は多いが産業に直結しない大学」が増える傾向が生まれます。

 

大阪の課題

大阪は、かつては「商都」として栄えましたが、現在は

  • 本社機能の流出
  • 製造業の縮小
  • 高付加価値産業の不足

といった課題が顕在化しています。

 

大阪復活の鍵は「理系人材の集積」

台湾モデルから導かれる結論はシンプルです。

大学の数ではなく、理系人材の質と量

大阪が目指すべきは、

  • 半導体
  • バイオ
  • AI・データサイエンス

などに特化した都市型イノベーション拠点です。

 

具体的な政策提案
① 理系学部への重点投資
  • 補助金の配分を文系→理系へシフト
  • 研究設備への直接投資
② 「大学の統廃合」と「専門特化」
  • 文系中心大学の再編
  • 理系特化大学の育成

③ 産業と大学の直結

  • 企業研究所の誘致
  • インターン・共同研究の義務化
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