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札幌市、丘珠空港 滑走路1500m→1800mに延伸計画、新ターミナルビル2030年度に供用開始を目指す

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出典 札幌市

国土交通省は、札幌市東区の丘珠空港について、現在1,500メートルの滑走路を1,800メートルへ延伸する計画を進めています。これにより、ジェット機の運航能力向上や就航路線の拡充が期待されています。

さらに、2026年7月2日に開かれた札幌市議会では、新ターミナルビルの基本計画素案が示されました。計画では、現在のターミナルビルに隣接する約2,300㎡の敷地に3階建ての新ターミナルビルを建設し、既存ビルとは渡り廊下で接続します。これにより、ターミナル全体の延床面積は現在の約3倍となる約1万㎡へ拡大する見込みです。事業費は約70億円を見込み、2030年度の供用開始を目指しています。

丘珠空港は、JR札幌駅から北東へ約5kmという都心に近い立地にあり、アクセスの良さが大きな特徴です。滑走路延伸と新ターミナル整備が実現すれば、利便性と受入能力が大幅に向上し、北海道内外を結ぶ航空ネットワークの強化や、札幌圏の都市機能・観光振興を支える重要な拠点として、さらなる発展が期待されます。

地図

新千歳空港への影響

新千歳に発着するリージョナルジェット機(80席前後)の路線を丘珠空港に移すことで、新千歳空港において、より大型の機材への振り替えが可能となり発着枠を有効に活用することが出来ます。

 

滑走路延長事業概要
項目 現在 滑走路延長後
滑走路長 1500m 1800m(西側200m+東側100m)
運用時間 13時間(午前7時〜午後8時) 14時間(午前7時〜午後9時)
1日の便数 54便(ATR24便・ERH30便) 72便(ATR24便・Q40024便・ERJ24便)
機材
  • 座席数48席(通年)
  • 座席数80席(冬季は不可)
座席数100席までの小型機
路線 道内5路線+道外2路線

  • 函館
  • 釧路
  • 女満別
  • 利尻
  • 奥尻

道外

  • 三沢(八戸)
  • 松本
  • 静岡
道内6路線+道外10路線
機材
  • ATR42-600(48席)通年可能
  • ERJ170/175(76/84席)冬季は不可
  • DHC8-Q400(78席)不可
  • A320-200(180席)不可
  • B737-800(180席)不可
  • ATR42-600(48席)通年可能
  • ERJ170/175(76/84席)通年可能
  • DHC8-Q400(78席)通年可能
  • A320-200(180席)冬季は不可
  • B737-800(180席)不可
年間利用者数 59万人 113万人

出典 札幌市

整備費用

空港整備費用 150億円~200億円(札幌市と北海道負担23億円~30億円
空港ターミナル 70億
合計 220億円~270億円

 

アクセスを比較

現在、丘珠空港から札幌駅へのアクセスは、バスと地下鉄を乗り継ぐ必要があり、所要時間は約30分です。

  • 丘珠空港 → 地下鉄「栄町駅」:連絡バスで約5分(運賃350円)
  • 地下鉄「栄町駅」→ 地下鉄「さっぽろ駅」:約11分(運賃250円)

合計の所要時間は約30分、運賃は600円となります。

一方、丘珠空港と札幌駅前を結ぶ直通バスも運行されており、運賃は1,000円です。また、タクシーを利用した場合は約20分で到着し、料金は約3,000円です。

これを新千歳空港と比較すると、新千歳空港から札幌駅まではJR快速列車で約38分、運賃は1,230円です。つまり、丘珠空港を利用した場合、札幌駅までの所要時間は約8分短く、運賃も約630円安くなります。

さらに、丘珠空港は空港規模がコンパクトなため、到着後の手荷物受け取りや空港外への移動が比較的スムーズになる可能性があります。

また、新千歳空港から札幌駅までのJR運賃は2人で2,460円となります。2人以上で旅行する場合は、丘珠空港からタクシーで札幌市内のホテルへ直接向かっても、総額では新千歳空港利用時との差はそれほど大きくなく、ドア・ツー・ドアの利便性を考慮すれば、十分に競争力のある選択肢といえるでしょう。

 

丘珠空港への地下鉄延伸はほぼ不可能

丘珠空港の滑走路延伸により、空港利用者数は年間113万人まで増加すると見込まれています。しかし、そのうち50%が地下鉄を利用すると仮定しても、1日当たりの地下鉄利用者数は約1,550人にとどまります。

仮に地下鉄を栄町駅から丘珠空港まで延伸した場合、丘珠空港駅~栄町駅間の加算運賃を最大200円程度と想定すると、延伸によって増える鉄道収入は1日当たり約30万円、年間でも約1億1,000万円程度と試算されます。

一方、地下鉄の建設費は一般的に1km当たり約400億円とされており、栄町駅から丘珠空港までの約1.6kmを延伸する場合、総事業費は約600億円に達すると考えられます。

年間の増収が約1億円程度であることを踏まえると、単純計算では建設費の回収に約600年を要することになります。

もちろん、地下鉄整備は運賃収入だけでなく、沿線開発や地域経済への波及効果、防災機能の向上なども考慮して判断されます。しかし、国の鉄道整備では費用対効果が重視され、一般的には約40年程度で投資回収が見込めることが事業採択の一つの目安とされています。

そのため、現在想定されている利用者数を前提とすれば、栄町駅から丘珠空港への地下鉄延伸が実現する可能性は極めて低いと考えられます。

 

コメント

2038年(最速の計画)に北海道新幹線がJR札幌駅まで延伸すれば、札幌と函館を結ぶ航空路線の役割は大きく低下し、将来的には運休・廃止となる可能性があります。

そうなれば、丘珠空港が担ってきた「道内移動の拠点」としての役割も、現在より小さくなることが予想されます。

また、道外から札幌を訪れる利用者にとっても、丘珠空港の優位性は限定的です。丘珠空港は市街地に近いものの、現在は電車とバスを乗り継いでJR札幌駅まで約30分かかります。一方、新千歳空港からJR札幌駅までは快速エアポートで約37分と、所要時間の差はわずか7~8分程度です。

さらに、丘珠空港に就航できるのは80席前後以下の小型機が中心です。大型機より巡航速度が遅いため、本州との長距離路線では飛行時間が長くなる可能性があります。輸送力の面でも、新千歳空港との差は大きいといえるでしょう。

こうした将来の交通環境や需要の変化を踏まえると、約300億円を投じて丘珠空港の滑走路を延長する投資が、費用に見合う効果を十分に生み出せるのかは慎重な検証が必要です。新幹線との役割分担や、新千歳空港との機能分担を含め、中長期的な視点から投資の必要性を判断することが求められます。

 

当ブログの提案は、丘珠空港の廃港・公園化

モエレ沼公園(筆者撮影)

北海道を訪れる観光客の多くは、「雄大な自然」や広大な景観を求めています。しかし、実際に札幌市中心部へ足を運ぶと、高層ビルが立ち並ぶ都市景観が広がり、「北海道らしい大自然」を感じられる場所は限られています。

そこで一つの選択肢として考えられるのが、将来的に丘珠空港の役割が縮小した場合、その跡地を大規模な公園やテーマパークとして再生する構想です。

例えば、丘珠空港跡地を「モエレ沼公園」や「サッポロさとらんど」と一体的に整備すれば、広大な緑地空間を形成できます。札幌市街地から近い場所にありながら、北海道らしい自然や開放感を体感できる観光拠点となる可能性があります。

園内には四季折々の花畑や森林、湖、サイクリングコース、グランピング施設、アスレチック、農業体験、アウトドアイベントなどを導入することで、国内外の観光客だけでなく、市民の憩いの場としても高い価値を生み出せるでしょう。

もちろん、丘珠空港は現在も道内離島や地域航空を支える重要な役割を担っており、廃止を前提とした議論には慎重な検討が必要です。しかし、北海道新幹線の札幌延伸などにより航空需要や空港の役割が大きく変化した将来を見据えれば、空港機能のあり方だけでなく、広大な土地を都市の魅力向上や観光資源として活用するという視点も、今後の選択肢の一つとして議論する価値があるのではないでしょうか。

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