横浜みなとみらい21(筆者撮影)
2019年8月22日、横浜市の林文子市長はカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する方針を正式に発表した。
引用 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190819-OYT1T50064/
林文子市長は2017年の市長選では、カジノを含む統合型リゾート(IR)について「白紙状態」と慎重姿勢だった。
コメント
2019年5月、政府が2019年7月1日に予定していた「カジノ管理委員会」を2019年秋に先送りした。
これについて、当ブログでは「東京・横浜の立候補を待つために先送りした」との記事を書いていたが、その通りの展開になった。
日本への参入を目指すIR運営会社と候補地
IR事業者 | 国名 | 候補地 |
MGMリゾーツ・インターナショナル(オリックス提携) | アメリカ | 大阪 |
ラスベガス・サンズ | アメリカ | 東京・横浜・大阪 |
ウィン・リゾーツ | アメリカ | 東京・横浜・大阪 |
メルコリゾート&エンターテインメント | 香港 | 大阪・横浜 |
ギャラクシー・エンターテインメント・グループ | 香港 | 大阪・和歌山・横浜・北海道 |
ゲンティン・シンガポール | シンガポール | 大阪 |
グループ・ルシアン・バリエール | フランス | 和歌山 |
ハードロック | アメリカ | 北海道(苫小牧) |
IR整備法によると、最大で3都市にIRを設置するので、「大阪」「横浜」+地方都市の3都市が考えられる。
しかし、IR整備法によるとカジノ面積はIR全体の3%と条件が極めて厳しい。
言い換えるとIR面積の97%はカジノ以外となるめ、カジノ以外で年間数千万人の観光客を集客できる都市でないとIR運営は困難と思われる。
この条件を満たすのは、「大阪」と「横浜」以外にはなく、最終的にIRが設置されるのは「大阪」と「横浜」の2都市と思われる。
IR運営会社
世界最大のIR運営会社は「ラスベガス・サンズ」だが、シンガポールにマリーナベイサンズを運営し大成功しているため、日本への進出計画は遅れMGMに先を越されてしまった。
MGMは日本の各都市を調査し「大阪」を第1候補に絞り込んでおり、サスベガス・サンズは「東京・横浜」の首都圏への進出を計画するしかなかった。
しかし、「東京・横浜」がIR候補地に立候補しないため、政府としてはトランプ政権と親密な「ラスベガス・サンズ」の日本進出を成功させるため、ガジノ管理委員会の設置を2019年7月1日から2019年秋に先送りしたと思われる。
横浜赤レンガ倉庫(筆者撮影)
横浜の状況
横浜IR建設予定地は「山下埠頭」だが、横浜港湾協会の藤木幸夫会長(87歳)が反対しており、難航する可能性がある。
しかし、横浜市の林文子市長(73歳)は数年後には、状況が変化すると見ているのかもしれない。
当ブログの予想
IIR設置都市 | IR事業者 |
大阪市 | MGMリゾーツ・インターナショナル(オリックス提携) |
横浜市 | ラスベガス・サンズ |
大阪府市はIR開業準備で先行しており、横浜市はかなり遅れている。政府は横浜市のスケジュールに合わせて、IR開催を遅らせる可能性が高い。
したがって、大阪府市が目指す2024年のIR開業は絶望的と思われる。
結局、政府は首都圏以外の都市が東京に先行することを法律、省令、予算を使って阻止しているわけで、東京(首都圏)に企業や人口が集中する結果になっているのではないか?
政府は「東京一極集中」を是正する気はなく、単なるポーズでしかない。
横浜IR事業者案(12業者中9事業者が公表)
項目 | 金額・面積等 |
投資額 | 6,200億円~1兆3000億円 |
年間売上 | 3,500億円~8,800億円 |
山下埠頭面積 | 47ha |
IR施設全体延床面積 | 67ha~150ha |
MICE施設 | 7ha~22.9ha |
宿泊施設延床面積 | 27ha~60ha |
宿泊施設客室数 | 2,700室~5,000室 |
横浜への観光客数 | 4,400万人~7,800万人 |
IR訪問者数 | 800万人~5,200万人 |
直接雇用者数 | 1万人~5.6万人 |
間接雇用者数 | 0.7万人~14.9万人 |
経済効果(IR全体) | 7,700億円~1兆6500億円 |
出典 横浜市 (IR事業者の提案)
IR事業者決定などのスケジュール
年 | 内容 |
2018年7月 | IR整備法成立(国内最大3都市にIRを設置) |
2019年秋 | カジノ管理委員会設置 |
2019年~2020年? | 「国」による「実施方針策定・公表」 |
「都道府県」によるIR事業者公募・選定 | |
「都道府県・IR事業者」による区域整備計画の認定申請 | |
「国」によるIR区域認定・公示 | |
2020年~2021年? | IR建設着工 |
2024年? | IR開業 |