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沖縄県、下地島空港を「宇宙港」化で、愛知県のベンチャー企業「PDエアロスペース」と合意【年内にも無人機 試験飛行へ】

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みやこ下地島空港ターミナル(筆者撮影)

沖縄県は、沖縄県宮古島市の下地島空港を「宇宙旅行」の拠点となる「宇宙港」として運用することを目指し、愛知県のベンチャー企業「PDエアロスペース」と事業の実施に向けた合意書を2020年9月10日に交わした。

 

今後のスケジュール
  • 早ければ2020年12月にも、無人機による飛行実験を行う
  • 2021年8月頃、下地島空港内に機体格納庫の完成させる
  • 2021年11月頃、機体を下地島空港に搬入し、実証実験を行う
  • 2022年初め、高度100km到達を目指す
  • 2022年~2023年に、宇宙旅行の事前予約を開始する
  • 2025年にも、年間100人の本格的な「宇宙旅行」を開始し、2030年には年間1,000人を目標とする
  • PDエアロスペース社の投資額は数十億円
  • 「宇宙旅行」の費用は1,500万円で、国内やアジアの超富裕層を顧客として想定している
  • PDエアロスペース社を中心に、県内外の旅行業者や航空会社と観光事業を展開する「下地島宇宙港事業推進コンソーシアム(仮)」を設立する。

下地島空港滑走路(筆者撮影)
PDエアロスペース

出典(RDエアロスペース)

  • 設立 2007年5月
  • 住所 愛知県名古屋市緑区
  • 社員数 30名(ANA、HIS、IHI、トヨタからの出向者を含む)
  • 出資者 ANAホールディングス、HISグループ、みずほグループ

 

RDエアロスペースの「宇宙飛行機」開発計画
  • ジェットエンジンによる水平離陸、水平着陸(ロケットのような垂直打ち上げではない)
  • 高度15kmまでジェットエンジンモードで上昇
  • 高度15kmからロケットモードで上昇
  • 高度50kmでエンジン停止
  • その後、高度110kmの「宇宙」に到達(無重力時間は5分間)
  • 高度30kmで大気圏再突入
  • 滑空(ジェットエンジン)で空港へ水平着陸
  • 飛行時間は90分
  • 機体とエンジンを完全再利用
  • 乗客6名+パイロット2名

 

下地島空港は、パイロットの訓練用空港として1979年に開港したが、2015年にパイロット訓練が終了した。

2019年3月30日に三菱地所が新ターミナルビルを建設・開港し、ジェットスターが「成田ー下地島」「関空ー下地島」、香港エクスプレスが「香港ー下地島(現在運休中)」が定期便を1日1往復程度で運航している。

2020年10月25日からスカイマークが「羽田ー下地島」「神戸ー下地島」「那覇ー下地島」路線に就航する。

しかし、定期便は1日10往復以下で、さらなる活用方法を模索していた。

 

下地島空港が宇宙港に選ばれた理由

  • 滑走路が3,000mと長い(滑走路幅60m)
  • 海に囲まれており、騒音などの懸念がない
  • 定期便の便数が少ないので、「宇宙旅客機」を運航することができる
  • 美しい海があり、リゾート感もあるので国内外の富裕層を集客しやすい
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