阪急阪神ホールディングスは2018年4月に傘下の阪急不動産と阪神電気鉄道の不動産部門などグループの不動産事業を統合し、「阪急阪神不動産」とする。
この不動産会社「阪急阪神不動産」は阪急阪神ホールディングスの子会社となる。
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事業再編後の体制イメージ
阪急阪神ホールディングス | |||||
阪急電鉄 | 阪神電気鉄道 | 阪急阪神不動産 | 阪急交通社 | 阪急阪神エクスプレス | 阪急阪神ホテルズ |
阪急グループはバブル期の過剰投資等により有利子負債が1兆2826億円(2009年)まで増加したが、近年やっと8,995億円(2016年)まで減少した。今後は、積極的に投資を行う方針。
梅田に付加価値を創造する
従来の阪急の経営方針は、郊外の沿線の不動産開発を行い、沿線人口を増加させ、鉄道収入を増加させることだった。
しかし、日本の人口減少、高齢化による通勤客の減少により、従来とは違うアプローチをしているように思える。
具体的には、梅田地区に付加価値を創造する経営方針に転換しつつあると思われる。
例えば新大阪~梅田間の新線建設、阪急伊丹空港連絡線など沿線利用者の利便性向上という目的もあるが、関西圏外から利用者を梅田地区に誘導する「仕掛け」としての意味もある。
現在、海外からの訪日旅行者は、なんば・心斎橋エリアで買い物することが多い。阪急阪神HDとしては、訪日客も梅田地区に誘引することで梅田地区の売上増加を目指していると思われる。
今後の重点開発地区
- 新大阪
- 伊丹空港
- 関空
- 神戸空港
- うめきた2期
- 夢洲(2025年大阪万博会場候補地、IR)
H2Oリテイリングとの微妙な関係
阪急百貨店や阪神百貨店を運営するH2Oリテイリングは、「ニッショーストア」や「イズミヤ」と経営統合し、やや鉄道部門と距離感があるように思える。
阪急電車のコンビニ「アズナス」も鉄道系の阪急阪神ホールディングス系列の「エキ・リテール・サービス」が運営している。
百貨店系列のオアシスはEDYが使えるが、「アズナス」はEDYが利用できないなど、百貨店系列とはサービスが違う。
一般論として
鉄道会社にとっては、駅コンビニは駅売店みたいなもので重要視していないように思える。
しかし、顧客との接点である駅コンビニの接客が悪いと鉄道会社自体のイメージダウンにつながる。
鉄道会社の人間は駅コンビニ運営よりも大規模開発の仕事をしたいだろうが、利用者目線がないと大規模開発も失敗することもある。
鉄道会社はもっと利用者との接点を重要視すべきではないか?